新米シーズン到来も米価格は高止まり:中食の現状と課題#専門家のまとめ
新米が出回る今、通常だと年間を通して、最も低い価格で流通される時期でもある。しかし承知の通り、米価格は4割程、高騰している。新米が出回ることで、一旦、米不足は解消されても、価格は据え置かれると言われているのだ。そこで今、中食の米の状況を述べていきたい。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
今年の米不足は5月ごろから指摘され、価格は次第に上昇してきた。5月の段階で、既にスーパーでは、弁当内容の量を調整する動きも見られたのだ。米不足による価格高騰は、インバウンド需要の影響とも言われているが、気温上昇による米の生育悪化にも要因がある。加えて、人件費も高騰していることから、今後、価格が以前の水準に戻ることは難しいとされている。そして気温の上昇により、収穫地域が北上すると、気候や気温に強い品種改良が求められる。
現状
大手ベンダーでは、日本の複数原料米で弁当を製造することが難しく、アメリカ産の米を輸入してブレンドしているところもある。近々では、米の高騰により、ベンダーは月間で数千万円の赤字を計上している状態なのだ。例えば、398円の弁当を卸していたベンダーでは、米の高騰により398円での製造は難しく、498円に切り替わる予定である。スーパー各社も他の原材料も既に高騰し、これまで比較的、価格が安定していた米までも高騰していることから、弁当価格が500円以上になる可能性が高まっているのだ。このように弁当の価格が全体的に500円以上にアップすることで、消費者に398円から498円の価格設定を受け入れてもらえるのではという期待もあるようだ。
しかし、いずれにせよ今後、消費者の生活の負担は続くことになるであろう。