世界スマホ販売、Apple 9%減 ファーウェイ復活か
香港の調査会社カウンターポイントリサーチによると、2023年7〜9月期における世界のスマートフォン販売台数は前年同期比8%減少し、9四半期連続で前年実績を下回った。
アップル、9%減も10〜12月期に期待
カウンターポイントは具体的な数値を公表していないが、その台数は7〜9月期として過去10年間で最低水準だったと報告している。販売台数の減少は、主に消費者需要の回復が予想よりも遅れていることが要因だと分析する。
アップルの販売台数は、前年同期から9%減少した。ただ、新端末「iPhone 15」の発売日は9月22日だったので、7〜9月期における同端末の販売日数は1週間余りだった。それにもかかわらず、アップルは16%のシェアを獲得し、2位を維持した。
iPhone 15シリーズはこれまでのところ好評だという。iPhone 15が9月に好調だったことは、明るい見通しを示しているとカウンターポイントは指摘する。同端末の販売実績が本格的に反映される10〜12月期もこの勢いが続くと同社は予測する。
上位5社のシェア、3年ぶり低水準
世界スマホ市場で首位の韓国サムスン電子は、20%の市場シェアを確保したものの、販売台数は、前年同期から13%減少した。
このほかのトップ5ブランドは、中国・小米(シャオミ)、中国OPPO(オッポ)、中国vivo(ビボ)だが、販売台数は前年同期比それぞれ15%、15%、14%減少した。これにより、上位5ブランドの合計シェアは3年ぶりの低水準となった。
ファーウェイのシェア、じわり拡大
上位5社に入らなかったものの、シェアを伸ばしたブランドもある。中国・華為技術(ファーウェイ)だ。同社は米国による厳しい制裁を受けている。19年、当時のトランプ米政権はファーウェイを安全保障上の脅威とし、同社に対する禁輸措置を講じた。ファーウェイは半導体など重要部品の供給制限を受けて、スマホ事業が壊滅的な打撃を受けた経緯がある。
しかし、ファーウェイが23年8月に発売した新型スマホ「Mate 60 Pro」には、比較的高性能の国内製半導体が搭載されていた。このことが米政界やテクノロジー業界を驚かせたといわれている。
ファーウェイ、中国市場で復活か
米証券大手ジェフリーズのリポートを基にした米CNBCの報道によると、世界最大のスマホ市場である中国では、ファーウェイがアップルを抜いて首位に立ったという。
中国では、ファーウェイやシャオミ、そしてファーウェイから20年に独立したオナーなどのAndroidスマホの販売台数が前年比で2桁の伸びを記録した。これにより、中国のスマホ市場はプラス成長を果たした。一方で、iPhoneの販売台数は2桁減少したという。
「中国での(iPhoneの)需要低迷により、最終的に23年におけるiPhone 15の世界出荷台数は予想を下回るだろう」(アナリストら)。このトレンドは、24年にiPhoneがファーウェイに「(中国市場で)敗北」することを示唆している、とジェフリーズのアナリストらは述べている。