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NY原油14日:過剰供給懸念とドル安で決め手難、米在庫統計待ち

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NYMEX原油11月限 前日比0.02ドル安

始値 46.69ドル

高値 46.96ドル

安値 45.94ドル

終値 46.64ドル

当限が小幅続落する一方、2番限以降は小反発するなど方向性を欠いた。

国際需給の緩和見通し蒸し返し、米原油在庫の増加懸念などが上値を圧迫している。国際エネルギー機関(IEA)が13日に改めて2016年中は過剰供給が続くとの見通しを示したことが、シェールオイルの生産調整を手掛かりとした原油安是正の動きにブレーキを掛けている。9月の中国消費者物価指数(CPI)が前年同月比+1.6%と市場予測+1.8%を下回ったことで、中国経済活動の鈍化懸念が一段と強くなったことも原油相場にネガティブ。もっとも、為替相場がドル安方向に振れる中、明確な方向性を打ち出していない。早くも短期的な売られ過ぎの声も聞かれる中、本日は本格的に下値切り下げを打診するような動きは見送られた。

まずは、明日発表される米石油在庫統計の結果を見極めたいとのムードが強い。市場予測では前週比+236万バレルになっているが、米国内の過剰在庫に対する懸念の声が強まる中、米国内在庫の積み増し圧力が再確認されると、原油相場に対しては強力な下押し圧力が発生する可能性がある。引け後にAPIが発表した原油在庫は前週比+930万バレルと急増しており、エネルギー省の統計でもこうした強力な在庫積み増し圧力が確認できれば、下値切り下げ方向になるだろう。

シェールオイルの減産傾向が続く中、40ドルを大きく割り込むような必要性は乏しい。改めて40ドル水準まで下落すれば更に生産調整の動きが強まるのは必至であり、30ドル台が長期化するようなリスクは限定的と考えている。そこまで値下がりすれば、改めてリバウンド狙いの物色妙味もあるだろう。ただ、過剰供給の長期化見通しで50ドル台からの一段高も困難な状況が確認される中、このまま40ドル台をコアとした安値低迷状態が続く可能性が高い。短期スパンでは、引き続きやや戻り売り優勢の展開を想定しているが、ボックス内での値動きに留まろう。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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