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フィリーズ新人選手がMLB史上最速で10本塁打に到達

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
MLB史上最速で10本塁打を記録したリース・ホスキンス選手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今月10日にMLBデビューを飾ったばかりの有望新人選手が快進撃を続けている。

 フィリーズのリース・ホスキンス選手が26日のカブス戦で、第1打席に10号本塁打を放った。この日がMLB出場わずか17試合目。これまでMLBの歴史の中で出場20試合で10本塁打に到達した選手は誰もいないことから、ホスキンス選手が堂々のMLB最速記録を樹立することに成功した。

 カリフォルニア州立大サクラメント校出身のホスキンス選手は、2014年ドラフトで5巡目指名を受けフィリーズに入団。プロ4年目となる今シーズンはMLB公式サイトが発表しているチームの有望選手ランキングで6位に入る有望株で、開幕から3Aに所属すると、115試合に出場し打率.284、29本塁打、91打点と堂々の成績を残していた。今月10日に晴れてMLB初昇格を果たすとともに、MLBデビューを飾った24歳外野手だ。

 チームのホスキンス選手に対する期待はかなり大きい。デビュー2戦目で早くも4番に抜擢されると、デビュー5試合前となった14日のパドレス戦で2本塁打を放ったのを機に、量産体制に突入。この日の本塁打で3試合連続となるほか、ここ9試合で8本の本塁打を放つなど、現在のペースを162試合で換算すると91本に到達するという驚異的な勢いで本塁打を打ち続けている。今シーズンは地区最下位に沈み長打不足に悩まされてきたフィリーズに、待望の長距離砲の誕生といえる。

 現在チームの本塁打数トップはトミー・ジョセフ選手の19本だが、シーズン終盤にはホスキンス選手が抜いてしまう可能性も十分だ。果たしてシーズン終了までに何本積み重ねていくのか今から興味津々だ。

 残念ながらデビューが遅かったため新人賞レースに割り込むのは難しそうだが、もし今シーズンの打席数が130未満に留まった場合は来シーズンも新人賞の有資格者になれるので、その辺りも注目していきたいところだ。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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