「嵐の日」だからこそ開催される!見る者を驚嘆させる大会に300人が参加
オランダ在住のひかさん夫婦。オランダは北海に面しており、広大な海と接しているため、海からの風が強く吹き込むことがよくあります。また、国土の多くが低地または平坦な地形で、風が遮られることなく広がりやすいです。特に秋から冬にかけて嵐や強風が頻繁に発生します。そんな強風が起こる国だからこその大会があるのです。
非常に風の強い日にのみ開催されるユニークな自転車大会として 「NK Tegenwindfietsen」(エヌカー・テーヘンヴィントフィーツェン) が知られています。
NK: 「エヌカー」
これは「Nederlandse Kampioenschappen(オランダ選手権)」の略です。
Tegenwind: 「テーヘンヴィント」
オランダ語で「向かい風」を意味します。
(「tegen」は「逆に」や「反対に」、「wind」は「風」を表します)
Fietsen: 「フィーツェン」
「自転車に乗る」という意味です。
つまり、直訳すると「オランダ向かい風自転車選手権」という感じですね。
この大会は、風が極めて強い北海沿岸で行われ、特に嵐の日に開催されることが特徴です。開催日も嵐が来日するスケジュールに合わせてなので、大会運営のアナウンスは3日前!2024年は12月7日に開催されました。
開催条件としては大会が開催されるのは、風速が約7~8ビューフォート(50~70 km/h以上)に達する嵐のような天候のときのみ。このような条件下では、通常のレースでは危険すぎるため、特別な挑戦として扱われます。コースは北海沿岸沿いに設定されることが多く、平坦な地形で風の影響を最大限に受ける環境となっています。参加者は強風の中でバランスを取りながら自転車を漕ぐ必要があります。特に向かい風や横風が強烈で、制御が難しくなる場面が続きます。
このレースは単なるスポーツイベントを超えた存在で、過酷な自然環境に立ち向かう挑戦として、多くのサイクリング愛好者や冒険心のある人々から注目を集めています。また、オランダの風を利用した伝統や文化と関連し、地域の象徴的なイベントとしても認識されています。
嵐の風景と参加者たちの奮闘が相まって、特別な雰囲気を持つイベントであり、風を味方にするか、それに打ち勝つかという試練が楽しさの一部となっているようです。