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北朝鮮が12軸24輪の弾道ミサイル発射車両を公開、火星17(11軸22輪)を上回る超巨大ICBM用か

JSF軍事/生き物ライター
北朝鮮・労働新聞(2024年9月8日)より12軸24輪の弾道ミサイル用TEL

 9月8日、北朝鮮は「金正恩総書記が国防工業企業所を現地指導された」と公式発表して同時に新兵器の写真を紹介しました。詳しい説明は何もありませんでしたが、写っていた弾道ミサイルのTEL(輸送起立発射機)はこれまで知られていなかったものです。

 なんと見えているだけでタイヤが12軸24輪もあります。これまで北朝鮮で知られていた最大の弾道ミサイルのTELは火星17用の11軸22輪でした。

12軸24輪の弾道ミサイル用TEL(輸送起立発射機)

北朝鮮・労働新聞(2024年9月8日)より12軸24輪の弾道ミサイル用TEL。番号は筆者追記
北朝鮮・労働新聞(2024年9月8日)より12軸24輪の弾道ミサイル用TEL。番号は筆者追記

※写真を一部拡大。

北朝鮮・労働新聞(2024年9月8日)より12軸24輪の弾道ミサイル用TEL。番号は筆者追記
北朝鮮・労働新聞(2024年9月8日)より12軸24輪の弾道ミサイル用TEL。番号は筆者追記

北朝鮮のICBM(大陸間弾道弾)用TELのサイズ

  • 8軸16輪:火星14
  • 9軸18輪:火星15、火星18
  • 11軸22輪:火星17 
  • 12軸24輪:名称不明、2024年9月8日発表

 世界的に見て一般的なサイズのICBM用のTELのサイズは8軸16輪までで(ロシアのトーポリM/RS-24ヤルスや中国の東風31など)、北朝鮮が9軸18輪の火星15を登場させた時点で既に車載移動式としては世界最大のICBMでした。しかも北朝鮮はその後に11軸22輪や12軸24輪のTELを登場させてどんどん大型化しています。

 あまりに大き過ぎるTELは走行が可能な道路の条件が厳しくなり、運用に支障を来してしまいます。なるべく小さなTELを設計するのが理想ですが、おそらく搭載予定の新型ICBMが巨大化したので、それに対応する大型TELを用意しなければならなかったのでしょう。

 あるいは火星17が11軸22輪のTELでは運用が困難だったので、TELだけ大型化してミサイルはそのままである可能性もありますが、おそらくその可能性は低く、大型化した新型ICBMが用意されている可能性が高いように思えます。

 なお今回の公開写真でTELは「見えているだけで」12軸24輪でしたので、更にタイヤの数が多い可能性もあります。

軍事/生き物ライター

弾道ミサイル防衛、極超音速兵器、無人兵器(ドローン)、ロシア-ウクライナ戦争など、ニュースによく出る最新の軍事的なテーマに付いて兵器を中心に解説を行っています。

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