アメリカ合衆国の専業主婦・専業主夫の実情をさぐる(2024年公開版)
男女の価値観や労働市場の変化などから、子供がいる夫婦それぞれの就業スタイルに注目が集まっている。日本ではあまり語られることがないアメリカ合衆国の夫婦家族における専業主婦、さらには専業主夫の実情を、同国の国勢調査局(Census Bureau)の公開値から確認する。
次に示すのはアメリカ合衆国の15歳未満(未成年)の子供を持つ夫婦における、専業主婦および専業主夫率。専業主婦・専業主夫の定義については、就業状況を尋ねた際に、非労働者人口の部類に属し、さらに世帯や家族の家事に従事したと答えた場合が該当する。なお家事を行う住宅は、家族の所有物である場合だけでなく、親族の家である事例なども含む。つまり親などの介護をするために、住み込みで専業主婦・専業主夫をする場合も該当する。また、直近年における実世帯数も併せて掲載しておく。
未成年(15歳未満)の子供を持つ夫婦における、専業主婦率は直近2023年で20.5%。それに対して専業主夫率は1.1%。専業主婦は今世紀頭にかけて、専業主夫は少しずつだが現在に至るまで増加傾向にあり、もっとも古いデータとなる1994年当時と直近年の2023年を比較すると、専業主婦は0.7%ポイント、専業主夫は0.8%ポイントの増加を示している。また、この数年に限ると、専業主婦の値が漸減する傾向にあるのが気になるところ。
映画などでは専業主夫の姿を描いた作品が時折見受けられるが、現状ではそのような夫婦はごく少数に限られている。具体的件数としては2023年の場合、15歳未満の子供がいる夫婦2088.3万組に対し、専業主婦のいる夫婦は427.1万組だが、専業主夫は23.1万組でしかない。日本でも家事の分担や育児休業の男性による取得など、夫の家事担当、専業主夫に注目が集まっているが、アメリカ合衆国においても日本同様、該当事例はごく少数であることが確認できよう。
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