NY金31日:ドル高継続で小幅続落も、株安で下げ幅は限定的
COMEX金4月限 前日比1.70ドル安
始値 1,185.80ドル
高値 1,190.10ドル
安値 1,178.20ドル
終値 1,183.10ドル
為替相場がドル高方向に振れたことが嫌気され、続落した。
アジアタイムから戻り売り優勢の展開になり、欧州タイム入り後には一時1,178.20ドルまで値位置を切り下げた。月末にもかかわらずギリシャ債務問題に目立った進展が見られないことで、主に対ユーロでドル高が進行したことが、ドル建て金相場の上値も圧迫した格好になっている。その後は株安を手掛かりに切り返す動きが強まり、ニューヨークタイム入り後は前日比でプラスサイドを回復する場面も見られた。しかし、3月消費者信頼感指数の改善で改めて戻り売り圧力が強まり、引けにかけては小幅ながらマイナスサイドに沈んでいる。
ギリシャのチプラス首相は、厳しい救済条件を受けないとする一方、債務再編の必要性を訴えており、協議が全く進まない状況になっている。ドイツなどは救済の条件として債務削減計画の提出を求めているが、ギリシャ側は大規模な緊縮財政には反発の意向を崩しておらず、協議再開の前提さえ成立しない状況になっている。これを受けて「安全資産」の観点から金相場を買い進むような動きはみられず、逆にユーロ安・ドル高がドル建て金相場の上値を圧迫している。
米株価が依然として不安定な値動きを見せていることが下値をサポートする場面も見られたが、ドル高傾向に変化が見られない一方、3月消費者信頼感指数が前月の98.8から101.3まで上振れしたことで、引けにかけては改めて戻りを売られる展開になっている。四半期末を控えているが、3日に発表される米雇用統計に対する警戒感も強く、ダウントレンドが維持されている。
地政学的リスクに対する関心も低下しており、、改めてドルとの相関が重視される地合になる見通し。まだFOMC前の水準は大きく下回っているが、ドル高トレンドに回帰できれば、金相場の上値の重さが再確認されよう。4月3日の米雇用統計の内容によっては、ポジション整理が進んだ弱気筋の売り攻勢が再開される可能性も十分にある。反発シナリオとしては、ギリシャ発のリスクオフの動きに要注意。