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『赤羽骨子のボディガード』でラウールに守られて。ヒロイン続きの出口夏希が「平凡なままで変わりません」

斉藤貴志芸能ライター/編集者
(C)丹月正光/講談社(C)2024映画「赤羽骨子のボディガード」製作委員会

ドラマ『ブルーモーメント』にNetflix映画『余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。』とヒロインが続く出口夏希。公開中の映画『赤羽骨子のボディガード』でも、100億円の懸賞金をかけられ、ラウールが演じる主人公らクラスメイト全員に知らぬ間に守られるヒロインの役で出演している。ブレイクの渦中での心境は?

素で出した言葉がそのまま使われました

――赤羽骨子は笑顔が多い役でした。

出口 周りではいろいろあっても、本人はただ普通に学校生活を送っているので。すごくかわいらしい女の子の役です。

――純粋で真っすぐで正義感が強いという、ヒロインらしいキャラクターで。

出口 真面目で思いやりがあるのに、抜けていて(笑)。撮影は楽しかった記憶しかありません。

――ラウールさんが演じる威吹荒邦とのデートに、手を振りながら走ってきたときのキラキラした笑顔は、自然に出たものですか?

出口 「威吹く~ん」という台詞があって普通に現れましたけど、カメラの位置に合わせて手を上げるように指示がありました。

――撮影ながら、メリーゴーランドに乗ったのも久しぶりでした?

出口 そうですね。走っていって「わーっ、メリーゴーランドだ!」と言ったのは、素すぎてしまって(笑)。カメラが遠くにあったから、走っている姿を撮っているのかと思ったら、声もそのまま使われていました。

今までで一番自分らしかったみたいです

――出口さんの学生時代も、ああいうハツラツとした感じでした?

出口 私はあんなふうに「友だちできないよ」とか言ってませんけど(笑)、もっとハツラツだった気がします。骨子は生徒会長で頭も良くて、しっかり者。私はどちらかと言うと、しっかり者ではなくて(笑)、似てはいないんです。でも、友だちがイベントに来て映画を観て、「今までで一番夏希らしかった」と言ってくれました。

――どんな学校生活だったんですか?

出口 中学時代はいつも学校から帰りたくなかったくらいで、充実した日々を送っていました。私のクラスは30人くらいで、いろいろな人がいましたけど、全員が仲良くて。行事がとにかく楽しかったです。

――文化祭とか体育祭とか。

出口 体育祭では、クラスの担任が体育の先生だったから、「恥をかかせるなよ」と言われて(笑)。みんなで先生のために頑張っていました。私はまとめたりはできないタイプで、競技でも特に活躍していませんけど(笑)、クラスのみんなの中で楽しんでいました。

守るために頑張りたいと思われる笑顔を

――骨子を演じるうえで意識したこともありました?

出口 原作のマンガがあったので、どんな話し方をするのかなと考えながら読んでいました。私は普段は、あんなにしっかりは話さないかもしれません。

――大事なところでは毅然と話して、弁護士を目指してるだけに「2年以下の懲役または30万円以下」といった台詞もあります。

出口 いくつかそういう台詞があって、確か全部同じ年数でした。なので、罪名などが混乱しないように気をつけていました。

――外見も原作に寄せたんですか?

出口 台詞を言っているときの骨子がどんな表情をしているかは、原作を参考にしました。マンガの骨子は結構乙女で、恥ずかしがる表情などは難しかったです。クラスメイトがみんな、骨子を守るために頑張りたいと思うような笑顔とキャラクターでいたくて。観る方にもそう思っていただけるように、頑張って演じました。

――頭のお団子も似合っていますね。

出口 観に来てくれる学生の方や同世代の皆さんに、マネしてもらえたら嬉しいなと思っていました。原作と同じ形のお団子でも、髪の量などもいろいろ考えて、メイクさんと相談しながら作りました。

ダンスの練習で体じゅうが筋肉痛に

――骨子は知らないところで、クラスメイトたちに守られている物語ですが、出口さんは何が起きているかは、台本を読んで知っていたわけですよね。

出口 皆さんが実際にどんなふうに守ってくれていたのかは、撮影を見ていなかったので、まったく知りませんでした。試写を観たとき、1人で大爆笑もしながら、皆さんのアクションがカッコいいなと思いました。

――荒邦とのデート中にも、実は骨子の姉である正親(土屋太鳳)に襲われたり。

出口 そのシーンでは、お2人が闘っているのを威吹くんの後ろに立って避けていて。一歩でも入りすぎたら、ラウールさんの手足が長くて、ぶつかりそうになるので、気をつけました。

――他に、特に印象に残っているシーンはありますか?

出口 威吹くんが教室に入ってきて、クラスメイトを睨みつけていたところで頭を叩くシーンでは、ラウールさんの身長がとても高くて。私が背伸びしても届かず、何回か耳を直接叩いてしまって、申し訳なかったです。

――骨子はダンス部長で、大会で踊るシーンもありました。ダンスのレッスンは昨年末から4ヵ月やったそうですが、出口さんは経験なかったんでしたっけ?

出口 ほとんどありませんでした。踊るのはとても苦手で、本当はやりたくなかったです(笑)。最初は基本のボックスステップもできなくて、普段は運動もしてないから、体じゅうが筋肉痛になりました。でも、(親友の寧役の)髙橋ひかるさんやダンス部員役の皆さんがすごくやさしくて。私より年下の方もいましたが、いっぱい教えてくれて、すごく助けてもらいました。

正解がわからないことが多かったです

――今年に入って、GP帯のドラマ『ブルーモーメント』でヒロインを務めたり、「non-no」で初の単独表紙を飾ったり、どんどん華やかな人生になってきました。

出口 自分では、特に何かが変わったような感覚はあまりないです。もちろんヒロインも表紙もすごく嬉しいですし、何が正解かわからないことも多い中で頑張って良かったと思いますけど、プライベートはすごく平凡(笑)。たまに友だちと会って、次の日が早いことが多いので、時間と闘っています。

――6月にはパリでシャネルのオートクチュールコレクションに参加して、街を優雅に歩く写真もSNSに上がっていました。

出口 パリの街並みや建物がすごく素敵で、歩いているだけでワクワクしました。新しい世界が見られて、フランス料理もたくさん食べさせてもらって。本場のエスカルゴがすごくおいしかったです。

そうめんを食べるだけでも夏らしいことを

――出演作が多い分、『赤羽骨子のボディガード』は『ブルーモーメント』と並行して撮影したそうで、体力的にはキツいこともないですか?

出口 忙しい中でも現場が変わると、また違う雰囲気で楽しくて。毎日、早寝早起きをして、充実していたと思います。

――夏バテ対策で何かしていたりは?

出口 ごはんを食べないと力が出ません(笑)。食欲が落ちがちでも、なるべくしっかり食べて、水分もたくさん取るようにしています。

――以前は休日の前は、激辛料理を食べてるとのことでした。

出口 それは今も変わりません! 休みの前日は、好きなものを好きなだけ食べて寝ます(笑)。

――22歳の夏に、仕事以外にしておきたいことはありますか?

出口 夏らしいことをしたいです。気づかないうちに急に夏になっていて、今年はまだ何もしてないので。時間が合ったら友だちとお祭りに行きたいですけど、そうめんを食べるだけでもいいです(笑)。

運転免許を取って母を迎えに行けたら

――『赤羽骨子のボディガード』の中で、骨子が荒邦に「何かを手に入れるために何かを諦める必要はない」と言われて、弁護士を目指しながらダンスも続けることにしたという話がありました。出口さんには女優、モデルとしての活躍の他に、手に入れたいものはありますか?

出口 もともと何かを手に入れたいということはなくて、お仕事はもっと頑張るだけですね。ただ、運転免許は手に入れたいです! いつか車も買いたくて。

――ドライブで遠出をしたいとか?

出口 自分で運転して母を迎えに行ったり、ちょっとカッコいいことをしたいです(笑)。

――これだけ忙しいとなかなか時間もないかと思いますが、教習所に通ったらスムーズに取れそうですか?

出口 撮影が終わって、たくさん台本を覚えたままの頭だったら、学科は受かる気がします(笑)。運転もきっと私はいけると思います!

インセント提供
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Profile

出口夏希(でぐち・なつき)

2001年10月4日生まれ。「ミスセブンティーン2018」に選ばれて「Seventeen」モデルになり、2022年より「non-no」専属モデル。2019年に女優デビュー。主な出演作はドラマ『舞妓さんちのまかないさん』、『アオハライド』、『君が心をくれたから』、『ブルーモーメント』、映画『沈黙のパレード』、『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』、『余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。』など。映画『赤羽骨子のボディガード』が公開中。

『赤羽骨子のボディガード』

監督/石川淳一 脚本/八津弘幸 配給/松竹

出演/ラウール、出口夏希、奥平大兼、髙橋ひかる、遠藤憲一、土屋太鳳ほか

公式HP

芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

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