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Nintendo Switch2(仮)、来年3~4月に発売?バッテリー持ち重視、ドリフト問題解決か

多根清史アニメライター/ゲームライター
(写真:ロイター/アフロ)

最近Nintendo Switch後継機、通称「スイッチ2」の噂話は相次いでいます。先日も正式名がそのまま「Nintendo Switch 2」になる可能性が浮上したり、工場試作機と称する写真が登場していました

次に気になるのが「いつ発売されるか?」でしょう。この点につき、ゲーム機アクセサリーメーカーのトップが2025年3月~4月になるとの予想を語っています。

ビデオゲームに特化した週間ポッドキャスト「Vandal Radio」に、ゲーム周辺機器の製造・販売を行うBladeのルーベン・メルカード氏が出演Bladeは現行スイッチ用のドックケースカバー等を扱っており後継モデル向けアクセサリーも準備中と思われます。

メルカード氏は「すでに実質的に最終版のゲーム機にアクセスできており、(発売の)準備ができています」と主張。さらに「(任天堂の業績につき)今年の数字次第では、今年度末の3月末に発売され、順調であれば来年度初めの4月に発売される」との推測を語っています。

つまり、任天堂の業績が思わしくなければ2024年度内に発売し、現行スイッチが上手く行っていれば4月に繰り延べるというわけです。

さらにメルカード氏は、新型Joy-Conコントローラーにも軽くコメント。すなわちマグネット式で、スイッチ2にしっかり固定できるロック機能を備えているとのこと。またアナログスティックが「従来のものとは異なるかもしれない」と仄めかしています。

それ以上のことは語っていませんが、可能性の1つがJoy-Conの抱えるドリフト問題、「スティックに触れてもいないのに勝手に操作されてしまう」問題を解決することでしょう。

この問題は米国で数年前から集団訴訟が提起されており、そのうち2件については5月に原告と米任天堂が訴え取り下げに合意したと報じられていました

これを解消する「ホール効果センサー」という技術は30年以上前にセガが採用しており、サードパーティー製コントローラーでも使っている製品が珍しくありません。

さてメルカード氏の話に戻ると、任天堂はスイッチ2を全世界で同時発売し「すべての地域に十分なゲーム機を供給して、すべての需要を満たせるようにしたい」と考えているとのこと。要は品薄にならないよう、発売日に十分な台数の在庫を用意しておくということでしょう。

また価格については、EU域内で400~500ユーロだと推測。付加価値税の違いから、米国では400~500ドルといったところでしょう。これは従来の予測とほぼ違いがなく、日本円に換算して税込にすると約6万円~となります。

任天堂はバッテリー持ちを最優先、そのためAMDが敗れ去った?

写真:ロイター/アフロ

それとは別に、PS5 Proの公式発表前に正確なリークをしたYouTubeチャンネル「Moore’s Law is Dead」は、AMDがスイッチ2用プロセッサーの入札に参加したものの、NVIDIAに敗れ去ったとの噂を伝えています

AMDとはPS5/PS5 ProやXbox Series X|SにAPU(チップ)を供給し、NVIDIAは現行スイッチの搭載プロセッサーTegra X1を手がけている半導体企業です。「AMDが、NVIDIAから任天堂との独占契約を奪おうとした」といった感じです。

結局、任天堂は引き続きNVIDIAをパートナーに選び、AMDは敗れ去ったとのこと。その理由は、ザックリ言えばAMDが「真の次世代機」的な性能を実現するため消費電力をアップしようとしたが、それではバッテリー持ちが短くなってしまう。最終的には電力効率が良くて価格も安いNVIDIAが再び選ばれたとのことです。

まさにマリオの親・宮本茂さんが言った「ゲーム機戦争とか呼ばれる、ハイスペックとか性能をどうするとか、そういう競争に任天堂を巻き込まないでほしい、と(笑)」という発言と一致してますね。

ともあれスイッチ2の素の性能はPS5やXbox Series Xには全然及ばないが、携帯モードではバッテリー持ちが重視され、据え置きモードでは超解像技術DLSS(内部では粗く描いてシステムへの付加を下げ、機械学習により解像度などを上げる)により見栄えがそこそこよくなる……という可能性は固まってきたようです。

アニメライター/ゲームライター

京都大学法学部大学院修士課程卒。著書に『宇宙政治の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。現在はGadget GateやGet Navi Web、TechnoEdgeで記事を執筆中。

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