【東広島市】西条盆地の成り立ちと盛隆を出土品から学べます!
東広島市立美術館で開催されております、「東広島の黎明展」を見学いたしました。6月25日(日)まで開催、入場無料です。市教育委員会が主催です。
広島大学敷地内にある西ガガラ遺跡などで、石器時代の出土品が発掘されたそうで、ここから西条盆地の歴史が始まります。石器時代は一般的に、人々は狩猟のために移動生活をしていたとされていますが、西ガガラ遺跡からは住居跡が見つかっており、定住していたと推定されます。
弥生時代の土器です。壮大でなおかつ、ほぼ原形を留めています。
奈良時代には西条盆地に安芸国分寺が建てられます。ここから出土の木簡には「佐伯郡米五斗」「山方郡」(山県郡)と書かれていて、安芸国(広島県西部)の各地域から物品が寄せられたことが記されています。
全国の国分寺は、741年に聖武天皇による詔で建造が決まりましたが、住民にとって重い負担になるため、完成までには長い年月を要しました。しかしこの安芸国分寺は木簡から750年創建と推定されており、早期に完成したことが判っています。
戦国時代には大名の大内氏が鏡山城を建造して西条一帯を支配しましたが、尼子氏の侵攻され、そしてやがて毛利氏が安芸国など中国地方の広いエリア(そして九州の一部)を領有するに至ります。そういう戦国時代の経緯についても詳しく解説されています。
西条盆地といえば赤瓦の屋根の民家が特徴的ですが、江戸時代は黒い屋根だったそうです。そこに石見国(島根県西部)の職人がやって来るなどして、赤瓦の生産が興りました。その初期の赤瓦も展示されています。
出口付近では大型TVが備え付けられ、三ツ城古墳や国分寺などについて詳しく楽しく解説されていました。
古くから米どころとして栄え、京都と大宰府を結ぶ街道の宿場町としても繁栄した西条の歴史を深く学びました。皆様も是非いかがでしょうか。
(了)
東広島の黎明展
会場:東広島市立美術館2F展示室(広島県東広島市西条栄町9番1号)
開催期間:2023年4月5日(水)~6月25日(日)
開館時間:9:00~17:00(5月26日(金)、6月23日(金)は19:00まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)
主催:東広島市教育委員会
お問い合わせ先:082-420-7890(東広島市出土文化財管理センター)