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メキシコ代表チームの控室を訪れた伝説のチャンプ

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Mexican Football Federation

 9月7日、カリフォルニア州パサディナのローズボールで、サッカーの国際親善試合、メキシコvs.ニュージーランドが行われた。18時にキックオフされ、3-0でメキシコが勝利したが、試合前、同国の人気アスリートが控室を訪問していた。

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 4階級を制したボクシング界のスター、サウル・カネロ・アルバレスである。先のコパアメリカで、グループステージ敗退に終わったメキシコは、ハイメ・ロサーノからハビエル・アギーレに代表監督を挿げ替えアメリカ、カナダ、メキシコの3国で開催されるFIFAワールドカップ2026へのスタートを切った。

 ご存知のように、アギーレは短期間ながらサムライブルーの監督を務めた人物である。

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 カネロは、自国の代表選手たち、およびスタッフを激励すると共に、プレミアリーグで活躍中のMF、エドソン・アルバレスにサイン入りグローブをプレゼントした。選手たちはもちろん、アギーレ監督、アシスタント・コーチに抜擢されたラファエル・マルケス、伝説のGK、ホルヘ・カンポスなどもカネロの訪問に相好を崩した。

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 カネロは今週末、WBA/WBC/WBOスーパーミドル級タイトルの防衛戦として、 22戦全勝17KOのエドガー・ベルランガを迎える。現地時間の10日、ラスベガス入りした。

Rey Del Rio/Premier Boxing Champions
Rey Del Rio/Premier Boxing Champions

 筆者が目にしてきたメキシコ人ファイターたちは、サッカー好きが多い。特に覚えているのはマルコ・アントニオ・バレラだ。2001年4月7日にナジーム・ハメドから金星を挙げたバレラは、次戦でアマチュア時代に敗れたエンリケ・サンチェスとのファイトが決まった。

ハメドに快勝したバレラ
ハメドに快勝したバレラ写真:ロイター/アフロ

 が、キャンプインする直前に草サッカーの試合に出場し、捻挫してしまう。ケガを治しながら調整し、サンチェスを6ラウンドに沈めたが、その草サッカーの相手チームが大橋秀行からWBCストロー級(現ミニマム級)タイトルを奪ったリカルド・ロペスのチームだったというから2度驚いた。

かつてのパウンド・フォー・パウンド、ロペス
かつてのパウンド・フォー・パウンド、ロペス写真:ロイター/アフロ

 ロペスもまた、フェリックス・トリニダードvs.バーナード・ホプキンス戦のセミファイナルへの出場が決まっていた時期である。

 草サッカーとはいえ、両者負けられない戦いとなったのだ。現役の世界チャンプでありながら、熱くサッカーをプレーするメキシカン。こうした血をカネロも継承しているのではないか。

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 開催国の1つとして2年後のワールドカップに向かうメキシコ代表チームに、カネロはどんなファイトを贈るのか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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