プラスチックの網（ネット）での防衛はよく見かけるが

2023年4月にウクライナ軍が監視用のレーダーを漁網（魚釣りなど漁業で使用される網）で周りを囲って、ロシア軍の神風ドローンから防衛している写真が公開されていた。

2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ロシア軍によるウクライナへの攻撃やウクライナ軍によるロシア軍侵攻阻止のために、攻撃用の軍事ドローンが多く活用されている。

ウクライナ軍、ロシア軍ともにドローンごと標的に突っ込んでいき爆発する、いわゆる神風ドローンを多く使用して敵の軍事施設や戦車などを攻撃している。ロシア軍はイラン製軍事ドローン「シャハド」やロシア製の攻撃ドローン「Lancet」といった神風ドローンでウクライナ軍を攻撃している。今回のウクライナ軍の監視レーダーはロシア軍の神風ドローン「Lancet」からの防衛用に張られているようだ。

ウクライナ軍、ロシア軍ともに、標的に突っ込んでくる神風ドローンの攻撃を防御するためにプラスチックの網（ネット）を戦車や大砲、軍事施設の上に張っている。神風ドローンが標的の戦車や大砲に突っ込んできても網（ネット）にぶつかって戦車などを防衛している。プラスチックの網（ネット）で攻撃ドローンから軍事施設を防衛している写真や動画はよく見かけるが、漁網を使用して軍事施設を防衛している写真は貴重である。

攻撃ドローンからの防衛用の網（ネット）は手作りのものがほとんどだが効果があり、神風ドローンからの攻撃と爆発を防いでいる。だが、全ての神風ドローンの攻撃を防衛できるわけではなく、網（ネット）を突破して戦車や大砲を破壊してしまうこともある。漁網でも神風ドローンに突っ込まれても破られなければ、監視レーダーに衝突しないので爆発しない。

網（ネット）での防衛は戦車や大砲などだけではなく、塹壕の上などにも張って防衛をしている。神風ドローンだけでなく小型民生品ドローンからの爆弾投下からの防衛にも貢献している。

▼漁網で監視レーダーを防衛するウクライナ軍（2023年4月）

▼ウクライナ軍の戦車の上の木の枝にひっかかったロシア軍の攻撃ドローン（2022年12月）

▼アンチドローン・ネット（金網のフェンス）を突き破ったが榴弾砲には衝突しなかったロシア軍の神風ドローン（2023年1月）

▼木の間に吊るした網のアンチドローン・ネットで榴弾砲を防衛するウクライナ軍（2023年2月）

▼ロシア軍の塹壕に張られたドローンからの爆弾投下対策のプラスチック網（2023年3月）

▼ウクライナ軍が金網（ネット）の下にフランス政府から提供されたTRF1 155mm榴弾砲でロシア軍を攻撃（2023年4月）

▼ロシア軍の神風ドローン「Lancet」に破壊された金網（ネット）（2023年4月）