【河内長野市】夏休みの思い出作り!大自然の星空観測会や科学実験会は小規模特認校、天見小学校ならでは
河内長野の山の中にある天見小学校は、一般的な小学校とは異なり、校区ではなく河内長野市内在住であればどこからでも通えるという小規模特認校です。
小規模特認校についておさらいすると、自然豊かな環境に恵まれた小規模校を中心に、特色ある教育を展開して学区外からでも入学を許可することのできる学校のことです。
天見小学校は2年ほど前に一度取り上げたことがあります。児童が市内各地から電車通学を必須としているため、天見駅で学校の先生と天見の駐在さんが出迎え、児童の後ろから無事に登校できるように見守っていました。当時の天見小学校を紹介しています。
あれから2年近くが経過し、再び天見小学校を取り上げようと思ったのは、この夏新しい試みを行うという情報を得たからです。
2年前の取材時からは、校長先生も変わったそうです。新しい試みがとても気になったので、再度天見小学校を訪問しました。
夏の特別授業は夏休み中に行われ、全校児童が対象ですが、時間が時間だけに希望者だけが参加します。親御さんと参加するので、いつもと違い車での登校が認められていました。
天見小学校に入ると、さっそく夏の特別授業が始まっていました。画像に映っているのが杉田京子校長です。
夏の特別授業は2部構成で、1部は科学の授業という事で、外部からの森本先生が担当します。
授業の内容は「ものが燃える」とはどんなことかというテーマですが、ただ理論的に黒板で燃えることを説明するのではなく、実際にいろんなものを燃やしてみてどんな反応になるのかを実演するという内容です。
燃焼実験の中には、大きな爆発音がするなど結構過激なものがありました。もちろん周りにビニールシートやすぐに消化できるようなものが置いてあります。多少過激ではありますが、小さな子どもたちに火の怖さを肌で感じてもらおうという意味があります。
ひとりひとりに渡された資料です。
森本先生は最初にマッチで火をつけて説明を始めました。
火を使っていろんな実験を行います。マッチの火では小さなものですが
このように火の付き方次第では非常に危険なものになるということを、机上の説明だけではなく、実験を通じて実際に見せていきます。
実験の前にはこのように問題があり、児童に考えさせます。
児童は問題の答えを鉛筆で書いていました。
実際に児童たちに「なぜそういう結論になるのか」を答えてもらいます。児童は自分の考えを先生に伝えます。例えば次のような答えがありました。
- アの意見:粉は燃えないから
- イの意見:さらさらしているから少しは燃える
- イの意見:激しく燃えると危ない
- ウの意見:そうなったら面白い
これは頭を使って考えることの大切さを教えています。大人でも間違える可能性のある問題なので、間違えること自体は悪くはありません。児童たちのなかには「Youtubeで見てみる」と発言する子もいました。
児童からの答えを聞き、考えに変更はないか確認したうえで実験をします。
空気に舞う粉に火が付くと危険であるということを実際に確認したうえで、粉じん爆発の説明です。
別の実験が始まりました。
アルコールと火の関係についての実験です。
「アルコールは水だから燃えない」などの意見がありました。
考えてもらった後、実際の様子がその場でわかるので非常にわかりやすいのです。
実演を通じて、アルコールのことや水素のことを説明します。
普段はなかなかできない実験です。
水素が充満したボンベなど普通のスーパーなどでは市販されていません。中々貴重な時間ですね。
児童たちが考えます。椅子をテーブル代わりにしている子もいますね。
森本先生が手伝ってほしいということで、ひとりの勇敢な子が名乗りを上げました。
勇敢な児童がチャレンジしますが、ふたりとも顔が引きつっていますね。実はこの後すごいことになったからです。
動画で撮りましたが、これは中々過激で、その瞬間児童はもちろん周りにいる保護者の方も悲鳴が上がりました。こういう実験があれば、火の怖さを身をもって体験できますね。
さらに実験は続きます。結構いろんな実験をするので、なかなか内容の濃い授業となりました。
水素が空気より軽いものであることを実演してくれます。
こうして授業のまとめになりました。
酸素と結びつく燃焼の様子を実際に見てもらおうという内容の授業でしたが、実際に爆発の体験もしたので、児童たちに火の怖さを知る機会となり、火を扱う際には慎重になるだろうと思いました。
ここで前半の授業は終わり、休憩をはさんだのち、後半の星空観測の授業に変わります。
休憩中に杉田校長に部屋を案内していただきました、かつてはコンピュータ教室もあったそうですが、今は児童ひとりに一台パソコンがあるので、今は別の目的になっているとのこと。
ほかの教室も案内していただきました。
自然あふれる天見小学校なので、教室の中で自然の生き物の飼育もおこなっていました。
特に天見小学校は、校内に自然の川が流れています。
自然に触れらる機会が他の小学校以上に多いことは非常に素晴らしいですね。
次に図書室のほうを覗いてみました。
いろんな本があります。
なぞなぞ風の「ことばのかくれんぼ」というのがあります。大人でも一瞬答えがわからない内容でした。
答えを見て「あ、なるほど!」といったものばかりです。
この日は、次の授業が始まる前の休憩時間だったので親御さんと食事をしている児童の姿もありました。
さて、素晴らしい夕暮れが見られました。
この後は天体観測の授業ですが、この日は曇り模様のためちゃんと星が見えるかどうか心配していたそうです。しかしところどころに晴れ間が見えたので少し期待がもてそうとのこと。
望遠鏡が置いてあります。
時間になってきたので、児童と親御さんが校庭に出てきました。
授業が始まりました。大阪府民の森 ちはや園地の方が先生です。
児童を前に解説をしていきます。
金剛山山頂付近にあるちはや園地の場所についてや
ちはや園地からの星空の様子などの解説です。
この日は雲が多いということでしたが、ふたりの助手の方が望遠鏡で星が見えるように設定してくださいました。
この日のテーマは夏の大三角です。
この中で、こと座のベガ(織姫)とわし座のアルタイル(彦星)は七夕伝説の星なので、七夕についての解説がありました。あとひとつが、はくちょう座のデネブですね。
解説が終わったらみんなで実際に星を見に行きます。
助手の方があらかじめ星が見えるように望遠鏡を設置したので、児童たちは交互に星を眺めます。
ひとりひとり、興味深そうに望遠鏡を眺めます。
雲がきれて、肉眼でも星が見え始めました。
拡大しました。
天体観測なので、極力光の無い状態で行われます。
肉眼でもいろいろな星が見えてきました。天見小学校のように山に囲まれたところなら周りに光がなく、少しでも雲がきれてくるといろいろな星が見られます。
天体観測は、子どもも大人も楽しめます。気のせいか保護者の親御さんも楽しそうです。そしてこの様子はまるでキャンプ場で星空を眺めているみたいですね。
そして気づいたらこんなに多くの星が見えました。
あっという間に天体観測の授業が終わり、杉田校長のあいさつで終わりました。小規模特認校ということで、他の小学校にはないユニークな授業をする天見小学校で、またひとつ楽しい授業がありました。
他の小学校の校長先生からお叱りを受けるかもしれませんが、天見小学校は他の小学校にない素敵な活動を行っています。
- 小規模特認校として1学年20名までの丁寧な学び
- 縦割り授業として異年齢同士の交流の機会と居場所づくり
- 学校、保護者、地域がタッグを組んで体験の機会がある三味一体
- 自然豊かな環境で、さまざまな体験学習ができる
特に、最後の自然に関しては、遠くからの観光客が奥河内の自然を求めて宿泊する南天苑旅館のすぐ近くにあるという点も素晴らしいです。
こちらの動画にあるように外国人向けに南天苑が紹介されています。そんな素晴らしい環境がある場所で学べるのは、児童にとっては一生の思い出ではとさえ思います。天見は他にも歴史のあるスポットが点在してます。
そして天見小学校がどんな学校なのか、体験できる機会が秋から冬にかけて3回あります。
- 10月20日日曜日 9:00運動会 13:00未就学児競技
- 11月9日土曜日 13:00~15:00天小まつり(オープンスクール)12:00、学校説明会
- 12月7日土曜日 13:00~15:30クリスマス会
いずれも電話で申し込みが可能とのこと。少しでも天見小学校に興味があれば、まずは体験してみてはいかがでしょう。
天見小学校は、河内長野市内全域から通えます。現在は市外だとしても河内長野駅から大阪市内までは乗り換えなしで30分の距離(平日難波発最終23:30急行橋本行き、0:10区間急行三日市町行き)ですから、思い切って引っ越しをしてでも値打ちがあるのではとさえ感じました。
河内長野市立天見小学校(外部リンク)
住所:大阪府河内長野市2370-1
TEL:0721-68-8004
アクセス:南海天見駅から徒歩4分
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