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シェフラー逮捕劇に関し、現地警察トップと市長が会見。「警官は規則違反」「容疑は取り下げない」#ゴルフ

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

全米プロ2日目の早朝、試合会場のバルハラGCの目の前でスコッティ・シェフラーが逮捕・連行され、約2時間後に釈放されて、今度は警官のエスコート付きで会場に戻って第2ラウンドをプレーしたという驚きの経緯を辿った前代未聞の出来事に関し、ケンタッキー州ルイビル警察署長とルイビル市長が、5月23日の午前11時半(米東部時間)から会見に臨んだ。

会見では、警察署長と市長が声明を読み上げ、逮捕当時の固定カメラの映像も公開されたが、記者からの質問は一切受け付けず、わずか15分間で終了した。

警察署長は、シェフラーを逮捕した警官が、スイッチをオンにすることが義務づけられているボディカム(体に装着しているカメラ)をオフにしたまま、作動させずにシェフラーを逮捕したことを重く見て、警官に行動を見直すよう勧告(訓戒)したという。

「警官がボディカムをオンにしなかったことは、LMPD(ルイビル・メトロ・ポリス・ディパートメント)の規則に違反していた」(警察署長)

警察署長も市長も、警官の逮捕時の行動が規則に則ったものではなかったことを認めたが、その上で「我々は法を重んじて進めていく」として、シェフラーにかけられている4つの容疑(暴行、器物破損、危険運転、信号無視)を取り下げることはしないと言い切った。

逮捕した警官のボディカムはスイッチがオフだったが、この会見では、現場近くの高い位置に固定されていた防犯カメラが捉えていた映像が公開された。

しかし、4分程度の映像の中で、シェフラーの車や警官の姿はとても小さくしか映っておらず、しかも大型バスの影になっているため、すべての経緯が見て取れるわけではない。

シェフラーの弁護士は腹立たしそうな表情で、「(逮捕直後も、この会見後も)我々の立場や姿勢は何ら変わらない。シェフラーは何一つ、間違った言動は取っていない。必要となれば、我々は裁判で戦う。シェフラーにかけられている容疑が取り下げられないのなら、戦う準備はできている。和解するつもりは一切ない」と、きっぱり断言した。

シェフラーは6月3日にケンタッキー州ルイビルのジェファーソン・カウンティ裁判所に出向き、罪状認否を行なうことになるが、先週の全米プロに続き、今週はPGAツアーの大会、チャールズ・シュワッブ・チャレンジに出場している。

世界ランキング1位の王者、まずは試合に集中してほしい。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、ラジオ福島、熊本放送でネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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