Yahoo!ニュース

【歩き姿】のきれいな人が無意識に行っていることとは?姿勢が一気に変わる大事なポイント

畠山仁美所作講師

健康のために一駅分歩くようにしている、早起きしてウォーキングに励んでいる、季節を感じながら散歩を楽しんでいる…など、意欲的に歩いている方はもちろん、そうではない方も通勤や買い物などで毎日だいたい数千歩は歩いているのではないでしょうか。

日常生活で当たり前のように何千歩も行っている「歩く」という動作ですが、自分の「歩き姿」について、どれくらい意識していますか?

歩くことは全身運動

歩くことは全身運動なので、下半身はもちろんのこと、上半身、体幹の筋肉もしっかり使います。そのため、フォームを意識して歩こうと思うと、姿勢、骨盤、ひざ、着地、腕の振り…など、頭のてっぺんからつま先まで、全身に意識を向けるポイントがあります。

何度もくり返し練習して体で覚えてしまえば自然になっていくけれど、頭で考えているうちは、肩に力が入り、ぎこちない歩き方になってしまいがち。

かと言って、何も意識しないでいると、ひざや腰など体に負担のかかる歩き方をしてしまっているかもしれません。

そんな時、あれこれ考えず、ぜひ「一か所だけ」意識してみていただきたい箇所があります。それが【目線】です。

歩いている時どこを見ている?

なにも考えず無意識に歩いているときは、なんとなく周りの風景が目に入っていたり、なにげなく顔は進行方向を向いている、という感じかと思うのですが、意外と目線は下を向いていることが多いです。(たまたまですが上の写真の二人も下を向いていますね)

歩いている時に無意識に足元を確認するからなのか、目線は地面のほうに向けられがち。

目線が下がるとわずかに頭も下がるので、連動して背中も丸く、肩も前に出やすくなります。かと言ってむりに目線を上げようとすると、あごが上がってしまう場合も。頭は重たいので、どうしても前や後ろに傾いてしまいます。

【目線】は、頭の位置を安定させるために非常に重要なポイントなんです。

遠くの一点を見つめて

ただ「目線を上げる・下げる」と言うと、どうしても頭も動いてしまいやすいので、視線を10mくらい先の一点に定めて歩いてみます。

すると、頭の位置が安定し、体のバランスが整います。軸が安定することで、歩幅も少し広がり、自然とスタスタ歩けるようになります。

歩き姿がきれいな人の共通点は、目線がまっすぐ前を向いていて、頭が安定していること。

歩いている時だけでなく、立っていても座っていても、少し遠くを見据えるように視点を一点に集中させることで、姿勢も気持ちも安定します。(どこでも出来るので、ぜひ今やってみてください。すぐに実感できると思います。)

目線を上げれば、気持ちも上がる

目線をまっすぐ前に向ければ、姿勢が良くなり、首や肩の負担も減り、呼吸も深くなります。視野が広がり、気持ちも上がり、見た目の印象も変わります。

昨年の夏に心臓手術をした際、まずは一歩、二歩と、自分の足で歩くところからリハビリがスタートしました。まだ痛みで背筋を伸ばせない時でも、なるべく目線はまっすぐ遠くに定めて歩くよう心がけていました。たったそれだけで病院の廊下を颯爽と歩けているような気がしてくるから不思議です。

できればきれいなフォームで歩きたいけれど、姿勢、肩の位置、腕の振り、着地…など、最初からあれこれ考えるのは難しい、かえって不自然になってしまう…という場合には、まずは「目線をまっすぐ遠くへ」。きっと気持ちよく歩けるはずです。

所作講師

日常の振る舞いを見直すことで、心・体・生活を整えるお手伝いをする所作講師。立つ・座る・歩く・物を扱う・挨拶する、といった日常あたりまえに行っている所作を通して、振る舞いだけでなく自分の内面も見つめ直すレッスンが好評。2011年の開講以来マンツーマンレッスンにこだわり、一人一人と向き合ってきた。ブログ【所作美人のヒント】では、バタバタと忙しい日々の中で、所作を通して自分を磨く考え方を発信。著書「一日一分からはじめる『おだやかな人になる所作の習慣』」

畠山仁美の最近の記事