NY金6日:米雇用統計を受けて急反発、早期利上げ期待が後退
COMEX金4月限 前日比17.70ドル高
始値 1,212.60ドル
高値 1,224.50ドル
安値 1,212.60ドル
終値 1,218.60ドル
3日に発表された3月米雇用統計が市場予測を大きく下回ったことを受けて、急反発した。
3日はグッド・フライデーで休場となっていたが、3月雇用統計で非農業部門就業者数が市場予測+24.5万人に対して+12.6万人に留まったことなどが、米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利上げ観測を後退させている。天候などの一時的要因の影響も大きいとみられるが、いずれにしても前月比で+20万人を超える雇用創出のトレンドにブレーキが掛かった形であり、利上げが急がされる環境ではなくなっている。
リッチモンド連銀のラッカー総裁は、雇用回復のトレンドは変わっていないとして、引き続き引き締め政策の必要性を訴えている。また、ニューヨーク連銀のダドリー総裁も今回の雇用統計については一時的要因の影響が大きいとして、必ずしも米雇用環境が大きく悪化している訳ではないとの見方を示している。ただ、FRBの政策判断は指標に強く依存する方針が示されている以上、今回の雇用統計を受けて早期利上げ観測が後退するのは避けられない。
改めて投機マネーの金市場に対する流入が促されるような環境にはないが、売り方にとっては短期スパンで大きな値幅を狙うことが一段と困難になっている以上、損益確定目的でショートカバー(買い戻し)が膨らみ易くなっている。ドル相場の上昇も3月下旬以降は勢いを欠いており、改めて金相場を売り込む勢いを欠いている。
利上げ着手の方向性そのものは変わりがないが、改めて金相場が本格的なダウントレンドを形成するには、良好な経済統計や金融当局者のタカ派発言を積み上げることが要求されている。まずは、8日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で金利見通しに修正が生じるのかに注目したい。