ハリケーン「ダグラス」観測史上はじめてオアフ島直撃か
大西洋における今年1号ハリケーン「ハナ(Hanna)」が、現地時間25日(土)テキサス州南部に上陸しました。
一方、現在太平洋では、この海域における今年第1号のハリケーン「ダグラス(Douglas)」が発生しています。ダグラスは、26日(日)にもハワイを直撃する見込みです。
ダグラスの現況
ハワイ時間25日(土)朝のダグラスの中心気圧は984hPa、最大風速は41m/sです。カテゴリーはもっとも低い「1」に相当します。
ダグラスは今後も勢力を維持したまま、26日(日)から27日(月)頃にかけ、ハワイに直撃・最接近するおそれが出ています。もっとも直撃のリスクが高まっているオアフ島には「ハリケーン警報」が発令されています。
ハワイ最接近時の予想最大瞬間風速は41m/sです。また降水量は250ミリか、それ以上となっています。
観測史上初のハリケーンのおそれ
ハワイはハリケーンの直撃が少ないことで知られています。これまでにハリケーンの強さでハワイに上陸した例は、1959年の「ドット」と、1992年の「イニキ」しかありません。つまり、少なくともここ28年間はハリケーンの上陸がないのです。
さらに、この2つのハリケーンはいずれも南から直進し、カウアイ島に上陸しました。カウアイ島はハワイ本島でもっとも西に位置している島です。要するに、もしダグラスがオアフ島を直撃することになれば、観測史上初の出来事となるのです。
敷かれる警戒態勢
ハワイ州知事は非常事態宣言を発令し、警戒を呼び掛けています。
現地報道によると、国立公園やビーチが広く閉鎖されています。また州都ホノルルのあるオアフ島にいたっては、27日(日)からのビーチ閉鎖に加え、イオラニ宮殿やロイヤルハワイアンセンターといった観光や商業施設が閉まる予定とのことです。
コロナ禍でのハリケーン接近
問題となるのが、ハリケーン対策と新型コロナウイルスの感染対策との兼ね合いです。折しも24日(金)には、ハワイ州における一日の感染者数としては過去最大となる60人の陽性患者が発表されたばかりです。
避難場所での感染を危惧し、当局はできるだけ家の中に留まるように指示しています。
ただハリケーンの襲来が極めて少ないハワイでは、薄い壁や大きな窓があるなど、嵐の対策が十分ではない家が数多く建っています。
経験したことのない強さのハリケーンが、コロナ禍という非常事態の最中に接近しています。被害が最小限となるよう祈るばかりです。
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『ハリケーン「ダグラス」がハワイ直撃のおそれ 観測史上3例目』
*追記(7/27)*
幸いなことに、ダグラスの中心はハワイ諸島の北を通過し、目立った被害が出なかったもようです。ホノルルでも24時間降水量が0.7ミリ、最大瞬間風速が13m/sに留まりました。ただハリケーンに伴う南風に伴って気温が上昇し、ハワイ島のヒロでは7月の観測史上最高気温となる34℃を記録しています。