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今田耕司の「イチオシ芸人」…いかちゃんの素顔!

長谷川まさ子フリーアナウンサー/芸能リポーター
今田耕司がイチオシするいかちゃん

 ただただ相手を褒める「カップソング」芸が持ちネタのいかちゃん(21)。今田耕司さんが番組で「イチオシ芸人」「ただただ癒される」と紹介して以来、にわかに注目を集めている若手芸人です。「女性版みやぞん」との声も上がり、BS12「ドランクドラゴンのバカ売れ研究所!」のレギュラーにも決まるなど、売れっ子への道を歩み始めた中、「目標はローラさん」という意外な野望も語ってくれました。

疑わない方がハッピー

 今田さんが「今イチオシの芸人」と紹介してくれたのは、私もマネジャーさんとかもすごいビックリしました。「事務所も違うのに何で?」「大丈夫かな?ニセじゃないかな?」って。今田さんには2回しかお会いしてなくて、それだけなのに、たくさん芸人がいる中で、「私を見つけていただいてありがとうございます」っていう気持ちです。

 何がよかったのかな…芸人としてはよくないかもしれないけど、自分からボケたりできなくて。逆にもしかしたら、そういうところを「いい」と思ってくれたのかな。

 よく言われている「女性版みやぞん」っていうのは、最初に今田さんにお会いした番組で、私のVTRにそう書いてあったんです。みやぞんさんはお会いしたことないんですけど、たぶん“人を疑わない”という点で共通する部分があるかなと。私も疑うのは好きじゃないんです。疑ってもいいことないので、疑わない方がハッピーですよね。

 でも疑わなさすぎて、友人のふりをしたメールにだまされたことがあります(笑)。「友達の友達」って名乗ったメールが来て、しばらくやり取りしていたら「もうこのアドレス使えなくて、こっちのURLからじゃないと連絡できなくなる」「ちょっとお金がかかるんだけど」と指示されて、話が途中だったらお金を払ってしまって。なんだかんだで合計5万円くらいは払いました。元相方とか同期の子が「だまされてるよ」って気づいてくれて。一瞬落ち込んだけど、「まぁ、大丈夫か」って。あんまり落ち込まないタイプなんです。

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プンプン反対された

 最初に芸人になろうと思ったのは、中学生くらいの時。みんなが笑顔になるのがすごい好きだったので、文化祭で友だち何人かを誘ってコントみたいなことをやって。そしたらみんなすごい笑ってくれて、「わぁ、いいな!これ」って思って、お笑いの道を考え始めました。

 お母さんには、高校に入るくらいの時に「(お笑いを)やってみたいんだよね」って話してたんですけど、お父さんには話せていなくて。高校3年になって、いよいよ進路を決めないといけないって時にお父さんに打ち明けたら、「うぇぇ!?ウソでしょ?」「東京なんか!」ってプンプン反対されました。

 最終的には、今、所属している人力舎の「スクールJCA」のオーディションを私が勝手に受けて、地元の山口に帰って「受かったから行く」と宣言する強行突破な形で。ちょっとモメたけど、お父さんも最後は「じゃあ、仕方ないか」って納得してくれました。

まるでパブリックビューイング!

 今は、両親はビックリするくらい応援してくれています。実家は山口県で鮮魚店兼居酒屋をやってるんですけど、お店のお客さんにも、すごいPRしてくれてるみたいです。

 「ドランクドラゴンのバカ売れ研究所!」でレギュラーになった時も、ウチのテレビはBSがついてなかったのに取りつけてくれて、番組が始まる時間になるとお店のテレビのチャンネルも合わせてくれて、お客さんに「娘が出てるから見て!」って言ってくれてるらしいです。

 しかも、そのドランクドラゴンさんの番組に最初に出る時は、近所の人をいっぱいお店に呼んで、サッカーのパブリックビューイングみたいな感じで見てくれたみたいで。画面見ながら「本当に出たー!」って盛り上がってくれたそうです。

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“デキちゃった結婚”で解散

 上京してスクールJCAに入った頃は、人見知りなので縮こまってました。授業も演技とか、滑舌の早口言葉とか、ダンスとか…やったことないことばっかりで難しかったです。でも、仲良しが増えてくると学校みたいでどんどん楽しくなって、結構休みがちな人もいる中、私は皆勤賞をもらいました。珍しいみたいです。授業の内容は身についてないかもなんですけど、とにかく楽しかったです。

 スクールJCAでは“コンビを組んでネタ見せ”っていうのを何度もやって、卒業するまでにコンビは6回くらい組み替えました。卒業する時に、「本当にこの人とやりたい」って人と組んでライブに出て、そこで人力舎に所属できるかできないかが決まるんです。

 最後に組んだのは男性で、コンビ名は「イベリコ」。無事に所属になって、去年の10月くらいまで活動してました。相方さんが、土木作業員だったので“土木漫才”みたいなことをやってました(笑)。相方さんが土木の器具とかでボケてきて、私が「なにそれ!?分かんないけど楽しそう~!」って乗っかる感じで。

ずっとコンビでやりたかったんですけど、相方さんのカノジョが妊娠して“デキちゃった結婚”で引退してしまったんです。

 1人になった時は真っ白になりました。「どうしたらいいんだぁ?」って。ネタは、相方さんが100%考えてて私は遊びながら待っていたので、今までサボってきた分、大変なことになりました。ピンになる勇気もなかったから、また誰かと組みたかったんですけど、早く次のライブに出ないと忘れられちゃうかもと思って、頑張って1人でネタを書いて1人でライブに出たんです。もう全然ヤバくて、ボロボロでした。

 それから、1人でコントとかもやってみたんですけど、今は「カップソング」と「フリップネタ」を中心にやっています。

ダイヤの原石!?

 いかちゃんという名前は、コンビを組んでいた時もそう名乗っていたので、ピンになってもそのままで。もともと本名が「伊ヶ崎(いかざき)」で、小さい時からあだ名がずっと「いかちゃん」だったので、そのままなんです。

 今も、ギャラだけでは生活できないのでバイトを続けています。今年に入るまでは、昼と深夜で掛け持ちしてたんですけど、昼のバイトがつぶれちゃって、今は深夜のバイト(午後9時~午前5時)1本。レストランのキッチンで料理を作ってます。まかないを食べられるのがうれしいです。

 

 お笑いの世界に入って3年。大変ですけど、やめようと思ったことは一度もないです。上京したての時はホームシックで、結構毎日、実家に電話していましたけど、もう大丈夫です。

 うれしいのは、新しいお仕事をもらった時です。特に、ドランクさんのBSの番組レギュラーが決まった時は、とてつもないうれしさで涙がちょちょぎれました。ドランクさんも可愛がってくれていて、ありがたいことに「ダイヤの原石」って言ってくれるんです。「私がですか!?」「大丈夫ですか!?」「もっといませんか!?」って思ったけど、すごいうれしいです。会う人、会う人、みんな優しくしてくれて、どうしてこんなに優しいんだ!?って本当、不思議に思います。

 「いつもニコニコしてるね」って言われるんですけど、意識はしてなくて。よく聞かれるんですけど、怒ったこともないんです。みんな怒んないでほしいなって。イライラするのも分かるけど、絶対ニコニコしている方が楽しいよって思うので、みんなに温かい感じを届けたいです。

「ヒルナンデス!」に出たい

 今後は、毎日皆さんに見てもらえるようにテレビにいっぱい出るのが目標です。お昼の番組、特に日本テレビの「ヒルナンデス!」に出たくて。空気感が素敵で、ファミリーみたいな出演者の皆さんがすごいうらやましいなって。出られるなら、食べ歩きロケに行きたいです。

 目標とする人は、ローラさんです。ローラさんは何でもできるじゃないですか。努力もしていて、歌もお上手だし、演技もできて、モデルさんもやって、海外でもすごいし。私もそういう、いろんなことができる人になりたくて。ローラさんはネタをしてないから、私は“ネタもできるローラ!”を目指します。

 それに、ローラさんって皆さんに愛されてるイメージなので、そういう愛される素晴らしい人になりたいなって思っています。

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<インタビュー後記>

ずっーとこぼれる笑顔のいかちゃんには、「癒される」を通り越して「浄化」された気分になった。

大物独身芸人の今田さんをどう思うか聞いたら、即答で「お父さんみたい」というお答え。そりゃそうだよね(笑)

■いかちゃん

1996年1月3日生まれ。山口県周南市出身。高校卒業後、「スクールJCA」(23期生)を経て、「プロダクション人力舎」に所属。男性とのお笑いコンビ「イベリコ」として活動していたが、相方が“デキちゃった結婚”で引退したためピン芸人に。相手をただ褒めながらカップを操る「カップソング」やフリップ芸が持ちネタ。今年、今田耕司が番組で「イチオシ芸人」と紹介したことで、注目を集めた。現在、先輩芸人の冠番組「ドランクドラゴンのバカ売れ研究所!」(BS12)にレギュラー出演中。

フリーアナウンサー/芸能リポーター

群馬県生まれ。大学在学中にTBS緑山塾で学び、TBSラジオ「大沢悠里のゆうゆうワイド」で7年間アシスタントを務める。ワイドショーリポーター歴はTBS「3時にあいましょう」から30年以上、皇室から事件、芸能まで全てのジャンルをリポートしてきた。現在は芸能を専門とし、フジテレビ「ワイドナショー」、日本テレビ「情報ライブ ミヤネ屋」ほか、静岡・名古屋・大阪・福岡の番組で芸能情報を伝える。趣味は舞台鑑賞。

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