「一眼レフカメラあげます」『Twitter』の認証済みアカウントを使った詐欺に注意
「本物の企画です。一眼レフカメラがいらない人は絶対に応募しないでください」。こんなうたい文句で、応募してきた人を危険なサイトに誘導する詐欺が『Twitter』で行われています。
一眼レフカメラをプレゼントすると誘導
6月8日、『Twitter』で厰野華(しょうの? うまやの?)を名乗るアカウントが、RT&フォローした人を対象に一眼レフカメラをプレゼントするかのような内容のツイートを投稿しました。
こうした商品をプレゼントするという企画はよくあります。ただしその多くは騙してフォロワーを増やすことを目的としたものであり、実際にはプレゼントされないことがほとんどです。
ですが今回のアカウントにはブルーの認証済みバッジがついていたことから、「本当のプレゼント企画だ」と多数の人が応募する事態となりました。
現在は当該ツイートが削除されているためどれほどの人が騙されたのかはわかりませんが、筆者が確認した時点では約9,500人の方が応募しているようでした。
ガーナの選挙用アカウントを乗っ取りか
続いて、なぜこのアカウントが詐欺と言えるのかを説明していきます。
ブルーの認証済みバッジがついており、一見すると信頼性はかなり高いように見えます。しかし、アカウント名の「GhanaDecides」に注目するとおかしなところが見えてきます。
「GhanaDecides」とは、ガーナにおける選挙が公平かつ安全に行われることを目的として2012年に発足した非政府プロジェクトの名前です。このアカウントの過去のページ情報を見ると、ガーナの方に向けて運営していたことがわかります。
詐欺を行っている人物は、何らかの方法でこの認証済みアカウントを乗っ取ったのだと思われます。
また、一眼レフカメラの在庫を多数もっているかのように添付されている写真も、海外のオークションサイト『eBay』に掲載されていた写真を反転したものでした。
以上の2点から、このプレゼント企画は詐欺だと判断できます。
誘導先はポイントサイトか
それでは、騙された人はどうなってしまうのでしょうか?
今回の事例では、フォローした人に対してDMを送り、悪質なポイントサイトへと誘導していることがわかりました。
ポイントサイトとはアンケートに答える、会員登録をする、契約を結ぶなどのアクションを参加者が行うとそれに応じてポイントが貰え、そのポイントを現金や商品と交換できるところです。
誘導先ではLINE、Twitter、メールアドレスのいずれかで会員登録を行い、その後はサイトの指示に従ってポイントを集めるという仕組みでした。
アカウントは乗っ取ったもの。写真もよそから盗んだもの。こうした事例では、ポイントを集めてもプレゼントが送られることはありません。絶対に登録しないようにしましょう。
ちなみに登録をするとこの詐欺を行っている人物にメールアドレスの情報がわたるため、その後は「騙されやすいやつだ」と迷惑メールが届き続ける事態が想定されます。
たとえブルーの認証済みバッジがついていてもプレゼント企画が本当とは限りません。そのアカウントは信用できるものなのか、応募する前に一度注意してみてください(問題のアカウントは現在も凍結されていません)。