段ボール業界の営業マンがおもしろい!戦士たちの壮絶な日々を公開
こんにちは!木矢部通です。
今回は段ボール業界の営業マンの仕事にスポットライトを当ててみましょう。
一見、地味な業界かもしれませんが、その裏側では壮絶な戦いが繰り広げられています。この記事では、その営業マンたちの過酷な労働環境や直面する課題、そして何よりも、そのやりがいについて深掘りしていきます。
ぜひ、戦士たちの奮闘を感じてみてください。
営業の概要
基本的な営業の仕事について説明します。段ボール業界の特徴として、どんな製造機械を持っているかによって仕事内容が変わってきますが、ここでは大手企業と中小企業というくくりで、ザクっと解説します。
大手企業の営業マン
基本的な活動は、既存得意先へのフォロー、新規獲得となりますが、品質管理やデリバリー対応も行います。会社によっては請求業務も携わることもあるでしょう。
大手企業の営業マンは、大手顧客への対応を強みとしており、大型案件の取引を行うことが多く見られます。顧客のニーズに沿った箱の提案をしたり、コスト削減の提案を検討したり、顧客との良好な関係を築くことを大切にします。
また、工場は最先端の機械が導入され、高い品質管理体制を誇り、品質に厳しいとされる食品、医薬品、機械メーカーとの取引を実現させます。それゆえに社内での品質管理やクレーム対応に深く関わりを持つ必要が強いられるでしょう。
◆大手営業マンの業務内容
- 既存先のフォロー
- 新規訪問
- 社内調整(製造)
- デリバリー調整
- クレーム対応
- 請求業務
中小企業の営業マン
中小企業の営業マンも基本的には既存得意先へのフォロー、新規獲得が挙げられますが、デリバリーの負担が多くなりがりです。客層も中小企業が多く、その分、細かな対応を求められます。
その負担は、営業マンが細かく段ボールを運ぶことで解消されるでしょう。それゆえに朝から夕方まで納品をこなしながら、合間に新規訪問というようなスケジュールが日常業務となります。
◆中小企業営業マンの業務内容
- 既存先のフォロー
- 新規訪問
- 納入
- デリバリー調整
- クレーム対応
- 集金、請求業務
営業マンの成績や評価の基準
営業マンの成績は、予算に対してどうだったかという点で評価されます。その指標となるのが売上高や利益が挙げられます。
平米という概念
段ボール業界特有ですが、一昔前までは売上、利益を関係なく、平米数が営業評価の指標になっていました。計算方法は、段ボールの面積×枚数で算出され、段ボールをどれだけ売ったかという量的な管理がされていました。
最近では、ようやく売上や利益に管理をシフトされていますが、過去には量だけしか見られなかった時代もありました。とりあえず、量だけ売ってこいという悪しき習慣の表れでもあるでしょう。
売上や利益
売上や利益は、営業マンの成績を評価するための重要な指標です。どの業界でも言えることですが、数字が高ければ高いほど、営業マンの成績は良いと評価されます。
ただし、前年に対して+10%以上で予算が立てられることが多いため、予算を超えることは至難の業でしょう。ちなみに前年超えは段ボール業界ではハードルが高くないと判断されがちです。
その理由は、段ボールの物量がGDPの成長とともに増えており、普通に営業していれば前年は軽く超えるという流れからです。しかし、実際のところ過去にリーマンショック、コロナショック時には国内の需要は大きく下がりました。
また注意すべき点は、少子高齢化、人口減少に伴う、需要減の影響で厳しい時代が到来しようとしています。
差別化ができない商材
段ボール業界では、商品の差別化が難しいという課題があります。段ボールは基本的なものだと、A式と言われるミカン箱形状が有名ですが、機械さえあれば、どこでも製造できる商材です。
品質の差はあるものの、厳しい品質でなければ、差別化が難しいと判断できるでしょう。差別化が難しいゆえに安売りになりがちで、利益が低い商材だという業界全体で課題を抱えています。
差別化ができるとすれば
商材で差別化が困難であれば一体どのような点で仕事を取ってこれるのか細かく見ていきましょう。
デリバリー
デリバリーは、段ボール業界における重要な要素です。営業マンは、顧客のニーズに合わせて最適なデリバリーの提供を求められます。
大手顧客だと1日に数万枚をひたすら毎日納品しなければなりません。そうなると生産計画を確認の上、社内へ伝達し、納品スケジュールを立て、円滑に製造、配達部門を回さなければならないでしょう。
一方、逆に1日に10枚だけ持ってきて欲しいという客先もあるため、そういう場合は、自分が配達することになります。
営業マンの力量
営業マンの力量は、顧客との関係構築や、競争相手との差別化に大きく影響します。段ボール自体の差別化が難しいため、営業マン個人の対応力で差をつけることが求められます。
◆営業マンの事例
- 顧客との関係構築:〇〇さん(担当営業)だから買っている
- 細かなデリバリー:毎日小ロットを届ける。在庫が減ったら届ける
- 定期的な提案:この提案を採用したら、コストメリットが出る
営業マンの直面する課題や問題
営業マンは、日々さまざまな課題や問題に直面します。これらの課題を乗り越えることで、営業マンは自身のスキルを磨き、成長させられます。
値上げ活動
値上げ活動は厳しい闘いとなります。それは、客先へ相談することで、競合他社へ仕事が流れる可能性があるからです。
つまり、客先へは他社に目移りしないように、値段を上げるという厳しい交渉を成功しなければなりません。神経が磨り減る活動の一つでしょう。
ミーティング
ミーティングは、営業マンの日常業務の一部です。会社によってミーティング頻度は異なりますが、基本的には営業の数字確認や行動確認が大半です。
今月の売上が予算に届くのか、届かないのか。売上が届かないならどうするのかなど。あとは新規訪問、既存先訪問へ何件いくのか、といった点が議論されます。
このミーティングの内容から伺えるように業界的に古い体質が定着しているがゆえ、昔ながらの活動をしている傾向が見られます。
クレーム対応
段ボールはクレームが多発する商材です。紙という不安定な商材を加工するため、どうしても避けられません。
大手顧客であれば、1日に何千枚使うところもあり、その中で不良ケースが混入していることで、すぐに検品、差し替えをしなければならない事態も発生します。
それゆえに営業マンのクレーム対応能力も重視されます。
営業マンのやりがいとは!
営業マンの仕事は困難な面が多いですが、それだけにやりがいも大きいです。
大手企業の営業マン
大手企業の営業マンは、大規模な取引を成功させた時の達成感や、企業のブランド力を活用した営業活動の成功など、特有のやりがいを感じるでしょう。また大手企業と打ち合わせする機会が多いため、例えば普段スーパーで目にするような商品に携われる楽しみもあります。
中小企業の営業マン
中小企業の営業マンは、客先との深い関係を築けることが多く、人間関係の構築を楽しみながら自分の営業力で仕事を増やす楽しさがあります。
また中小企業ならではのフットワークの軽さで自由な営業ができることも魅力の一つでしょう。
まとめ
この記事を通じて、段ボール業界の営業マンの仕事がどれほど困難であるか、そして、どれほど魅力的であるかを理解して頂けたのではないかと思います。もちろん、この内容がすべてではありませんが、ざっくり業界の雰囲気を感じ取れたのではないでしょうか。
彼らは日々、差別化が難しい商材と向き合い、顧客のニーズに応えるために奮闘しています。しかし、その過酷な課題を乗り越え、顧客からの信頼と満足を得ることが、彼らのやりがいにつながっているでしょう。
彼らの壮絶な日々をこれからも応援していきましょう。