「バルセロナを退団するメッシ」は、母国アルゼンチンでどう語られているか
実兄のピチは、あのディエゴ・マラドーナと共にワールドユース東京大会(1979年)で世界一となった右ウイング。息子は、栃木SC所属のエスクデロ競飛王。
自身は、元アルゼンチンユース代表&ビーチサッカーアルゼンチン代表であるセルヒオ・エスクデロ。
昨年末から、川越市のフットサル場で自らスクールを始め、この程、埼玉県のジュニアユース、トリコロールFCのコーチとなった彼が、「メッシ、バルセロナ退団」について語った。
アメリカでは「FCバルセロナがメッシの退団を希望している」と報じたメディアもありましたが、アルゼンチンでは違った見解です。バルセロナのクーマン新監督は、メッシがチームに残ることを希望している。でも、もはやメッシにその気持ちが無い、というのが真相のようですね。
クーマン新監督とメッシは、直接話をしたそうです。その折、フランス代表のサミュエル・ユムティティ、チリ代表のアルトゥーロ・ビダル、クロアチア代表のイヴァン・ラキチッチ、そして公私ともにメッシの相棒とも呼べるウルグアイ代表のストライカー、ルイス・スアレスが構想外であること、つまり、退団することを知らされました。
13歳からバルセロナで過ごしたメッシは、スター選手の移籍には慣れています。が、スアレスが去ることに非常に大きなショックを受けたんです。家族ぐるみの付き合いだし、ピッチでも最高のパートナーでしたから。スアレスが戦力外というのは、メッシ退団の大きな引き金になっています。
「メッシとFCバルセロナの契約がまだ残っているので、違約金が発生する。7億ユーロ払うべきだ」とバルセロナは主張しています。一方、メッシ側は34ものタイトルをもたらしたのだから、カネを払わずに出ていきたいと、裁判に持ち込まれる可能性があります。
アルゼンチン国内では「メッシがいたからこそ、バルセロナはずっと儲けて来たじゃないか」と、メッシを擁護する論が多いですね。
当然のことながら、バルサのファンはメッシに残ってほしいと言っています。でも、去ることになるでしょう。
中国資本に支えられているインテルがラブコールを送り始めました。また、メッシを育てた指導者の一人であるジョゼップ・グアルディオラが指揮を執るマンチェスター・シティへの移籍も可能性大です。FWに、アルゼンチン代表のアグエロがいますし、メッシにとってバルセロナで一番やり易いサッカーをしていた時の監督がグアルディオラですからね。
他にはパリ・サンジェルマンなども挙がっていますが、今日のアルゼンチンでは、マンチェスター・シティ移籍が濃厚という論調です。
メッシは33歳ですが、次のカタール・ワールドカップでも活躍できるでしょう。ずっと1つのチームにいるより、環境を変えた方がいいんじゃないかな。特にバルセロナは、シャビやアンドレス・イニエスタといった生え抜きの選手の去り方が、ちょっと寂しいものでしたよね。そこに感じるものがあったんじゃないか、という意見がアルゼンチンでは湧き上がっています。
先日、2-8でバイエルン・ミュンヘンにボロ負けした時、既にバルセロナというクラブは空中分解していたんでしょう。メッシがチームの顔になる前のバルセロナは、ころころメンバーが変わっていました。元々出入りが激しいチームなんですよ。サミュエル・エトオやズラタン・イブラヒモビッチとかね。
2022年が、メッシにとって最後のワールドカップになりますよ。どう考えても、2026年のカナダ、メキシコ、アメリカ3カ国開催まではもちません。だからこそ、然るべきチームで、悔いのない現役生活を送ってほしい。それがアルゼンチン国民の願いです。