本当は怖い不安神経症の『共通点』とは!?セルフチェックで何個当てはまる?
こんにちは、精神科医しょうです。
不安神経症は、日常生活の中で強い不安や心配の感情が生じ、それによって生活に支障が出てしまう病気です。
「気にしすぎ」「神経質」「心配しすぎ」と周囲からよく言われることはありませんか?
周囲からは「心配性で神経質な人」に見えるのかもしれませんが、それはもしかすると性格からくるものではなく、不安神経症の症状である可能性があります。
今回の記事では、不安神経症の特徴と自己診断チェックリスト、治療法などについて紹介していきます。
不安神経症とは?
不安神経症とは、根拠のない漠然とした不安を心に持ち続けてしまう病気です。
たとえば、外出すると交通事故に巻き込まれるのではないかと心配したり、健康であるにも関わらず病気になってしまうのではないかと過度に心配してしまいます。
不安を感じている時間が日常生活の中で大半を占めており、心配や不安につながる出来事を自分から探すような行動を取ることもあります。
慢性的に不安や緊張、恐怖を感じているので、集中力の低下や不眠、イライラしやすくなるといった精神的な症状が現れることがあります。
そのため、うまく生活を送ることができなかったり、仕事に支障が出るなど社会生活に影響が生じる人もいます。
不安神経症の症状
精神面の主な症状
不安神経症の精神面の症状は、主に以下のような特徴があります。
・以前よりも神経が敏感になったように感じる
・緊張が続いている
・ちょっとしたことでイライラしてしまう
・一つのことを執拗に考え続けてしまう
・常に不安を感じる
身体面の主な症状
不安神経症の身体面の症状は、主に以下のような特徴があります。
・胸に痛みがある、または不快感がある
・突然汗が大量に出てくる
・緊張や不安が高まると手や身体が震える
・めまいやふらつきを感じる
・息切れや息苦しさを感じて、呼吸がうまくできない
・肩こりや筋肉が緊張しているように感じる
不安神経症の自己診断チェックリスト
不安神経症には以下のような特徴があります。
以下のチェックリストで、該当する項目がないか自己診断してみましょう。
・急に強い不安に襲われることがある
・眠れない、または寝つきが悪い
・集中力が以前よりも低下した気がする
・不安感が常にある
・人前に出たり注目を浴びると不安を覚えて緊張してしまう
・腹痛や頭痛、吐き気など身体的な不調がある
・動悸がする
・息苦しさを感じることがある
・不安感が強く、同じような行動を繰り返してしまう
・自分では不安を抑えることが難しい
・極度の不安によって日常生活や仕事をすることが難しい
上記のように、不安神経症は不安や恐怖の感情によって身体や精神に影響を及ぼす病気です。
上記の症状があるからといって、必ずしも不安神経症とは限りませんが参考にしておくとよいでしょう。
不安神経症の判断基準とは
不安や緊張によって日常生活に支障が出ており、その状態が長期的に続いている場合、不安神経症である可能性が高いでしょう。
ほかにも、強迫観念や強迫行為によって同じ行為を繰り返して時間を浪費したり、日常生活に支障が出ている場合も不安神経症の疑いがあります。
もし不安神経症のような症状が長く続いている場合、うつ病など他の精神病を併発する恐れがあるので早めに医療機関に相談しましょう。
不安神経症による日常生活の中で現れるサイン
不安神経症は、日常生活を送る中で以下のようなシチュエーションで症状のサインが出ることが多いです。
・毎日のように心配や不安、緊張を感じる
・一日の大半、心配や不安を感じる
・電話が怖い、または極度に緊張する
・人前に出たり、人と食事をするときに緊張や不安を感じる
・人前で字を書くと手が震える
・作業をしているときに見られていると緊張で身体が震える
・注目を浴びると強い不安を感じる
・不安や緊張で日常生活や社会生活に支障がでている
・不安の気持ちが強く、家庭生活や人間関係がうまくいかない
・電車やバスなど、公共交通機関を利用することができない
・不安や恐怖を感じる場面や場所を避けてしまい、行動が制限されてしまう
上記のように、不安や緊張、恐怖などの感情によって日常生活や社会生活が制限されてしまう人が多いです。
公共交通機関を使うと人の視線や気配が気になってしまい、特に何かされたわけでもないのに緊張や不安を強く感じるという人もいます。
また、「失敗して恥ずかしい思いをするかもしれない」という気持ちや漠然とした不安によって、注意力や集中力が散漫になり、ミスを引き起こしやすくなっている場合もあります。
このような不安や恐怖の感情は目に見えにくいものなので、周りに理解してもらうことが難しく、「気の持ちよう」だと言われて自分の中で感情を押し込め、心のバランスを崩してしまう恐れがあります。
不安神経症だと思ったら
不安神経症は、相談しても周りから「心配しすぎ」「考えすぎ」と言われてしまうことが多く、自分でも「気の持ちようだから何とか頑張ろう」と無理をしてしまいがちです。
しかし、ストレスにさらされ続けていると心のバランスが崩れ、やがて日常生活に支障が出てしまうほどの強い不安が生じ、病気になってしまう可能性があるのです。
症状が現れると、仕事ができなくなったり通勤や外出が苦手になり、生活が制限されてしまいます。
小さなサインを気のせいだと見逃さずに、早めの治療をすることが肝心です。
不安神経症の対処法や治療法
不安神経症の患者さんは、本来わたしたちに備わっている不安や恐怖などから身を守るための感情のバランスが崩れている状態なので、そのバランスを正常に戻すことを念頭に治療が行なわれます。
主に以下のような治療法があります。
薬による治療
日常生活に大きな支障がでるほどの強い不安や緊張がある場合、薬が処方される場合があります。
不安をコントロールするための抗不安薬や、心のバランスの乱れを整える抗うつ薬を中心に薬による治療が行なわれます。
患者さんによって適切な量や服用の仕方が異なりますので、医師とよく相談することが大切です。
カウンセリング
何に対して不安や恐怖を感じているのか、ストレスの原因を突き止めて、日常生活を送るための感情のコントロールをカウンセリング治療によって図っていきます。
不安や恐怖、強迫観念が増幅しやすい思考の癖や、特定の行為に対する感情の結びつけなど、患者さんに合わせた治療を受けることができます。
認知行動療法
認知行動療法は、ものの受け取り方や考え方(認知)に働きかけて気持ちを楽にする精神療法です。
考え方のバランスをとって、不安や緊張とうまく付き合えるような心の状態を作っていきます。
患者さんひとりひとりの悩みや問題点、性格などを洗い出してさまざまな観点から治療方針を決めます。
以上のように薬の処方やカウンセリング、認知行動療法などさまざまな方法がありますが、自分に合った適切な治療法を見つけるためにも、専門の医療機関を受診するようにしましょう。
まとめ
不安や恐怖の感情をコントロールして日常生活を送るためには、自分なりのストレス解消法やリラックス法を見つけることが大切です。
ストレスを溜め込まないように工夫することで、不安神経症の解消や症状の緩和に効果があります。
不安な気持ちや悩みがあれば、出来るだけ身近な人に相談してひとりで溜め込まないようにしてくださいね。
また、つらい症状が続いている場合は、ひとりで何とかしようとせずに早めに医師に相談するようにしましょう。
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