【川崎市川崎区】共生・共育多文化フォーラム 壁を乗り越えて、わかちあう詩とラップ
こんばんは!
武蔵小杉と川崎を行ったり来たりしながら、川崎市内のトレンド&カルチャー情報をほぼ毎日更新しています、俳優のAshです。人情のまち・川崎の楽しいイベントやおいしいお店の情報が気になる方は、ぜひフォロー&チェックして下さいね♪
もう3月が終わろうとしています。
3月中に取材した記事で、出し切れていないものを絶対に今年度中に出したい…!!!
頑張って書きますね!
さて、川崎市といえば市の特色として「多様性」を近年とくに大きく打ち出しています。
川崎市は大きいので、地域性にもずいぶんと差があり、今日の記事の内容は北部の方にお住まいの方には少し縁遠く感じるかもしれません。けれども、せっかくなのでもし目に留めていただけたら、ぜひ最後まで読んで欲しいな、と思います。
共生・共育多文化フォーラム
川崎市のもっとも南に位置する川崎区は、昔から多文化・多民族の入り混じる地域です。
現在川崎では、地域課題の解決を市民主導で行う「SDC(ソーシャルデザインセンター)」の設立がそれぞれの区で進められていますが、地域にだいたい1拠点ずつ作ろうとしている他の区と異なり、川崎区ではそれが、たくさんの担い手により、バラバラに多数点在する形になっています。
※ソーシャルデザインセンターについては、こちらの過去記事も参照してください。
川崎区が横に広い、というのもその要因のひとつではありますが、とにかく川崎区はバラエティに富んでいるんです。
このモデル事業の一つとなっている「社会福祉法人 青丘社」の原千代子さんの主導で、3月11日に、教育文化会館において「共生・共育多文化フォーラム」という催しが行われたので、勉強のために参加してきました。
教育文化会館
会場となっていたのは、教育文化会館です。
カルッツ川崎ができる前は、この辺りではもっとも大きくて設備の整った大ホールを備える文化施設でした。
カルッツにホール機能が移って、2018年の3月には、大ホールが閉鎖されました。
そのあとは、生涯学習の拠点として、会議室などを貸し出す機能を充実させているようです。
在りし日の大ホール
せっかくなので、私も自分のストックの中で、教育文化会館のホールの写真を探してみました。こちら2014年の2月、大雪の日に1歳の空太郎といっしょに影絵の公演を観に行った時のもの。
2000人近く入る大ホールで、音響もよく、なかなかいいホールがあるもんだなあ、と思ったものです。開館当時には、他にない大きさで、美空ひばりさんやピンクレディーも来たと当時の新聞で読みました。
さて、昔話はこの辺りにして、本日の行事。
青丘社さんによる「共生・共育フォーラム」は、3階第4、第5会議室で行われているようです。
パネルディスカッション
実践報告として、地域相談支援センターさらんさんと小関かおりさんによる「インクルージョンの事例に学ぶ 〜努力から責務へ〜」、ラッパーのFuniさんと金隆世さん、ソルボルさんによる「音楽表現活動の事例に学ぶ 〜生きづらさを表現することの意味〜」、佐々木聖瞾さんと李元さんによる「外国ルーツ若者グループ 〜高校生・若者の居場所づくり〜」という20分ずつの発表がありました。
私はこの日、ほかの仕事のあとで駆けつけたので、最初の発表を聞くことができなかったのですが、配布された「医療的ケア児の校区学校生活」という資料がとてもしっかりしていたので、後にじっくりと読み、考えることができました。
なんでも、文章に表すことというのはとても大切ですね。
ラッパーFuniさんとは親交があり、今日も久しぶりにFuniさんに会いたかったこともあり取材に訪れたのですが、彼らのグループについては後述します。
外国籍の子どもたちの居場所づくり
実践報告3の「外国ルーツ若者グループ」の表にもかなり惹きつけられました。
このグループは、川崎区にとても多い外国籍の子どもたちの居場所の問題を研究する人たちでした。外国籍の子どもたちのほとんどは、「家族滞在」といって、日本で働く親に呼び寄せられて日本にいるパターンだそう。
家族に在留資格がなくなってしまうと、子どもたちも居られなくなってしまうという、非常に不安定な状況。この団体の活動はそういう子どもたちの進路や学習支援活動をし、多文化共生の現状と課題を考えることなのだそう。
ここに参加している若者たちは、非常に聡明で、プレゼンテーションも上手な上に、物腰もとても丁寧で優しい方たちばかりでした。
音楽表現を通じて生きづらさを表現する
そして、私の「推し」。いつもカッコイイ。頭もキレる。何より優しいラッパーのFuniさん。
最近、ご結婚されお子さんも生まれてパパとなりましたが、ラップで表現するその言葉の光は、相変わらずシャープです。
グループディスカッションの時には、コミュニティの中に「居場所」を欲する若者たちのために、Funiさんが開いたラップのワークショップが突端となり、救われた、という金さんがご自身の経験を語り、参加者と対話を重ねて、「居場所」のありかたについて考えました。
そのほかの二つのグループでも同様に、分化してそれぞれの課題について、話し合いが行われたのですが、このフォーラム、すごいのはここから。
ラップでラップアップ
なんと、まとめはFuniさんがみんなのことばをラップにして歌ってしめるのです。
まとめのことを英語でラップアップ、といいますが、これが本当のお洒落ラップアップ。
いや、お洒落にするような内容ではないのですが、重ための内容だからこそ、歌にして心に刻む、というのはすごく意義があると思います。
それぞれのグループから出できた言葉を、ホワイトボードに書き出して、Funiさんが歌に載せやすいように短いフレーズにしていきます。
たとえば、「自分が引きこもって、外に出られなかった時、どうしても食べたくてアイスを買いに行ったコンビニの人がかけてくれた一言がきっかけになって、外に出られるようになった」というような話。
「みんなで叫ぼうアイスクリーム!」という一言に集約されました。
出来上がった歌詞はこうです。
お互いに影響及ぼし合う
弱いものが住みやすいのが居場所
一緒にいることに意味がある
毎日見てたら全然普通
つながりをもとめて表現しよう
細くてもゆっくりつながろう
人がいるから居場所になる
みんなで叫ぼう アイスクリーム(I scream / Ice cream)
Funiさんが歌い、会場の参加者がそれを繰り返し、レスポンスします。
この一体感とグルーヴ。
忘れられない時間になりました。
このように、音楽によって救われることは(私個人は)今までたくさんありました。
その活動によって、社会のひずみを少しでも埋めていくことができるのかどうかはわかりませんが、実際に活動している同世代のFuniさんや、さらに若い人たちの志を目の当たりにして、まだまだ自分もしなければいけないことがたくさんあるな、と感じました。
もしも、この記事がみなさまにとっても、身近な社会課題に、ちょっとでも目を向けるきっかけになったらうれしいです。(その課題は前述の通り、お住まいの地域によって違うと思います。)
4月には第20回統一地方選挙もあり、県知事選はすでに告示され、市議選もいよいよです。
前にも書きましたが、政治とはまず、自分の住んでいる場所を少しでも住み良い場所にしようとする人間の営みのことです。進んで、参加できる風潮が広がっていくといいな、と思います。
社会福祉法人 青丘社
相談受付者:原 千代子(はら ちよこ)
場所: みんなの家学習スペース(川崎区桜本1-8-22)
窓口受付:毎週火曜10時~16時、水曜13時~17時
電話:044-288-2997
FAX:044-589-7700
メール:hara@seikyu-sha.com
川崎市教育文化会館
住所:川崎市川崎区富士見2-1-3
電話番号:044-233-6361
開館時間:8時30分〜21時30分
休館日:第3月曜日
公式サイト:川崎市教育文化会館について
アクセス:JR川崎駅東口より徒歩14分、市バス教育文化会館前で下車すぐ