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「国民全員が臓器提供者として自動登録される手紙」を受け取ったらすることとは

樫山ひか漫画家/イラストレーター

オランダ在住のひかさん夫婦。二人のもとに政府から「臓器提供者登録の手紙が届きました」

送られてきた手紙は「この手紙に記入して返送しないとあなたは「臓器提供者」に自動登録されるよ」というものです。

普通では「登録したい場合記入して返送」しますよね。

オランダでは、臓器提供に関する法律が2020年7月に導入され「同意推定制度(opt-out system)」に基づいています。この制度では、国民全員が臓器提供者として登録されることを前提とし、提供を希望しない場合は自分で意思表示を行う必要があります。

提供者の数が不足しているため、より多くの人が提供者として登録されることを期待して、現在の制度に移行しました。いかにも"オランダらしい”システムと納得する二人。

届いた「ドナー登録」の封筒。
届いた「ドナー登録」の封筒。

臓器移植に興味がないという人は、開封しなそうですがそうすることで「提供者」として登録されるというもの。

18歳以上の住民に対して臓器提供に関する4つの選択肢が提示されます。
18歳以上の住民に対して臓器提供に関する4つの選択肢が提示されます。

「臓器提供に同意する」「臓器提供を拒否する」「決定を特定の人に委ねる」「後で決定する」とわかりやすく選択肢がカラー別に書かれています。

臓器の指定項目もあります
臓器の指定項目もあります

返送しないと自動で「提供者」に登録されるシステムですが、登録された人々はいつでも自分の意思をオンラインや郵送で変更でき、臓器提供を拒否することもできます。

以前は「任意登録制(opt-in system)」でしたが、提供者の数が不足しているため、より多くの人が提供者として登録されることを期待して、現在の制度に移行しました。

臓器提供に関する社会的な意識を高め、提供者の数を増やすことが期待されていますが、国民がしっかりと自分の意思を示すことが重要で「個人の自由や自己決定権を非常に重視する」オランダらしい制度ではないでしょうか。

漫画家/イラストレーター

オランダ在住のエッセイ漫画家。日本人夫婦目線によるオランダでの日常生活や海外で出会ったネタなどをクスっと笑える漫画で紹介。ライブドア公式ブロガー。ブログ、Twitter、インスタで毎日漫画を更新中!

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