鈴木愛が2週連続Vで節目の通算20勝目「女王の完全復活」が垣間見えた2つのポイント
悪天候のためセカンドカットが行われ9ホール短縮競技となった女子ツアー・Vポイント×ENEOS最終日(17日)、鈴木愛選手が小祝さくら選手とのプレーオフを制し、2週連続での優勝を飾った。
鈴木愛選手と言えば2017年・2019年と二度賞金女王を経験している実力者だが、近年は黄金世代やプラチナ世代などの若手選手の台頭もあり、女子ツアーではやや雲隠れしていた印象を持っている人も多いだろう。
しかし筆者は今年の開幕戦のダイキンオーキッドレディスを観戦した際に「今年の愛ちゃんは間違いなくやってくれる」と期待を寄せていた。
本記事では筆者が女王・鈴木愛選手の完全復活を垣間見た2つのポイントを紹介する。
1.フィジカル面の強化
筆者が今年の鈴木愛選手を見て最も感じるのは、フィジカル面がかなり強化されているということだ。
例年の鈴木愛選手と比べて下半身を中心にかなり筋肉が引き締まっていると、開幕戦で一目見た時から筆者は感じていた。
実際にこのオフには1日3時間のトレーニングを週4〜5回ほど行ったそうだ。
日々トレーニングを行っている筆者からしても、これは脅威のトレーニング量である。
その中でも恐らくスクワットやデッドリフトなどの下半身を鍛えるメニューを相当こなしたのではないかと筆者は推測している。
筋力アップすればショットのような速くて大きい動きだけではなく、アプローチやパターなどの小さくゆっくりした動きの再現性も高まるということが現代スポーツ科学では証明されている。
今年の鈴木愛選手の抜群の安定感は、このオフの厳しいトレーニングの賜物だろう。
2.重心の安定
続いて筆者が感じている今年の鈴木愛選手の変化は、重心の安定である。
これももちろんオフのフィジカルアップが貢献している部分は大きいだろう。
重心が安定すればショットの安定度も増し、スコアアップに貢献してくれる。
鈴木愛選手といえばパターを中心に特にショートゲームが武器の選手というイメージの方が多いと思うが、今年はそれに加えてピンをデッドに狙っていけるショット力のさらなる向上が見られる。
そしてこれはあくまで筆者の推測であるが、今年の鈴木愛選手は重心を従来よりわずかに高くしているのではないかと感じている。
プロゴルファーであってもツアーの連戦が続くと重心が下がってミスショットが出てしまうと言われているが、鈴木愛選手にはそういった様子が全く見受けられない。
(昨年の鈴木愛選手のプレー映像 JLPGA公式チャンネル)
(今年の鈴木愛選手のプレー映像 JLPGA公式チャンネル)
この重心の安定感も、ショットやショートゲームに好影響を与えているのではないだろうか。
まとめ
思ったような成績が出ずに、一時は引退という言葉もよぎったという鈴木愛選手。
実際近年はツアーを観戦していても、苦しい表情をしていることが多かった印象だ。
しかしオフシーズンのタフなトレーニングを経て生まれ変わった今年の鈴木愛選手の表情は、プレーをしていてもどこか晴れやかな部分を感じることが多い。やはり愛ちゃんには笑顔が似合う。
悔しい気持ちをバネにさらなる進化を遂げた女王の今シーズンの活躍から目が離せない。
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