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<ガンバ大阪>宇佐美貴史のJリーグ・ラストマッチは勝利で飾れず。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

ブンデスリーガ・アウクスブルクへの移籍が発表されたFW宇佐美貴史のラストマッチとなった、J1リーグ1stステージ最終戦。キックオフ直後に失点を許し、ビハインドを負いかける展開になるが、前半終了間際にMF阿部浩之のゴールで同点に追いつき、試合を振り出しに戻す。後半、先に得点を奪ったのはガンバ大阪。宇佐美の直接FKを、その宇佐美と公私にわたり仲のいいDF金正也がヘディングでおさめ、逆転に成功する。だが、それで試合が終わらないのが今のG大阪の課題だろう。再び、名古屋のFW川又堅碁に同点弾を決められ、さらに、87分にMF今野泰幸が逆転弾を決めた2分後にも名古屋のFW矢野貴章に得点を許し、3−3に。2度のリードを勝利に繋げることができず、宇佐美のラストマッチは引き分けに終わった。試合後のガンバ大阪監督、選手のコメントをお届けする。

●長谷川健太監督

勝って、貴史をいい形で送り出すような試合をしたかったと思っています。前半立ち上がり、集中力のない中で先制されてそのあと、時間とともに、縦パスが入るようになり、相手を崩す場面が増えた。その中で同点ゴールも生まれました。後半の立ち上がりもセットプレーから点を獲って、そのあとの時間帯で3点目のとどめを刺すチャンスが何回かあったと思いますが、ああいうところで決め切れないと、ああいう…すばらしい川又のヘディングですけど、失点に繋がってしまう。最近は得点を獲ったあとに失点を許してしまう試合が続いているので、そこは改善していかないといけない。ミーティング等で話して、選手は頭ではわかっていると思うんですが、すこし得点をとったあと、若干受けてしまっているところがある。そこは2ndステージに改善していかないといけない部分。ようやく点数がとれるようになってきた中で失点してしまっては何ともならないので、さらに攻守にバランスがとれるように2ndステージはしっかりやっていかないといけないし、それができないとなかなか上位との差が縮められないので、1試合1試合大事に戦っていけるようにと思っています。

ー第一ステージ満足のいく成績ではなかったと思いますが、宇佐美選手が抜けてしまうセカンドステージに向けての改善点など教えてください。

非常に彼の存在はチームにとって大きいと思いますので、簡単には埋まらないと思いますが、それぞれの選手、さらに自覚をもって、また少しずつパワーをいかして、彼の抜けたあとを全員で埋めていかなければいけないと思っています。

●FW宇佐美貴史

(どんな思い出の90分でした?)シーソーゲームだったんでね。よし、追いつかれた、追い抜かれた、よし逆転した、また決められた、と…もう少し勝ちながら試合ができればよかったけど終わったことなので仕方ないですね。(シュートシーン何本かあったけど、力みましたか?)力んだというか、決め切れなかったという感じですね。ああいうところ…前半1本、後半2本くらいありましたけど、ああいうところを決めきれるようになりたいし、チームとしても、流れの中からしっかり獲れているのはいいと思うので、あとは冷静に流し込めるだけかなと思います。(最後のスタジアムの雰囲気、送り出してもらう雰囲気をどんな風に受け止めましたか?)こっ恥ずかしかったですね。もっとシンプルでもいいのになと…でもそうやってクラブが熱をもって送り出してくれるとか、サポーターの皆さんもそういう気持ちをもって送り出してくれるということは感じたので、しっかりと、まずはサポーターへの皆さんへの気持ちは伝えようと思いました。(サプライズな出来事はあったんですか?)映像とかは全部知らなかったですね。チームメイトからのメッセージとか…でもあまり聞けていないので後からDVDでみます。でも最後、敬輔くんとじょんくんと、晃太郎が花束もってでてきてくれたのはすごい…特に長い時間を共有した人たちなのでそこはグッときました。(入場の時には初めて娘さんを抱いてピッチに立ちました)いや、我が娘ながら大舞台に強いと。娘はあんなに大舞台に強かったのに、俺は全然大舞台に強くなかったなと。でもそういう姿をまた…俺が小さい時からファン、サポーターに知ってもらっているから、俺がその娘を抱いてでていくというのも、恩返しというか、父親になったんですよ、っていう報告を…すでにしているけどそういう姿としてみて伝えることができればと思ってやりました。(試合自体は引き分けに終わりました。もっているものは出せたと?)いやもっともっとできたと思います。もっとあそこで1点きめて試合を終わらせるくらいの感じじゃないと。だからこそ行く訳ですし、だからこそ成長しないといけないというのは本当に日々感じているので、本当に成長意欲は人一倍強く持っているつもりだしそのスタンスはずらさずにやっていきたいと思っています。(昨日、今日になったらまた気持ちが変わるかもしれないって言っていましたが、実際に今日立ってみてどうでしたか?)やっぱり、ガンバの選手でなくなることは寂しいですが、けど、やっぱりそういうことを背負って出ていかないといけないので。また切り替えて、あとはドイツで戦うだけというだけなので。1回目の失敗も含めてこうして送り出してくれた人たちの気持ちも背負いながらやれれば、くじけることなくやりたいと思います。(いつか帰ってきたい、というのは何かイメージありますか?)どうですかね。でもよぼよぼになって帰ってくるつもりはないです。割とピークというか…長くヨーロッパでやりたいとは思っていますけど、その中で帰って来てチームを背負えるくらいのレベルで帰って来て、成長した姿をみせることが自分の使命でもあると思いますし。ガンバに育ててもらったことへの恩返しになるとも思うので。イメージはそこですね。まだやれるんじゃないの、っていう時に帰ってくるのがベストかと思いますがそれが何歳になるかっていうのは分からないです。

●GK東口順昭

全然ダメですね。湘南戦と同じことしているし、得点を獲られたあとは集中しろって監督にも言われていたのに、それでいかれたのは2度目だし、本当にダメ過ぎます。(決勝ゴールか、ってなったことで喜び過ぎた?)喜び過ぎたのかそのあとの守備の仕方なのか。明らかにプレッシャーがいけていないので。それは今までも失点する時はそういう状況があったので、そこがまだまだ改善できていないのが原因だと思いますけど、しょうもない…自分たちのミスでの失点でしたね。(クロスのでどころに対してもいけていないとか、そういう部分も課題でしょうか)そうですね。チーム全体として点を獲ったあとさがるというのはアリとしても、そこからボールホルダーにいけないというのが今の1つの原因だと思うので。そこはチームとしての問題だと思います。(宇佐美選手のラストマッチでしたが試合後話は?)まだしていないです。(試合を戦いながら思い出す事もあったのでしょうか?)勝っていたらもう少しいろいろ思い出していたんでしょうけど、そういう状況でもなかったので、まずチームが勝つことが第一でそんな余裕はなかったです。

●DF金正也

ゴールは嬉しかったですけど勝てなかったのでもったいないなという気持ちの方が大きいです。貴史を勝利で送り出したいというのもあったし、リーグ戦の大事な1試合だったので、勝ち点3を積み重ねないと。シーズン通して考えれば…もったいない。貴史のために勝って終わりたかったというのもありますが。(気持ちは相当はいっていたと思うのですが)そうですね。失点の時間帯が悪過ぎますね。湘南戦も同じで…そこは改善しなければいけないですが、何がいけないのか、またしっかり映像をみて反省したいと思います。(ガンバらしからぬ失点が続いているのは課題ですか?)そうですね。やることをしっかりやらないとダメだなっていうのは、怠らないでやらないといけないなっていうのは思っています。(ゴールを獲るまで2本くらいチャンスがあってなかなか獲れなかった。今日は獲れそうな予感があったんじゃないですか?)そうなんですよね。きてるなって思っていて、貴史ともそんな話をしていて、実際にゴールに繋がったのはよかったです。今年、2/3の確率でヘディングを決めてるらしいので、もっと打っていけるようにしたいです。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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