NY金15日:小幅続落、FOMC開始で様子見もドル高が圧迫
COMEX金2月限 前日比1.80ドル安
始値 1,059.80ドル
高値 1,067.90ドル
安値 1,057.40ドル
終値 1,061.60ドル
米連邦公開市場委員会(FOMC)が始まる中、為替相場がドル高方向に振れたことが嫌気され、小幅続落した。
16日の引け後にFOMC声明の発表を控える中、積極的に売買を仕掛けるような動きはみられなかった。アジア・欧州タイムは戻り売り優勢の展開になるも、1,060ドル台を割り込むのに精一杯だった。ニューヨークタイムも、序盤は押し目買いが優勢になるも引けにかけて戻りを売り込まれるなど、明確な方向性を打ち出せているとは言い難い状況にある。マイナス圏で引けたものの、大きな値動きには発展しなかった。
為替市場でドルの反落傾向に一服感が浮上し始めていることは金価格にネガティブだが、なおドル高トレンドへの回帰が実現したのかは不透明感が強く、為替要因では大きく仕掛けづらい地合が続いている。1ユーロ=1.1ドルの節目到達でチャート環境からは達成感もあるが、FOMCでドル買い材料出尽くしと評価されるリスクもあり、なおドル買いポジションの整理を進める動きも強い。ドル高基調が崩れるとは考えていないが、利上げイベントを控えてマーケット全体がボラティリティを増す中、金相場はトレンドを打ち出し切れていない。
11月の米消費者物価指数(CPI)は前月比横ばいになった。ただ、コアは+2.0%となっており、エネルギー価格などの影響を排除した基調部分ではインフレ環境が安定化していることが示されている。12月以降は更にエネルギー価格低下の影響が増す見通しだが、インフレ要因から利上げサイクル入りを阻止するのは一段と難しくなっている。
米市場では原油相場急落でハイイールド債市場に混乱がみられることが警戒されているが、本日は米株式相場が底固く推移したこともあり、特にリスクオフの安全資産の観点から金相場を買い進むような動きはみられなかった。引き続き株価動向には注意が必要であり、FOMCを境に金融市場のボラティリティが一段と高まるリスクには注意も警戒が必要。ただ、ドルに対する信認回復の大きな流れに変化がなければ、一時的な戻り圧力の有無との視点に留まろう。改めて1,050ドルの節目割れが打診される見通し。