【動画】ウクライナで唯一生き残った北朝鮮兵士のものとされる証言公開
1本の朝鮮語の動画がSNS上を駆け巡っている。ドイツ在住のユルゲン・ナウディットを名乗るX(Twitter)アカウントは、31日午後11時、次のような文章と共に、動画を投稿した。
敵への攻撃で生き残った北朝鮮兵士の最初の動画がわれわれのもとに届いた。彼(この兵士)は「40人の北朝鮮人がいたが、全員死んで、自分ひとりが取り残された」と述べた。
彼はプーチンに対して不平を漏らし、同胞に対して正気戻って家に留まるよう呼びかけた。
彼によると、ロシアは朝鮮民主主義人民共和国の兵士は要塞の建設に当たると約束したが、クルシーナでの戦闘への参加を強いた。
デイリーNKジャパン編集部では、その文字起こしを試みた。以下はその全文だ。◯◯は聞き取れなかった箇所を示す。
ロシア軍は、我々が防護施設にいれば急襲されることはない、絶対に前線には参加させないと嘘をつきました。しかし、われわれはクルスクでの交戦で、有無を言わさず攻撃戦に参加するよう強いられました。ロシアのやつらはこの攻撃戦に一切の偵察もせずに、偵察(?)武器も支給しませんでした。
◯◯ウクライナ軍が攻撃を始めると◯◯われわれの部隊の人員が40人でしたが、ともだちのヒョクチョル(?)とキョンファン(?)をはじめとして、全員が戦死しました。◯◯は破片で頭が吹き飛ばされて…私は死体の下に隠れて生き残ることができました。
祖父から祖国解放戦争(編集部注:朝鮮戦争)の話を聞いていましたが、ここまでだとは知りませんでした。プーチンが◯◯われわれの戦友が餌として利用され全員が犠牲になりました。
ウクライナの軍人は最新型武器を持っており、強い意欲を持っています。一方でロシアの軍人はあまりにも多くの武器を失い、われわれのような兵士を前線に追い立てている状態です。
◯◯山野に積み重なったロシア兵の死体と破壊された火砲と◯◯戦車を目の当たりにしました。プーチンはこの戦争に失敗するでしょう。
この動画は、戦場にいる北朝鮮兵士の動揺を狙った、ウクライナの情報戦の一環で出されたものと思われる。この動画に写っている人物の個人情報など詳細も、真偽の程も不明だ。なお、北朝鮮で朝鮮戦争のことを指す「祖国解放戦争」という言葉を使い、ロシアのプーチン大統領の発音も、韓国式の「プティン」ではなく、北朝鮮式の「プチン」となっている。