本日、北朝鮮は「犬肉料理」の日…欧米の批判もどこ吹く風
朝鮮半島では伝統的に「三伏」の日が最も暑いとされる。夏至から数えて3番目と4番目の庚(かのえ)の日、立秋から数えて最初の庚の日がそれに当たる。今年は7月13日、7月23日、そして本日(8月12日)である。
この日には、韓国では日本の「土用のうなぎ」の感覚で参鶏湯(サムゲタン)を食べて精をつけるのだが、北朝鮮では犬肉料理が好んで食べられている。
欧米などでは批判の声も大きい犬肉料理だが、北朝鮮では堂々たるごちそうで、食べることに後ろめたさはない。国営の朝鮮中央通信などはたびたび、犬肉料理の魅力を伝える記事を配信している。
今年7月23日には平壌で、犬肉料理のコンテストも開かれた。有名店である「平壌タンゴギ店」や、随一の高級宿泊施設である高麗ホテルの料理人が参加し、様々な犬肉料理が出品されたという。
また、北朝鮮が深刻な食糧難に陥った1990年代には、食べ物を盗みに入る泥棒を警戒して農家の人々が犬を飼ったところ、逆にその犬が泥棒のターゲットになってしまう珍現象も起きた。
ちなみに、犬肉料理は朝鮮半島の南北共通の文化だが、韓国では衰退気味だ。犬肉禁止を主張する動物愛護団体の声が大きくなりつつあり、「ゲテモノ」として嫌う人も増えてきた。
ちなみに、子供の頃に大好きだった「ポチ」や「シロ」が夕食の食卓に上がり、「いまだにショックから立ち直れない」という話も、一定年齢以上の韓国人や在日コリアンからたまに聞く。
そういえば、今年の春にリッパート駐韓米国大使が暴漢に襲われた際、70代の韓国人男性が犬肉のスープを病院へ差し入れしようとして、拒否される出来事もあった。
気持ちは分からなくもないが、さすがにこれはやり過ぎだった。なぜなら大使は、愛犬家として知られているのだから。