Yahoo!ニュース

NY金29日:続落、地区連銀総裁から早期利上げ発言が相次ぐ

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

COMEX金12月限 前日比4.90ドル安

始値 1,131.40ドル

高値 1,134.30ドル

安値 1,123.50ドル

終値 1,126.80ドル

米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利上げに対する警戒感が蒸し返される中、続落した。

アジアタイム序盤は1,130ドル台前半で底固く推移し、現物需要が一定の回復傾向を見せていることを示唆した。しかし、欧州タイムに向けては改めて戻り売り圧力が強まり、一気にマイナスサイドに沈んでいる。その後は押し目買いでプラス圏を回復する場面もみられたが、引けにかけては改めて売り込まれる展開になり、3営業日続落した。

何かサプライズ的な材料があった訳ではないが、米金融当局者から年内利上げを支持する発言が相次いでいることが、買い方ファンドの警戒感を高めている模様。先週はイエレンFRB議長が年内利上げ見通しを再確認したが、ニューヨーク連銀ダドリー総裁や、サンフランシスコ連銀ウィリアムズ総裁が相次いで10月利上げも検討対象であることを示したことで、10月27~28日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが合意される可能性も織り込まざるを得ない状況になっている。株式相場はグレンコア株の急落をきっかけに不安定化しているが、本日は9月米消費者信頼感指数が前月の101.3から103.0まで上昇するなど、米実体経済の底固さが再確認されていることもネガティブ。

当然に株価急落といった動きがみられれば瞬間的に買いが膨らむリスクも残されているが、最短で10月利上げの可能性も低くないことが確認される中、本格的に上値切り上げを試すような展開は想定しづらい。株式相場がある程度の落ち着きを保った状態を維持できれば、1,100ドルの節目割れから一段安を打診する展開が想定できる。

画像
マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

小菅努の最近の記事