10歳未満のタブレット利用は動画視聴がスマホ以上に圧倒的
スマートフォンほど急激では無いものの、タブレット型端末も機動性の高い情報通信端末として普及率を高めつつある。そのタブレット型端末に関して、10歳未満の子供達はどのような使い方をしているのか、内閣府が2017年5月に発表した、低年齢層のインターネットに関わる利用実情を調査した結果報告書(※)から、実態を確認していく。
次に示すのは調査対象母集団のうちタブレット型端末(汎用のもの。学習用タブレットや子供向けタブレットは除く)でインターネットを利用している人における、その利用内容を複数回答で尋ねた結果。動画視聴をしている人がもっとも多く、8割強を示す形となった。参考としてスマートフォン(汎用)でインターネットを利用している人における利用内容を尋ねた結果も併記しておく。
一番多い利用内容は動画視聴で85.2%。スマートフォンでは8割に届かなかったが、タブレット型端末ではそれより6.3%ポイントも上。画面が大きいことやWi-Fiを使っている可能性が高いのが要因だろうが、子供達にとってタブレット型端末がスマートフォン以上に動画視聴端末と化している実態が浮かび上がる。
次いで多いのはゲームで61.3%。さらに知育(言葉、数遊びなど)が28.2%、情報検索が15.5%と続く。スマートフォンと比較して知育や情報検索の値がやや高めに出ているのも、タブレット型端末の特性を活かしているともいえる。
スマートフォンでは皆無だった電子書籍も、タブレット型端末では1.8%とわずかながら利用者がいるのが確認できる。実数値としては5人で、今調査の有効回答母数全体の1550人に対しては0.3%でしかないのだが。
これを回答者(子供)の年齢階層別に仕切り分けしたのが次のグラフ。ただし回答該当者はゼロ歳ではゼロ人、1歳は3人、2歳は22人など仕切り分けした上では少数で、多分の統計的なぶれが生じているため、傾向的なものを見る程度の精度でしかないのにはご注意されたい。
動画は8歳でいくぶん凹んでいるが、ほぼすべての年齢で8割を超える高い値を維持。他方ゲームは歳が上になるほど利用率が上がってき、知育は逆に下がっていく。幼い子供向けの知育(言葉、数遊びなど)アプリの類は、それなりに歳が上になるとあまり受け入れられなくなるのだろう。
情報検索やコミュニケーションは大よそ小学生に上がってからの利用となる。特に情報検索は小学3年生の時点でタブレット型端末を使ってインターネットを操作している人のうち1/3強の人が行っている計算となる。スマートフォンよりもいくぶんパソコンに近い利用スタイルがなされているようだ。
スマートフォンとは多少の違いがあるが、大よそ利用目的は動画視聴とゲーム、そして知育に集約されている。あるいは提供している保護者としても、これらの用途で使えればそれでよいと考えているのかもしれないし、さらにその利用に限定して使わせているのかもしれない。
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※低年齢層の子供のインターネット利用環境実態調査
2017年1月1日時点で日本全国の0歳から9歳の子供を有する保護者を対象に、同年1月12日から1月30日にかけて行われたもので、保護者による子供の実情などを問う形となっている。調査標本数は2000人、有効回答数は1550人。調査方法は原則調査員による訪問配布・訪問回収法だが、訪問時間などの調整ができない場合に限り、ウェブ調査法や郵送回収法が併用されている(それぞれ11人、26人が該当)。標本抽出方法は層化二段無作為抽出法。