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関東はバレンタインデーに再び雪のおそれ

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
柏市内の雪(筆者撮影)

千葉や茨城で積雪増

解析積雪深(気象庁発表をウェザーマップが加工)
解析積雪深(気象庁発表をウェザーマップが加工)

きのう10日(木)は関東甲信や静岡の山沿いを中心に雪が降り、標高の高い富士五湖周辺では、30センチから40センチ以上、雪の積もった所もありました。

東京都心は日中の気温が2度前後で、雨と雪が同時に降るみぞれが中心の降り方でしたが、気温が1度を下回った夕方頃からうっすらと積もり始め、午後7時には2センチの積雪となりました。

関東平野部では、きのう午後9時の時点で、1センチ以上の積雪を観測していたのは東京都心だけだったのですが、昨夜遅くから下層寒気が強まった千葉から茨城にかけて積雪が一気に増え、5センチ以上積もった所も多く、水戸ではきょう11日(金)午前6時に、平野部では最も多い9センチの積雪を観測しました。

気象庁が発表している解析積雪深をみると、埼玉や東京の多摩地方、神奈川などは積雪の生じていない所も多く、その一方で千葉や茨城では予想以上の積雪となるなど、関東地方の降雪予報の難しさがあらためて浮き彫りとなった格好です。

そしてあまり間を空けず、次の雪が近付いています。

バレンタインデーにかけて次の南岸低気圧

降水量と低気圧などの予想(ウェザーマップ)
降水量と低気圧などの予想(ウェザーマップ)

春先になり、南からの暖気の勢力も増し、北からの寒気とぶつかり合うことで発生する低気圧が通りやすくなってきたようです。

次にこの低気圧が日本付近を通過するのはあさって13日(日)から14日(月)となり、今回と同じような下層寒気が流れ込む予想の関東甲信地方では再び雪となる可能性があります。

ただこの低気圧の予想がまだばらついています。

上図右側にあるのはアンサンブル予報で、赤い点が低気圧の位置を示したものですが、北は関東南岸に近づく計算がある一方、南は伊豆諸島の南を通る計算もかなりあるなど、この低気圧の位置関係や発達具合で、冷たい雨となるのか、雪となるのか、大雪となるのかなどが微妙に変わる状況です。

東京都心はバレンタインデーに再び雪か

雨や雪などの予想(ウェザーマップ)
雨や雪などの予想(ウェザーマップ)

コンピュータが予想した最新の計算結果が上図の通りで、あさって13日(日)夜には徐々に関東地方へも降水域がかかりはじめ、14日(月)バレンタインデーにかけて、東京都心周辺より北側や西側で雪の範囲が広がる予想です。

ただ上述した通り、予想はまだかなりばらついており、冷たい雨が中心となる可能性がある一方、雪となれば積雪を伴うような降り方、あるいは大雪となってもおかしくありません。

今回と同様に『降ってみなければ分からない』という予報困難な南岸低気圧ではありますが、今後も最新情報に十分、ご注意下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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