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最上位は東京都・都道府県別タブレット型端末利用率ランキング

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 雑誌やアルバムを閲覧する感覚で利用できるタブレット型端末。その利用状況は?

タブレット型端末によるネットアクセス利用状況、都道府県別では…?

スマートフォンほどではないが数年前の状況からは考えられない程の勢いで普及しつつあるタブレット型端末。その利用状況について、都道府県別の違いを総務省の「通信利用動向調査」から確認していく。

その「通信利用動向調査」の別項目での調査結果として、「世帯単位」(個人単位では無い)の保有状況が提示されている。それによるとタブレット型端末は21.9%。5世帯に1世帯はタブレット型端末がある時代。

↑ タブレット型端末の保有状況(世帯単位、2013年末)
↑ タブレット型端末の保有状況(世帯単位、2013年末)

このような状況下における、都道府県別での「個人の」「タブレット型端末によるインターネット利用率」を精査したのが次のグラフ。例えば埼玉県では15.0%との値が出ているが、これは調査対象母集団(6歳以上)の埼玉県在住者全体のうち15.0%が、タブレット型端末でインターネットを利用していることを意味する。埼玉県に住むインターネット利用者のうち15.0%では無い。

↑ タブレット型端末でインターネットを利用している人(2013年末、各地域全体)
↑ タブレット型端末でインターネットを利用している人(2013年末、各地域全体)

スマートフォンの都道府県別普及状況と同じように(「トップの東京都は50.5%、最下位県の約1.6倍…都道府県別スマートフォン利用率動向(2014年)(最新)」)、東京を中心とした関東圏、福岡県などの九州北部圏のような、人口密集地帯・都市地域で高めの値が出ている。一方で、それ以外の地域のうち、人口が比較的少なめな都道府県では値が低く抑えられている。ただし大阪を中心とした近畿圏では例外的にやや低め、そして京都府で高い値が出ていることや、沖縄県の高さが際立つなど、スマートフォンとは様相を異なる部分もある。

都道府県別に仕切っても、2割はまだ超えていないものの、多くの地域では1割前後の値を示している。かつてレアなアイテム扱いを受けた、特別なデジタル機器として認識された時代と比べれば、大きな変化が生じていることに違いは無い。

上位陣・下位陣は!?

上記データを並べ替え、上位陣・下位陣をまとめたのが次のグラフ。

↑ タブレット型端末でインターネットを利用している人(2013年末、各地域全体)(上位10位)
↑ タブレット型端末でインターネットを利用している人(2013年末、各地域全体)(上位10位)
↑ タブレット型端末でインターネットを利用している人(2013年末、各地域全体)(下位10位)
↑ タブレット型端末でインターネットを利用している人(2013年末、各地域全体)(下位10位)

最上位は東京都の18.6%、次いで福岡県の16.9%、京都府の16.8%。さらに埼玉県、岡山県や福井県、神奈川県などが続く。人口が多い地域がずらりと並んでいる。一方、下位(縦軸の仕切りはあえて上位グラフと揃えている)は秋田県の6.7%が最下位で、福島県、高知県、新潟県など。人口比率で高齢層が多い地域が名前を連ねている。またスマートフォンによるインターネット利用率が低い地域とも多分に重なっている点も見逃せない。

タブレット型端末の所有・利用は年齢属性との関係が深いことから、このような傾向が生じるのも納得できる。ただし近畿圏の事例のように、スマートフォンの時のような明確な差異が出ているわけではないことにも留意したい。

機動力や必要性、利用上の便宜性や価格の違いから、タブレット型端末はスマートフォンほどの勢いでは普及していない。スマートフォンの浸透率がやや低い幼少児や一部のシニア層において、多少ながらも他の世代と比べると高い値が見受けられる。スマートフォンのようにはっきりとした形で「人口密集地帯=若年層比率が高いエリア」ほど高利用率との結果が出ないのも、この特性によるものと考えれば道理は通る。

タブレット型端末の普及率上昇は、屋内系ネットアクセスの機動力の向上に加え、電子書籍の普及にも一役買うことになる。日本でもアメリカ同様の高い普及率(4割以上のとの調査結果もある)が果たせれば、確実に電子書籍関連の市場発展にも寄与することになる。タブレット型端末の普及と共に、電子書籍市場も明らかな変貌を遂げていくに違いない。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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