長崎ビッグNでビッグな3人が活躍したフレッシュ球宴!阪神の岩貞、山本も好投
きのう17日、数日前の雨予報が一転したうえ、曇りどころか晴れて相当な暑さになった長崎で、ことしのフレッシュオールスターゲームが行われました。長崎県営球場、通称ビッグNスタジアムでの開催は2010年以来4年ぶり。阪神からは平田監督とルーキーの岩貞投手、山本投手と横田選手、2年目の北條選手が出場しています。
やはりイースタンのルーキーバッテリー・楽天の松井投手と西武の森選手の周りは取材陣が多く、人の群れが移動するとそこにいるんだなとわかるくらい。そんな中、岩貞投手に何を投げるか聞いたら「真っすぐ以外です」とキッパリ(笑)。3年前にジェン投手が1イニングで6失点したと伝えたら「うわっ!怖いですねえ。やけどしないように頑張ります」と、真顔になっていましたね。
岩貞投手のお母さんや親戚の方が応援に駆けつけ、お母さんはちゃんと17番のユニホーム着用!「恥ずかしくて着ていなかったんですけど、熊本から来て下さった知り合いの方々がしっかり17番のTシャツなどを着てらしたので、これは私も着なくちゃと」とお母さん。写真は「ダメですぅ~(笑)」と言われましたが、とってもよくお似合いです。ぜひ甲子園にも来ていらしてください。
横田選手はご両親が鹿児島から参戦。試合をご覧になるのはゴールデンウィークの甲子園以来だったそうです。プロにはいってからは“練習でもやっていない”というレフトで先発出場。「全然、大丈夫じゃないです。ヤバイっす!」と本人は言っていましたが、お父さんいわく「まあ高校でやっていますしね。それよりナイター!初めてでしょう、きっと。ボール見えるかなあ」と心配されていました。
《フレッシュオールスターゲーム2014》7月19日
イースタン・リーグ選抜-ウエスタン・リーグ選抜 (長崎)
ウエスタン 112 100 010 = 6
イースタン 303 000 01X = 7
序盤から打ち合いとなった、今年のフレッシュオールスターゲーム。まずウエスタンが4番・美間(広島)のタイムリー二塁打、その裏にイースタンも4番・山川(西武)のタイムリー二塁打で追いつき、続く井上(ロッテ)が勝ち越しのソロ!2回に9番・釜元(ソフトバンク)のタイムリー二塁打、3回は北條(阪神)が四球を選んだあと6番・奥浪(オリックス)が2ランを放って逆転したウエスタン!
ところが、その裏のイースタンは3番・森(西武)のタイムリー、山川の2ランなど4連打で3点を取り再逆転。4回にウエスタンが押し出し四球で1点返すも、6対5とイースタンの1点リードで試合は進みます。そして8回、ウエスタンが1番・武田(オリックス)のタイムリーでついに同点!と思ったら、その裏にイースタンの先頭・山川がレフトへ特大のアーチ。スタンド最上段に落ちた打球はバウンドして場外へ消えたような…。
これで勝ち越しを許したウエスタンは9回、中村(広島)と美間(広島)が連続三振に倒れて2死となり、北條は力ない一ゴロで試合終了。対戦成績は、勝ったイースタン・リーグ選抜の19勝27敗5分けとなりました。昨年(秋田)は7対1でイースタン、2012年(新潟)は4対0でウエスタン。2011年(富山)は10対0でイースタンと一方的な展開が続いていたので、長打の飛び出す接戦が見られてスタンドも盛り上がった気がします。
阪神勢は北條選手が5番セカンド→ショートでフル出場。1回が2死二塁で中飛(西武・松井投手)、3回は2死から四球(日本ハム・浦野投手)、4回は2死満塁で一邪飛(ヤクルト・大場投手)、7回は2死から空振り三振(DeNA・柿田投手)、そして9回が2死からの一ゴロ(巨人・土田投手)です。横田選手は7番・レフトで2打席。2回1死一塁で初球を打って遊飛、3回は3球で空振り三振(ともに浦野投手)、5回に代打を送られました。
岩貞投手は2回に2人目で登板。7番の北川選手(楽天)を空振り三振、西浦選手(ヤクルト)は粘られて9球目で遊ゴロ、岸里選手(日本ハム)を左飛に切って取り三者凡退!乱打戦の序盤にあって、下位打線とはいえ3人締めだったのでキラリと光りましたね。15球を投げ、最速は143キロです。山本投手は7人目で7回に登場。永江選手(西武)を3球で空振り三振、関根選手(DeNA)には初球を中前打されますが、森選手(西武)は空振り三振、山川選手(西武)は右飛で無失点という内容。
試合後の表彰式ではMVPにロッテの井上選手が選ばれました。1回の勝ち越し2ラン、8回の決勝ソロを含む4打数3安打3打点ですから文句なしでしょう。優秀選手は同じくイースタンから同点のタイムリー二塁打と勝ち越し2ランで2安打3打点の西武・山川選手、ウエスタンからは3回に逆転の2ランを放つなど2安打2打点のオリックス・奥浪選手です。このあたりの話はまた後日ご紹介します。
表彰式が終わったあと、平田監督は阪神の4選手を総括。「岩貞は下位打線でよかったなあ。普段なかなかできないリリーフを経験できたし。山本はしっかりストライク取れていた。森や永江とか、いい左バッターをしっかり抑えた。ピッチャーの2人はよかったな。バッター2人は、イースタンと比べるとまだまだ。いい勉強、いい経験になったかな」
次に岩貞投手は「ブルペンではカットボールがよかったので投げたかったけど、サインが出なかった。印象に残るボール?なかったですねえ。3人で抑えられてよかったですが、重量打線に当たりたかったというのも。(お客様が)応援してくれたのでモチベーションが上がりました。もっと覚えてもらえるように頑張ります」と話していました。なお長崎ビッグNスタジアムは「高校時代にも試合をしていますが、プロのバッターが打席に立つと狭く感じた」そうです。
後半戦に向けて「緩急をつけていけばいいと思う。長いイニングを意識したピッチングをこれからやっていきたい」との抱負。お母さんや親戚の方も観戦されて「きょうは純粋に野球を楽しみました。復帰したところを見せられてよかったです」。お母さんが17番のユニホームを着てらしたんですよ。見えましたか?「いえ。えっ、着てたんですか?ほんとにもう」と言いながら笑っていました。
山本投手は「自分は最年長なので、0に抑えられてよかったんですけど…カットボールを打たれた!」と苦笑い。それ以外のアウト3つは?「全部スライダーです」。やはり。永江選手と森選手から奪った空振り三振2つは、さすがでした。「新しいキャッチャーと組んで新鮮でしたね。球を受けて感じたこととか、いろいろ聞けたのはよかったと思います。また初めて対戦する、データのないバッターなので、相手を見ながら勝負するというのも楽しかった!フレッシュといえど、楽しかったですよ」
続いて北條選手。開口一番「あかんかったっす。ヒット欲しかったぁ!」と悔しさを露わにしました。そして「最後の打席で、三振だけはイヤやったんで当てにいったら(打球が)めっちゃダサかった!それなら思いきり振って三振した方が、まだよかったです。一塁へ走るの、めっちゃ恥ずかしかったですよ。だって(ファーストに)軽~くジョグでベース踏まれて…。それを目の前で見ながら、そこへ向かって走ったんやから。あーほんまにもう、あかん!」と一気に語ります。なるほど。しかも最後のバッターになってしまったわけですもんね。
ことしは優秀賞2人だけでした。去年までは4人だったのに、と言うと「っていうか、たとえ4人でも僕は選ばれてないでしょ」と苦笑する北條選手。うーん、まあ確かに。じゃあいつか1軍のオールスターでリベンジしよう!「その前にここでMVP取らんと。MVPほしいわー」。出場が決まった時は「MVPとか100万円とかは胸に秘めているもので口に出さない」と言っていたのに、フレッシュ前日あたりから急に変わりました。5番でフル出場だっただけに悔しいでしょう。
最後は横田選手です。1年目で出たフレッシュオールスターはどうだった?「結果は…。力不足ですね。三振も」。言葉は少なめでした。でも「こんな舞台にまた立ちたい。後半戦は打ちます。練習します!」とのこと。練習中も、スタンドをちらちら見ていたのはご両親の姿を見つけたからですね。広島の内田監督やいろんな方に、おそらく「お父さんは来てるか?どこ?」と聞かれたと思われますが、スタンドを指さして場所を説明していました。
打席で結果は残せなかったけれど、横田選手は試合開始前のアオダモ植樹セレモニーにウエスタン代表で参加。また試合でも、ベンチに下がったあと一塁コーチとして背番号24を皆さんに見てもらえたし、いい一日だったでしょう。レフトの守備については、試合前のノックから気にかけてくれたオリックスの武田選手が「大丈夫でしたよ」と言ってくれていますしね。ひとつ、ナイターの感想を聞き忘れました。帰ったら確認しておきます。
きょう18日に帰阪して、あすからの練習に備える監督や選手たち。阪神のウエスタン公式戦は26日の中日戦(新潟県三条市)までありませんが、22日と23日には鳴尾浜で紅白戦も予定されているようです。ライバルと、自分と、そして暑さとの戦いを制して1人でも多く1軍の舞台に立ってください。