観客数を更新し続けた熱戦/リーグワンD1第2節ベスト15【ラグビー雑記帳】
横浜キヤノンイーグルスの梶村祐介主将は言った。
「ああいうところで走れる奴が、グラウンドに立つべきだと思います」
12月16日、神奈川・日産スタジアムでトヨタヴェルブリッツに24―22で辛勝。最後はイエローカードや怪我の影響で、平時より2人少ない13人となりながらも向こうの猛攻を耐えた。絶体絶命のピンチを、激しいタックルと素早いリアクションで切り抜けた。
かくして今季初勝利。昨季クラブ史上初の3位と上昇気流に乗るクラブの核が「ハードワーク」にあると、再確認できた。23日には神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場で昨季最下位の花園近鉄ライナーズとぶつかる。沢木敬介監督は言う。
「相手チームがどうだとかは関係なく、自分たちのスタイルというか、ハードワークが伝わるようなゲームをしなきゃいけない」
イーグルスとヴェルブリッツの一戦は31312人の観客を集めた。リーグワンのレギュラーシーズンでの1試合入場者数の最多記録を更新したのだが、このレコードは1日で塗り替えられた。17日、東京・味の素スタジアム。東京サントリーサンゴリアスと東芝ブレイブルーパスとの府中ダービーは、31953人に見守られた。
「ディビジョン2の試合にも多くの観客がいて、スーパーラグビー(国際リーグ)より人気があるんじゃないかというくらい。ニュージーランドでのスーパーラグビーの試合を観たら(観客数が)5000~6000人であるのを踏まえると、これからリーグワンが世界一のリーグになると思います。スーパースターも、ファンも、いいレフリーも集まってきて、いい試合ができています。見ていて楽しい」
こう語ったのはリーチ マイケル。ブレイブルーパスの主将だ。チームも要所で激しさとデザインされた攻めを活かし、26―19で2勝目を飾った。24日には兵庫・ノエビア神戸スタジアムで、コベルコ神戸スティーラーズとの全勝対決に臨む。
リーグワン ディビジョン1 第2節 結果
三重ホンダヒート 0—75 クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
リコーブラックラムズ東京 17―25 三菱重工相模原ダイナボアーズ
横浜キヤノンイーグルス 24―22 トヨタヴェルブリッツ
花園近鉄ライナーズ 0―49 埼玉パナソニックワイルドナイツ
静岡ブルーレヴズ 26―30 コベルコ神戸スティーラーズ
東京サントリーサンゴリアス 19―26 東芝ブレイブルーパス東京
(表記はホスト、ビジターの順)
リーグワン ディビジョン1 第2節 私的ベストフィフティーン
1,岡部崇人(横浜キヤノンイーグルス)…スクラムで優勢。コリジョンで献身。サポートからのトライ。
2,日野剛志(静岡ブルーレヴズ)…スクラム。キックオフ後のタックル。
3,オペティ・ヘル(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)…ラインブレイク。
4,ブロディ・レタリック(コベルコ神戸スティーラーズ)…カバー防御で献身。
5, ジェイコブ・ピアス(東芝ブレイブルーパス東京)…ボールキャリーで壁を突き破る。モールディフェンス、接点での絡みも光った。
6,シャノン・フリゼル(東芝ブレイブルーパス東京)…要所でのラインブレイク、ジャッカル。
7,アーディ・サヴェア(コベルコ神戸スティーラーズ)…タックル、接点での奮闘。
8,コーバス・ファンダイク(横浜キヤノンイーグルス)…終始ハードワーク。ぶつかり合いで渋く光った。
9,アーロン・スミス(トヨタヴェルブリッツ)…緩急をつけるコントロール。空間への鋭いパスでトライ演出。ピンチを防ぐタックルもあった。
10,リッチー・モウンガ(東芝ブレイブルーパス東京)…ラン、キックで美技連発。攻めを統率。
11,ジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス東京)…攻守でスピード活かす。
12,ヴィリアミ・タヒトゥア(静岡ブルーレヴズ)…パワフルな突破、カバー防御。
13,ジェシー・クリエル(横浜キヤノンイーグルス)…ラインスピード、タックル。防御を引き寄せながらのパス。
14,竹山晃暉(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…スペースへ先回りしてトライ。バックスペースと防御ラインをカバーするワークレート。
15,アイザック・ルーカス(リコーブラックラムズ東京)…蹴り合いでやや苦しむもカバー防御、壁にチャレンジしながらのオフロードパスで気を吐く。