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白石麻衣「きれいと言われるのは申し訳ないです」『オクラ』の元ヤン刑事役で頭を叩くシーンにひと苦労

斉藤貴志芸能ライター/編集者
(C)フジテレビ

人情深い昭和刑事とクールな令和刑事の凸凹バディが、お蔵入り寸前の未解決事件に挑むドラマ『オクラ』。反町隆史が演じる飛鷹千寿と杉野遥亮が演じる不破利己の間を取り持つ女性刑事・結城倫子役で白石麻衣が出演している。勝ち気な元ヤンキーで、ヤクザ30人を病院送りにしたと噂される役どころ。自身のイメージとは真逆で、どう取り組んでいるのか?

「音が足りない」と言われました

――『オクラ』での元ヤンキーの刑事や映画『嘘喰い』でのヤクザの女組長役は、白石さん自身のイメージとは対極です。そうした役にはどんな気持ちで臨んでいますか?

白石 自分と掛け離れているからこそ、やりたいなと思います。演じていて新しい自分の発見にも繋がるので、楽しいです。

――元ヤンキー役を通じて、新しい自分も見つけました?

白石 まだ撮影の最初のほうなので、これから知っていきたいです。ただ、クランクインしたら、倫子は意外とそれほどヤンキーっぽくなくて。利己に対して「ちゃんとしなさいよ!」と喝を入れるために、手が出ちゃったりはするんですけど(笑)、仕事には真っすぐでした。口調がキツいくらいで、元ヤン色はあまり出さなくていいのかなと、バランスを考えて撮影しています。

――利己の頭を叩いたりはしています。

白石 そういうシーンのたびに、やりすぎてないかな、痛くないかなと心配になってしまって。「音が足りない」と監督に言われました(笑)。「もっと思い切りいっちゃって」と指示されても、普段人を叩くことはないので、加減がわからなかったんです。本番で一発勝負でやったら、結構いい音が出て安心しました。杉野さんは「大丈夫」と言ってくれましたけど、絶対痛かっただろうなと思います(笑)。

私は至って普通の人間なので

――逆に言えば、白石さん自身はきれい、美しいというイメージが即座に浮かぶ存在です。そういう見られ方をどう受け止めていますか?

白石 すごくありがたいですし、嬉しさもありますけど、私は至って普通の人間なので。そんなふうに言われるのが、ウソなんじゃないかと思ってしまうくらいです。でも、そう言ってくださる方がいるからには美しくいたいと、自分を磨く意識に繋がります。

――イメージが重荷に感じることも?

白石 と言うより、申し訳ないなと(笑)。恥ずかしさを感じます。

――美しさを磨くために、どんなことをしているんですか?

白石 ストレスを溜めないために、好きなものを食べています。でも、それを毎日続けていたら、もちろん良くないですし、バランスを考えていて。今日はこれを頑張ったから、ちょっと良いお肉を食べよう。食べすぎてしまったら、何日間かは野菜中心にしよう。今日はここを歩こう……とか、体調を確認しながら、できることをしています。

――好きなものを食べてはいるんですね。

白石 そうですね。やっぱりお肉を食べるとパワーになりますし、お魚も好きです。ちゃんと食べて、よく寝て、適度に運動することを心掛けています。

大スターと共演できるのは楽しみでした

――刑事役は『風間公親-教場0-』に続いて二度目ですが、自分で刑事ドラマは観ていました?

白石 小さい頃からテレビっ子だったので、ドラマは幅広く観ていました。刑事ドラマのように推理や考察をする作品は、観ていて面白いですし、友だちと「あれは絶対こうだよね」みたいな話ができて楽しかったです。

――今回のオファーが来たときは、どう思いました?

白石 素直に嬉しかったです。反町さんがW主演で、『ビーチボーイズ』や『GTO』を観ていたので、そんな大スターの方とご一緒できることがすごく楽しみでした。いい経験になると思います。

――反町さんと実際に共演されて、どんな印象ですか?

白石 現場では、杉野さんをイジっているところをよく見掛けます(笑)。「バナナしか食べないから」みたいな細かいイジりが面白くて、仲の良さを感じました。いらっしゃるだけで周りがパッと明るくなって、誰に対してもおやさしくて、カッコいいですね。

――演技について話したりも?

白石 最初は緊張してしまったんですけど、私が倫子役をどういう感じでいこうか迷っていたとき、反町さんが「クールな部分がカッコいいよね」と言ってくださって。それはすごく嬉しかったです。

真っすぐ生きるところは似ています

――今は倫子を演じるうえで、どんなことを意識していますか?

白石 千寿と利己、それぞれと接するに当たって、気持ちを使い分けて全部同じにならないようにしています。千寿は殉職した父親の元同僚で、昔から知っている親戚のおじさんみたいな感覚。何でも話せて、捜査では後に付いて行動することが多いです。利己は新しくオクラ(未解決事件を扱う特命捜査情報管理室)に入ってきて、空気を読まずに自分の思ったことをポンポン言ってしまうので、倫子なりに正して鍛え直してあげる感じです。

――共感するところもありますか?

白石 倫子は曲がったことが嫌いで、真っすぐ生きている女性だと思うんです。そこは自分と照らし合わせて、遠くはないかなと。私も寄り道はしないで真っすぐ進むタイプで、似ている部分があるのは役に活かせそうです。逆に、言葉づかいは普段の私と全然違うので、口調は弱くならず強く伝わるように言わなければと気をつけています。

自分のペースで焦りは何もありません

――乃木坂46を卒業して4年になり、女優活動は順調なようですが、自分の中で「このまま続けられるか?」みたいな危機感を覚えたこともなかったですか?

白石 まったくないです。焦りも何もありません。いろいろな評価はあるかもしれませんけど、今は自分のペースで自分がやりたいようにお仕事ができています。

――目指すものができたりは?

白石 あまり先の目標は立てないんです。とりあえず目の前のことに挑戦して、欲張りたくはなくて。女優業以外のお仕事も好きで、いただいたものに全力で向き合っていくようにしたいと思っています。

――30代に入ってからの変化はありますか?

白石 健康にすごく敏感になりました。20代の頃は食事を全然気にしてなかったのが、お魚をメインに摂ろうとか、水をたくさん飲もうとか。心配性なので、健康診断も頻繁に行っています。ものにお金をかけるより体調をちゃんと維持して、常に整った状態でいられることに一番集中しています。

空き時間にディズニー映画を観ました

――連続ドラマの撮影に入ると、日常生活も変わりますよね?

白石 作品中心の生活になるので、家でも台本を読む時間が増えたりします。息抜きで、空き時間にマネージャーさんと「あそこに行きたいね」というお店に入ったり、映画を観に行ったりしていて。この前はディズニーの『インサイド・ヘッド2』を観ました。

――普段から作品を観て、役者として刺激を受けたりもしますか?

白石 いろいろな作品を観るのは好きで、配信の映画を時間があるときに観たりしています。毎回様々な視点で観ていて、刺激になることももちろんありますし、「この撮影は大変だったんだろうな」と考えてしまったりもします。でも、一番はただ楽しんでいます。

気になることは早めにスッキリさせます

――『オクラ』はお蔵入り寸前の未解決事件に挑むストーリーですが、白石さんの中で未解決になっていること、ずっとやりたくてできないようなことはありますか?

白石 意外とないかもしれません。気になることがあったら、すぐ調べて早めにスッキリするタイプで、結構クリアしてきました。この秋にはグランピングをしたいです。

――最後に、『オクラ』での倫子は人情味溢れる昭和の刑事と、クールで合理的な令和の刑事の間を取り持つ役どころですが、白石さん自身はどちら寄りですか?

白石 私はどちらでもなくて、平成です(笑)。千寿は男気を内に秘めていて、利己は何でも口にして、私の性格的にはどちらも違います。たぶん学生時代のままの気楽なところが強くて。でも、どちらかと言ったら昭和寄りかもしれません(笑)。

乃木坂46LLC提供
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Profile

白石麻衣(しらいし・まい)

1992年8月20日生まれ、群馬県出身。2011年に乃木坂46の1期生オーディションに合格し、2020年に卒業。主な出演作はドラマ『テッパチ!』、『風間公親-教場0-』、『恋する警護24時』、映画『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』、『嘘喰い』、『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~』など。ドラマ『オクラ~迷宮入り事件捜査~』(フジテレビ系)に出演中。12月20日公開の映画『聖☆おにいさん THE MOVIE~ホーリーメンVS悪魔軍団』、2025年1月24日公開の『アンダーニンジャ』に出演。

『オクラ~迷宮入り事件捜査~』

フジテレビ系・火曜21:00~

公式HP

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芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

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