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プロレスラー荒井優希 デビュー戦黒星で悔し涙を流すも、ファンの心は掴む!

三尾圭スポーツフォトジャーナリスト
ギブアップ勝ちした荒井優希にツンデレなエールを送る伊藤麻希(Abemaより)

 東京女子プロレスでデビューした新人レスラー荒井優希が、デビュー戦でギブアップ負けを喫して悔し涙を流したが、Abemaの中継を観戦した大勢のファンの心を掴んで、プロレスラーとしてのポテンシャルの高さを証明した。

 5月3日に後楽園ホールにて無観客で開催された「YES! WONDERLAND 2021~僕らはまだ夢の途中~」で、渡辺未詩と組んで伊藤麻希&遠藤有栖組と対戦した荒井。

 伊藤と遠藤に実力と経験の差を見せられたが、どんなにやられても立ち上がり、鋭い目つきで相手を睨み続ける。

 試合終盤には荒井が必殺技の「かかと落としFinally」を伊藤の脳天に見舞ってフォールの体勢に入ったが、ここは遠藤がカット。2発目の「かかと落としFinally」を伊藤に封じられると、DDTからのこけしを喰らい、最後は伊藤デラックスの前に無念のギブアップ負け。

 4月17日のメインイベントで伊藤と戦った辰巳リカは、伊藤が伊藤デラックスを仕掛けたときに、相手に向かって中指を立てて逆転勝ちに繋げたが、デビュー戦の荒井にはその余力は残っていなかった。

 荒井のプロレス本格デビュー戦として大きな注目を集めたこのタッグマッチ、4選手全員がそれぞれの持ち味を発揮して、女子プロレスの魅力を新規ファンに伝えた。

 荒井のパートナーを務めた渡辺は自慢のパワーをフル活用。ジャイアントスイングのスピードは男子も顔負けで、伊藤と遠藤を同時にボディスラムで投げたときには、ネット上のファンが大きく湧いた。

 荒井よりも一足早く今年1月にデビューした遠藤は、得意技のキャメルクラッチで荒井を締め上げ、渡辺相手に鶴ヶ城を決めてみせた。心からプロレスを楽しんでいるのが伝わってくる遠藤は、試合を重ねる度に成長を続けている。

 そして、今の東京女子プロレスで最も勢いがある伊藤は、相手の必殺技を受けた上で、自分の得意とするパターンで勝利を手にするというプロレスの真髄を披露。格下の荒井相手に、フィニッシュホールドの伊藤デラックスを出し惜しみすることなく全力で新人の荒井を倒しに行った。

 伊藤の株がバク上がりしたのが、試合後のマイクアピール。

 「荒井優希、お前は弱い。でも今見てくれているお客さんはお前の弱い姿よりも、弱くても戦う姿に勇気もらえたやつはたくさんいると思う。SKE48の荒井優希じゃなくて、プロレスラーの荒井優希だ」と荒井を認めると、「アイドルと、同じように夢を与え続けろ。今日の試合で満足すんなよ。負けたら絶対次は勝てよ。何年かかっても伊藤麻希を潰しに来い。興味ないけど、頑張れ」とツンデレなエールを送った。

 伊藤のマイクを聞きながら悔し涙を流した荒井は、「今日は負けちゃったけど、絶対強くなるので見ていてください」とファンに約束をしてリングを降りた。

 荒井優希を目当てに中継を見た荒井ファンの多くは、パートナーの渡辺、対戦相手の伊藤と遠藤に感謝の意を示し、「感動した」、「泣いた」と荒井のデビュー戦に心を揺さぶられた様子。

 東京女子プロレスは数多くの新規ファンを獲得しただけでなく、デビュー戦からファンを感動させる試合をした大物の兆しを感じさせる荒井優希という強き者も手に入れた。

スポーツフォトジャーナリスト

東京都港区六本木出身。写真家と記者の二刀流として、オリンピック、NFLスーパーボウル、NFLプロボウル、NBAファイナル、NBAオールスター、MLBワールドシリーズ、MLBオールスター、NHLスタンリーカップ・ファイナル、NHLオールスター、WBC決勝戦、UFC、ストライクフォース、WWEレッスルマニア、全米オープンゴルフ、全米競泳などを取材。全米中を飛び回り、MLBは全30球団本拠地制覇、NBAは29球団、NFLも24球団の本拠地を訪れた。Sportsshooter、全米野球写真家協会、全米バスケットボール記者協会、全米スポーツメディア協会会員、米国大手写真通信社契約フォトグラファー。

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