ミケルソンに続き、ガルシア、ウエストヘーゼンなどPGAツアーの最低20名がノーマンの新ツアー初戦へ!
4月25日(米国時間)は、タイガー・ウッズやフィル・ミケルソンの名前が全米プロの出場者リストに載るなど世界のゴルフ界でたくさんの発表があった。その中で、どのニュースが最大のビッグニュースであるかは、受け取る人々の興味や関心によって異なっていたはずである。
米国のPGAツアーや欧州のDPワールドツアー、メジャー4大会の主催者といった既存のゴルフ団体が戦々恐々としながら耳を傾けた最大のニュースは、グレッグ・ノーマン率いる新ツアー「リブ・ゴルフ・インビテーショナル・シリーズ」の初戦となるロンドン大会にミケルソンが出場する意思を発表したこと。そして、その意思を示したのは、ミケルソンだけではなかったことだ。
英国紙テレグラフによると、2010年全英オープン覇者である南アフリカ出身のルイ・ウエストヘーゼン(39歳)、2017年マスターズを制したスペイン出身のセルジオ・ガルシア(42歳)もロンドン大会への出場を希望し、そのための出場許可をPGAツアーへ申請したという。
ノーマン率いる「リブ・ゴルフ・インビテーショナル・シリーズ」はロンドンのセンチュリオンCCで開催される初戦(6月9日~11日)を皮切りに年間8試合が予定されている。個人戦は48人、チーム戦は1組4名、全12組。予選カット無しの54ホール3日間大会となる。
賞金総額は255ミリオン(2億5500万ドル)。毎週、1試合の賞金総額は2000万ドル。チーム戦のトップ3には、さらに500万ドルが分配され、7試合終了後、個人戦のトップ3には、さらなる3000万ドルが分配されるなど、破格の金額だ。
テレグラフ紙いわく、優勝賞金400万ドルが約束されている初戦のロンドン大会には48名の定員をオーバーする合計70名以上がエントリーしたため、10数名はノーマン側からエントリーを断られることになる。
そして、その70名の中には世界ランキング100位以内が15名ほど含まれており、その中のランキング最上位選手が、現在15位のウエストヘーゼンだという。
世界ランキング47位のガルシアは、今年2月上旬に開催されたサウジ・インターナショナルに出場した際、「僕たち選手にも家族がいる。家族を守るためには稼がなければならない。そのために僕らはゴルフという仕事をしているんだ」などと語り、サウジアラビアのオイルマネーの魅力を口にしていた。
ウエストヘーゼン、ガルシア以外にも、マスターズ覇者のチャール・シュワーツェルやブレンダン・グレースもロンドン大会にエントリーしたことが、やはりテレグラフ紙によって報じられている。
PGAツアーにロンドン大会への出場許可を申請した「第1号」選手となったロバート・ガリガスや以前から名前が挙がっているイアン・ポールター、リー・ウエストウッド、ケビン・ナなども含めると、PGAツアー選手の少なくとも20名が出場許可をすでにPGAツアーへ申請したと見られている。
問題発言によってスポンサー契約をほぼすべて失ったミケルソンが姿を消した今年3月ごろは、ノーマンの新ツアーには「誰も行かない、誰も出ない」と言われていたことを考えると、「PGAツアー選手が少なくとも20名」「世界ランキング100位以内が15名」という数字は、想像以上に大きいという印象を受ける。
だが、世界ランキング15位のウエストヘーゼン以下は、ナ32位、ガルシア47位、ミケルソン54位、ウエストウッド56位、ポールター75位、グレースは103位、シュワーツェルは131位、ガリガスは1043位と振るわない。40歳代が中心でアスリートとしては年齢的にも下降線を辿っていると言わざるを得ず、この顔ぶれで魅力ある大会やツアーが成り立つのだろうかと首を傾げる向きもある。
そんな中、ノーマン自身は「誰がプレーするかは問題ではない。世界ランキング3桁、4桁の選手が、いきなり優勝して400万ドルを手に入れる姿を見れば、誰もがここで戦うべきだと思い始める」と言い切り、初戦の顔ぶれより、大会を開催して既成事実を作ることを目指している様子だ。
果たして、ノーマンの思惑通りにコトが進むのか。しばらくは静観したい。