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NY原油11日:期近が小反落、ドルの反発傾向を嫌気

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

NYMEX原油6月限 前日比0.14ドル安

始値 59.43ドル

高値 59.85ドル

安値 58.75ドル

終値 59.25ドル

期近2限月が下落する一方、3番限以降は小幅続伸する展開に。

需給面に特に決め手となる材料が見当たらない中、為替相場がドル高気味に推移したことが、上値圧迫要因に。4月はドル安連動で値位置を切り上げてきた反動もあり、調整売りが上値を圧迫している。ただ、改めて原油相場を売り込むような明確なテーマが存在する訳ではなく、期先限月は小幅続伸するなど、明確な方向性を打ち出せていない。

米国ではシェールオイル生産に鈍化の兆しが見られるが、これが国際需給の過剰供給状態の解消につながるのかは、なお疑問視する向きも多い。8日に発表された米石油リグ稼動数は前週比-11基の668基となっているが、過剰供給の解消に必要な生産調整を促すのに十分なレベルなのかは、なお慎重判断が求められる。

為替市場でドル安圧力が一服する中、積極的に原油相場を押し上げていく必要性は乏しくなっている。米雇用統計発表後も為替市場ではドル高圧力が観測されており、これまでの「ドル安→ドル建て原油価格上昇」のフローは一服している。このままドル安圧力がみられなければ、少なくとも一段高を試す動きは限定され、調整圧力が強まろう。目先は、需給よりもドル相場の動向を注視したい。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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