台風11号 今夜上陸へ 総雨量1000ミリ超えるおそれも
大型で強い台風11号は今夜、四国に上陸する見通しです。四国や紀伊半島を中心に、記録的な大雨となるおそれがあり、台風から離れた東海・関東でも激しい雨の降る所が出てきます。
動き遅く、大雨が長引く
今回の台風は、進路にあたる四国・近畿・中国地方を中心に、暴風や高波、海面が上昇して海水が陸に流れ込む高潮など、さまざまな現象に厳重な警戒が必要となります。
その中でも、今回とくに危険なのが雨です。あす金曜日にかけて四国や紀伊半島の山地の多いところでは、総雨量が1000ミリを超えるおそれもある状況。大規模な災害が起こってもおかしくない雨です。
台風11号は現時点で、雲の渦が崩れず、大きさを保っています。それだけ、大量の雨雲をかかえ込んでいるということです。台風の動きは遅く、長時間の大雨をもたらします。
最悪の場合を考えた行動を
近年では、多数の犠牲者が出た紀伊半島大水害を引き起こした2011年の台風12号や、宮崎県の高千穂鉄道が廃線のきっかけとなる大雨をもたらした2005年の台風14号などで、総雨量が1000ミリを超えています。
去年のお盆前に来た台風11号でも、四国山地で1000ミリを超え、集落の孤立などが起こりました。
予想雨量は、あくまで「多いところで」ですので、どこでも記録的な大雨が降るわけではありませんが、近年だけでこれだけ例があることを考えると、最悪の場合を考えた行動も必要となってきます。
1000ミリに達しなくても危険な雨に変わりはなく、平野部・市街地でも四国・近畿・中国地方を中心に、大雨となるところが出てくるでしょう。
また、東海・関東など東日本でも、急な激しい雨や突風のおそれがあり、特に山地では雨が降り続いて、大雨となるおそれがあります。
夜間の大雨の前に備えを
今回怖いのが、今夜、つまり夜間に、西日本では大雨のピークを迎えているということです。「避難!」と決めた時には動ける状況になかった、もしくは、動いたことで水に流されたということに陥るおそれもあります。
そうならないためには、動くのは台風が接近する前。つまり、残された時間は今日の昼間までということになります。
お住まいの場所で起こり得る災害を想像し、危険がありそうなら、避難勧告などの「情報待ち」をせずに、行動をお願いしたいと思います。