段ボールベッドは快適なの?オリンピックの段ボールベッドを分析してみた
こんにちは!段ボールアドバイザー兼Webライターの木矢部通です。
段ボールベッドってご存じですか?
東京オリンピックでは選手村で採用されたことから注目を集めましたね。しかし、段ボールベッドは日本国内で、まだまだ浸透していないと考えられます。
段ボールベッドが本当に快適に使用できるのか、なぜ浸透していないのかなど、オリンピックで使用された段ボールベッドを分析して見解を述べます。
◆この記事でわかること
段ボールベッドは快適で使いやすいのか?どのような場面で活躍するのか?
段ボールベッドとは
段ボールベッドは、その名の通り段ボールで作られたベッドです。軽量で組み立てやすく、リサイクル可能な素材を使用しているため、環境に優しいという特徴があります。
また、段ボールは意外に強度が高く、適切に設計された段ボールベッドは十分な耐久性を持ち、安心して長期間使用できるでしょう。
段ボールベッドの快適さ
段ボールベッドの快適さは、構造体である段ボールベッド自体が影響を与えず、使用されるマットレスに大きく依存します。段ボールベッドの段ボールは、あくまで構造体の強さや耐久性に関わる部分の材料なので、快適性には直結しません。
ただ、構造体がしっかりしていることで、マットレスを置いた際に、安定し、体が固定され快適性を生み出していると言えます。つまり、段ボールベッドでの段ボールの役割は、構造の強さを再現することです。
オリンピックの段ボールベッド
オリンピックの段ボールベッドは寝心地だけでなくデザイン性に優れたベッドです。段ボール素材の採用は、環境への配慮、大量生産と迅速な供給の必要性、そして廃棄の容易さを考慮した実用的な選択でした。
構造体
段ボールベッドの構造体は、木製の段ボールベッドの骨組みをベースとして考えた設計になっています。通販で販売されるような簡易段ボールベッドのような構造体ではありません。
価格面
オリンピックで使用されたベッドは一般的に販売される段ボールベッドよりも高価です。その理由としては、デザインを重視されたことにより、複雑な形状となっているからです。
一部の情報ではオリンピック仕様だと構造体だけで10,000~30,000円はかかるようです。さらに快適性の要であるエアウィーヴのマットレスを使用すると合計100,000円は超えてくるベッドが誕生します。
性能
オリンピックの段ボールベッドの特徴は以下のように挙げられます。
- 高い耐久性(耐荷重200kgを想定)
- 撥水性能
- 難燃性能
上記の性能を見るだけでハイスペックなことがわかります。撥水性能と難燃性能を併せ持つ仕様はかなり珍しい仕様です。
段ボールの弱点でもある湿度や火に弱い点を補っていることが、オリンピックで採用されたポイントなのでしょう。
背景
オリンピックでは18,000個、パラリンピックでは8,000個分のベッドが必要になり、それを通常のベッドで対応するとなると費用だけでなく、材料調達などの観点でもかなり難しい状況が伺えます。
その観点から大量生産に向き、処分もしやすい段ボールベッドは魅力的です。またエアウィーヴのマットは最高の快適性を実現させるべく、自分の体に合わせてマットを取り換えることができます。(例えば、上半身、下半身を部分的に取り換え)
それを容易にするためにマットレスを薄くしています。つまり、その分、構造体であるベッド部分を強固にしつつ、マットレスに合わせなければなりません。
この難しい仕様を再現するには段ボールの加工のしやすさが打ってつけだったわけです。
一般家庭での段ボールベッド
一般家庭での段ボールベッドは、コストと耐久性を重視された商品が多いです。形状は簡易に組み立てられるものが多く、片付けるのも簡単です。
ミカン箱を並べてシートを被せただけの簡易な段ボールベッドも存在します。ただし、そういった仕様では湿気や耐久性対策はされていないものが多いため、長期的な使用は少し不安が残ります。
段ボールベッドのメリット
段ボールベッドの最大のメリットは、その軽さと組み立てやすさです。これにより、大量のベッドを短時間で設置することが可能となります。
また、リサイクル可能な素材で作られているため、環境にも優しい選択となります。
段ボールベッドのデメリット
段ボールベッドにはデメリットもあります。その一つが耐久性の欠如です。段ボールベッドは長期間の使用には向いておらず、特に日常的な使用には推奨できません。
また、オリンピックで使用されたような高品質の段ボールベッドは一般的な段ボールベッドよりも高価で、一般家庭での使用には現実的ではないかもしれません。
普段使いには向いていない?活躍の場は被災時の緊急用として!
段ボールベッドは、その軽さと組み立てやすさから、被災時の緊急用として非常に有用です。また、使用後はリサイクルすることができるため、環境にも優しい選択となります。しかし、日常的な使用には、より快適で耐久性のあるベッドを選ぶことをおすすめします。
まとめ
今回は段ボールベッドについて解説しました。オリンピックで採用された段ボールベッドは、特殊仕様で一般向きには適していないでしょう。
しかし、一般向けの段ボールベッドは湿気や耐久性の観点で、長く使用し続けるのにはリスクが伴います。
段ボールベッドは緊急時など一時的に利用する便利なツールとして活用できるものではないかと考えます。