段ボールに入れる?保育園では体調不良児をどう隔離するか「お迎え待ちの過ごし方を現役保育士が解説」
現役の保育士(幼保英検1級)です。
手足口病の0歳児を段ボール箱に入れ隔離したことが不適切な保育にあたるとして、市が保育園を口頭注意したというニュースがありました。
保育園の先生たちは昨今の不適切保育報道には戦々恐々としていて、筆者の勤務園でも報道翌日は早速話題に。
今回は、手足口病の他、発熱などでお迎えを待つ間、子どもたちがどのように過ごしているのかを解説します。
※体調不良児への対応は園により異なります。一例として参考にしてください。
園長室や事務室に移動する
保育中に体調不良となった場合、保護者に電話連絡を入れお迎えを要請します。
そして、お迎えを待つ間、他の子に影響しないように保育室の外に隔離し、保育することを検討します。
一番の候補となるのが園長室(事務室という名前のこともある)でしょうか。
ただし、体調不良児を別室で隔離するのは良いのですが、その場合、その子を保育する保育士がもう一人必要になってしまいます。
このため、園長室を利用する理由は、病児を隔離するのに最適な環境ということではなく、園長室ならひとまず、園長や主任など誰かしら保育できる人員がいるからという理由です。
体調不良児保育中は、当然のことながら本来の管理職業務がすべてストップします。
移動せず保育室内に留まる
園長などの管理職は外部との打ち合わせなどで外出したり、職員不足の日にはクラスに入っていたりすることがあります。
その際は、園長室に誰もいない状態となるため、体調不良の子が移動できる場所がありません。
その場合は、保育室内で他のお友達と過ごしながらお迎えを待つことが多いです。
多くの場合は、保育室のできるだけ隅に布団を敷き、その上で絵本などを読んだり休息しながら過ごしてもらいます。
0-1歳児の場合は「お布団で静かに」といっても難しいので、椅子に座ってもらい他のお友達との接触を極力避けるなどの対策をしていますよ。
朝の時点で怪しいと思いながらも受け入れ
そもそも、保育中に体調を崩す場合、朝の登園の時点ですでに何かしらの異変があるのですよね。
検温しなくても「いつもより手が熱い気がする」「唇がいつもより赤いような」「昨日はなかった発疹ができているぞ」などなど、勘が働きます。
保護者に問うと「家でもいつも通りすごく元気でした」とおっしゃる。
保育士は笑顔で応対しつつも、正直「そんなわけないですよね」と思っています。
各保育園で38.0度以下なら登園可能など基準が決められていますが、そのような場合、「37.9度だから仕方がない」と渋々受け入れをします。
手足口病にしても、明らかに水疱だらけでも「医者が登園して大丈夫と言っていた」と言われれば、保育園側としては「ホントに?!」と思いつつも受け入れざるを得ません。
まとめ
体調不良でお迎えを待つ間、保育園で子どもたちがどのように過ごしているのかを解説してきました。
当然ですが、感染症は子どもだけではなく職員にも感染します。
コロナ禍には保育士がバタバタと新型コロナに感染し、「A先生とB先生、陽性だったとのことです」「C先生はまだ大丈夫だからA先生のクラスに入って」「D先生、来週月曜日まで来れません」といったシフト調整に追われ、慌ただしかったです。
筆者もそのうちの一人でした。
登園後、やっぱり発熱してその後の受診で陽性だと判明する子たちの鼻水を拭きまくっていたので、もらってしまったみたいです。
職員が倒れてしまうと保育が手薄になってしまうため、毎日気を遣っていますよ。