鉛筆の濃さ「H・F・B」の意味は?小学校・中学校・高校でおすすめの濃さとその理由をそれぞれ解説
一般的によく使われる鉛筆は2BやHBですが、この「B」や「H」の意味を知っている人は意外と少ないようです。そこで今回は、鉛筆の濃さ「H・F・B」の意味や小学校・中学校・高校でおすすめの濃さとその理由をそれぞれ解説していきます。
「鉛筆の濃さ」の順番は?一覧まとめ
鉛筆には「2B」や「HB」といったように、芯の濃さ(硬さ)を表す記号が書かれています。
そこでまずは、鉛筆の濃さの順番を一覧にまとめてみました。
日本産業企画規格(JIS)によって分類されている鉛筆の濃さは、以下の17種類です。
鉛筆の濃さ一覧(上から薄い順)
<薄い>
- 9H
- 8H
- 7H
- 6H
- 5H
- 4H
- 3H
- 2H
- H
- F
- HB
- B
- 2B
- 3B
- 4B
- 5B
- 6B
<濃い>
メーカーによっては「10B」も存在
日本産業企画規格(JIS)によって分類されているのは17種類ですが、メーカーによっては10Bなど上記以外にもさまざまな濃さの鉛筆が存在します。
鉛筆の濃さ「H」「F」「B」の意味は?
鉛筆の濃さを表す記号として、H・B・Fという3つのアルファベットが使われています。しかし、これらが何を意味しているかは意外と知らない人が多いのではないでしょうか。それぞれのアルファベットは以下の英単語の頭文字に由来します。
鉛筆の濃さ「H」の意味はHARD
Hは「HARD(ハード)」という英単語の頭文字に由来します。この英単語の意味は「硬い」なので、鉛筆の濃さの中ではより硬くて薄い芯に「H」がつけられています。
鉛筆の濃さ「F」の意味はFIRM
Fは「FIRM(ファーム)」という英単語の頭文字に由来します。この英単語の意味は「堅い、しっかりした」です。鉛筆の濃さで言うと、「H」と「HB」の間を表す記号になっており、中間くらいの硬さを表す記号として使われています。
鉛筆の濃さ「B」の意味はBLACK
Bは「BLACK(ブラック)」という英単語の頭文字に由来します。この英単語の意味は「黒、黒色」です。鉛筆の濃さの中ではより紙に色濃く黒が残りやすい柔らかい芯に「B」がつけられています。
小学校で使う鉛筆の濃さは2Bがおすすめ
小学校では基本的に2Bや4Bといった濃い鉛筆がおすすめです。
鉛筆の濃さについては文部科学省などで特別指定や推奨されているものがありません。そのため、基本的には学校から指定された濃さの鉛筆を使うと良いでしょう。習い事や家庭で使う場合も学校で使う鉛筆と同じ濃さのものがおすすめです。特に指定がない場合には、低年齢でも線が滑らかに出て字が乱れにくい「2B」の鉛筆がおすすめです。
【小学校でおすすめの濃さ】
基本は学校指定の濃さ、指定がなければ2Bの鉛筆
中学校で使う鉛筆の濃さはHBがおすすめ
中学生なら筆圧も十分にあるため、HBの鉛筆がおすすめです。例えばマークシートが活用される試験では「HB」の鉛筆が指定されることが多いため、普段からHBの鉛筆に使い慣れておくのが良いと考えられます。漢字検定の答案用紙には、以下のように「HB・B・2B」の鉛筆またはシャープペンシルで回答するように記述があります。
しかし、Bや2Bは芯が柔らかく手で擦れたときに答案用紙や手が汚れやすいというデメリットがあります。また、消し残りが発生しやすくなる分、マークシートの読み取りで誤判定になる可能性も高くなります。そのため、中学生が使うならマークシート試験など受験や各種試験に対応している上に汚れにくい「HB」の鉛筆がおすすめです。
【中学校でおすすめの濃さ】
HBの鉛筆
高校(受験)で使う鉛筆の濃さはHBがおすすめ
多くの高校生にとって鉛筆を使う場面で最も意識すべきなのは「大学入学共通テスト」です。実は、共通テストで使える鉛筆は「H、F、HBに限る」とされていることはご存じでしょうか。
つまり、高校生が受験準備や各種模試で使用するなら「H・F・HB」の鉛筆であるべきだと言えるのです。この中で元高校教師の私がおすすめするなら「HB」の鉛筆です。その理由は、「H・F・HB」という3種類の中で最も芯がやわらかくマークシートが早くキレイに塗りやすいからです。
【高校でおすすめの濃さ】
HBの鉛筆
また、大学受験で使う鉛筆であれば、より塗りやすさに特化した「マークシート用の鉛筆」を使うのがおすすめですよ。私自身もセンター試験(現在の大学入学共通テストに値する試験)を受験した際には、マークシート用の鉛筆を使用した経験があります。さらに、高校教師をしていた頃も受験生におすすめを聞かれたときにはマークシート用の鉛筆を推奨していました。
大人(資格試験など)が使う鉛筆の濃さはHBがおすすめ
大学生や社会人が鉛筆を使う場合には、HBがおすすめです。
【大人におすすめの濃さ】
HBの鉛筆
各種試験で解答にマークシートが使われることがありますが、その場合HBの鉛筆が最適だからです。実際に各試験で問題用紙の冊子や受験案内に持ち物の記載がある場合、HBなら条件をクリアしていることがほとんどです。
- 実用英語技能検定:HBの黒鉛筆かシャープペンシル
- 日本漢字能力検定:鉛筆またはシャープペンシル(HB・B・2B)
- 医師国家試験:HBの鉛筆(シャープペンシル不可)
- 管理栄養士国家試験:HBの黒鉛筆(シャープペンシル不可)
マークシート形式でない試験であっても、濃さや硬さの観点からHBの鉛筆が最も使いやすいと考えられますので、大人の方が鉛筆を使う際にはぜひHBから試してみてください。
鉛筆の濃さは「年齢」と「用途」によって使い分けよう
鉛筆の濃さは、年齢(筆圧)と用途によって選ぶことが大切です。文字を書く際によりスムーズでキレイに書ける濃さはどれなのか、各種試験で使える濃さなのかを事前に確認し、自分に合った濃さの鉛筆を選んで学習に取り組みましょう。