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【大崎市】一ノ蔵で行われている案内付きの蔵見学と試飲がまさかの無料!実際に行ってきたので詳細を報告

ささキジ取材が得意なWebライター(遠田郡・大崎市・登米市)

どうも。ささキジです。

寒いですね。

そういえば初めて彼女ができて、初めて一緒に帰ったとき。1番最初に発した言葉が

「今日寒いね」

でした。

なんて思い返してるわけですが、そんな季節に忙しくなる会社さんが大崎市松山町にあります。

それは…

一ノ蔵。

実はこの時期の一ノ蔵は無料で蔵見学ができる。

つまり、日本酒というのがどうやってできるのかを知ることができるんですね。それだけではなく、見学終了には試飲もできるときたもんだ。

ここで疑問。

【蔵見学って楽しいの?】

ってこと。おそらく子供向けじゃないし、ジェットコースターがあるわけでもないし、アバンチュール的ななにかが始まっちゃうわけでもなさそうだ。

ということで今回は蔵見学、実際どうなの?って部分を記事にしたいと思います。

ただ!体験したすべてのことを記事にしてしまうと、この記事を読んだだけでまるで行って来たかのような気持ちになってしまう。

それはいかん。なのでかいつまんで紹介していこうと思う。

当日の簡単な流れ

DVDを見て、実際の製造現場を案内してもらって、試飲して、買い物したい人は買い物して帰宅。

とてもわかりやすいですね。

早速DVDを見ていきましょうか。

今回自分が車の運転でお酒を飲めないことから、大崎市でルポ漫画を書いているサトシさんに一緒に来てもらいました。

サトシさんには試飲を担当してもらいます。

試飲のときの感想がこの記事を左右すると言っても過言ではないからね。

DVDの話に戻ります。

数分の動画なのですが、簡潔に日本酒が出来上がるまでを説明してくれます。

ガンガン難しい専門用語で攻め立てるような動画ではないので誰が見ても

【なんとなく全体像がわかる】

動画になっています。

ワンポイントアドバイスとして、このDVDはしっかり目に焼き付けた方がいい。

全体像をぼやっとでもいいから理解しておくと、製造工程を見た時のワクワク度が段違いだぜ。

ざっくり日本酒ができるまで

すんごいざっくりこんな感じです。

  • 蒸米から麹を作る。麹によって米のデンプンは糖に分解される。
  • 蒸米、麹、酵母、水と合体させて、酒母(しゅぼ)を作る。酒母は糖をアルコール発酵させる。
  • 酒母を時間をかけて発酵させたものが醪(もろみ)と呼ばれる
  • 醪を搾って出た液体をいろいろすごい手間をかけて完成させたのが日本酒になる

おおまかにはこんな流れです。

よく聞く大吟醸とかって何なの?

純米酒とか大吟醸とか同じ銘柄なのにいろいろ種類があるじゃないですか?

あれは、精米歩合によって変わってくるんだと。じゃあ精米歩合とはなんなのかというと、米の削り具合のこと。

写真だと精米歩合が35%と書かれているけど、これは米一粒を65%削ってるということ。

一升瓶の日本酒に実際使用されている米の量。大吟醸にもなると、一升瓶一本半ほどの米が使われている。

削るのが多い分、雑味が消えて複雑な風味が生まれるらしい。でもその分米が小さいわけだから扱いを気をつけないといけない。

大吟醸にもなると米の量も手間も段違い。優秀だけど病弱みたいな感じ?そら大切に扱いますわな。

なんとなくふわっと理解したと思います。よし。じゃあ見学していこう

では、見学していきます

【蔵見学のプロ】

と呼ばれているびっくりするほどわかりやすく説明してくれる笠原さんに案内してもらいました。

蔵見学のプロ。いきなり切り札を出してくるところを見ると、一ノ蔵さん本気を出して来やがったな。その本気に全力で応えようと思う。

精米された米が洗われて、タンクに。

お米に水を吸水させるのですが、吸水するまでの時間は蔵人(酒蔵で働く職人)の五感で判断するんだと。

蒸米。左奥のバカデカいせいろに米を入れて蒸しあげます。

ささキジ:「すげぇ。想像以上にでかい。このセイロで一回にどれくらいの量の米を蒸すことができるんですか?」

笠原さん:「1.5トンです。

ささキジ:「1.5トン!やべえ!!!!すげぇ!!!」

想像していたより桁が違いすぎて爆笑してしまうささキジ。大食い自慢も余裕で逃げる圧倒的米量。

それもそのはず。一ノ蔵では年間100万本ものお酒が作られてるんだからね。

これは引込みという作業。

蒸した米に種麹(米にカビを生やすための素的なやつ)を振りかける。その米を職人の手で揉み上げて布に包む作業が引込み。

15キロほどの米を何往復もして持って来ては揉み上げ、持って来ては揉み上げる。

温度を下げないようにしないといけないのでスピード勝負でもある。

笠原さん:「見たまんま肉体労働ですね。細い子もこの作業をやるとどんどん逞しい体つきになるんですよ。でも単純ではないです。手で米の温度を感じて調整しないといけないので繊細さも求められますね」

ささキジ:「なんという体力。自分だったら3往復ごとに5分のインターバルが必要」

どれくらいの重さなのか体験できるコーナーも。見たまんまで、普通に重かったです。

ここで蔵で働く職人について素朴な疑問を聞いていく

前置きとして、お酒の製造に関わる職人さんたちはこの業界では蔵人と呼ばれます。その蔵人の頂点に立つ最高責任者。つまりフリーザみたいな絶対神みたいな存在の方を杜氏(とうじ)と呼びます。

笠原さん:「お酒を作る時期が大体10月から4月末にかけてなのですが、その時期の蔵人はほぼ働き詰めです。夜勤がついて24時間稼働で働きます」

ささキジ:「なんとなく職人の世界だからなぁ…そうだよなぁ。と思ってはいたけど、かなりハードワークですね」

笠原さん:「ただその代わり酒造りが終わった夏に1ヶ月半くらいの休みがありますね!また、みなさん職人なので杜氏になりたいという夢があるんですね。なので忙しくて大変だとは思いますが、蔵人のモチベーションは高いと思います」

蔵人としての目標や夢があって働いている人がほとんどなんだとか。

しかし近年、お酒界隈では職人不足という問題を抱えているとのこと。

笠原さん:「最近は機械化がかなり進んでいる印象ですね。しかし一ノ蔵は手づくりという部分を創業から大事にしているんです。現在一ノ蔵では38人の蔵人がいるのですが、ぶっちゃけ機械化が進んだ中小企業のお酒メーカーさんだったら蔵人が4〜7人でも一ノ蔵と同じ本数のお酒を作れちゃうんですよ」

あえて手をかけて、遠回りしてでも職人の感覚を大事にすることを継続している一ノ蔵。

ささキジ:「どちらがいいとか悪いとかの話とかじゃなく、かっこいいよね。とても粋を感じる」

笠原さん:」蔵人の腕に任せている部分が多いので、その分成長できます!様々なお酒を造ることもあり、うちで働くと1シーズンで他のお酒メーカーさんの3シーズン分くらいの経験が積めるといっても過言ではないかもしれません」

見学再開

酒母作り。

その酒母や麹、蒸米、水を入れて作るのが

醪(もろみ)。

長い木の棒を使ってかき混ぜる作業をしています。こちらも24時間体制でチェックを怠らないんだそう。

すごく、すごくでけぇ!

実際の深さはこれくらい。

ささキジ:「いやー。深いですね。落ちたら登るの一苦労ですね!」

笠原さん:「醪って絶賛発酵中なので、釜の中は酸素が少ないんですよ!もし落ちたら数秒で気絶します

ささキジ:「ほんわかした空気を切り裂くような物騒話。それもうほんとに、本気で落ちちゃダメなやつじゃないですか。もう仕方ないのでそのときは俺も原材料になります」

醪は熟成されアルコール発酵します。その醪を搾って出た液体が日本酒になり、絞った際にでた粕が酒粕になるってわけです。

この作業は粕剥がし。

清酒になる部分は槽の外へ出て行くんだけど、槽の中には圧縮された酒粕が残る。 その酒粕を袋から出して、抽出する作業のことを『粕剥がし』といいます。

朝の早い時間に行われるのと、1日に必ず1回行われる作業ではないということからこれを見れるのなかなかレアらしい。

このほかにもたくさんの話やいろんな場所を案内してもらったんだけど、全部書くと読者さんが実際に蔵見学をする楽しみがなくなっちゃうのでここまでにします。

お楽しみの試飲

今回は4種類試飲させてもらいました。中には酒蔵見学をした方のみが試飲できるというありがたいお酒もあった。

ささキジ:「自分は車で来てるので、今回同行してくれたサトシさんにお願いします」

サトシ:「あー。うまいですね。説明を聞いて、見学したからこそありがたさやおいしさを改めて感じます。うん。とても美味しい」

ささキジ:「それぞれの違いとかどうです?」

サトシ:「!!!!!」

ささキジ:「!!!!!!」

サトシ:「………?ごめんなさい。美味しいしかわからないです」

ささキジ「サトシさんはささキジより年上だからあんまり強いこと言えないけどさ。おめぇさんよ。マジでふざけるなよ。あんだけ丁寧に説明してもろて、あんだけわかりやすく工程を見させてもろて。あんだけ蔵人の熱量に触れて。これじゃあ記事を締められないよ」

今回特別にアルコールが低い発泡清酒のすず音も用意していただきました。

サトシ。これがラストチャンスだぞ。任せたぞ。ほんとに。

サトシ:「うわあすごい!とてもおいしいです!おしゃれで飲みやすくてすごく好きです!それぞれの違いは…わかりません。本当ごめんなさい」

ということでサトシさん。今後食レポ系の記事同行については、破門です。本当にお疲れ様でした!

実は今回、黄色いすず音をいただきました。

ささキジ:「すず音美味しそうですね!お酒が得意じゃない自分でもおいしく飲めそうです!帰りに買って帰りますね!」

と言ったら、実は用意していました。と言われて、催促したみたいでとてつもなく申し訳ない気持ちになったことを思い出す。

しかし!!いただいたからといって褒めちぎるのは違う。正直な意見を書いていきます。

すず音を楽しむために普段はまず買えない超絶いいお肉を焼きました。頼み込んで奥さんに買ってもらいました。

さてお味は…。

あのね。うまい。爽やかでちょい控えめな炭酸と、日本酒の粋で和な感じもありつつ、どこかフルーティーで白ワインのような上品さも兼ね備えている。

このフルーティさが米からやってくるなんてびっくりだよね。

中でも炭酸が秀でておいしい。

どういうことかというとすず音って単純に日本酒を炭酸水で割ってるものじゃないんですよ。

酵母はアルコール発酵する際に炭酸ガスを同時に生成する性質があり、これを利用して瓶内で発酵させ炭酸ガスを閉じ込める方法ですず音が作られているんです。

つまり、泡立ちがきめ細かいんです。わかります?このきめ細やかさ。

おそらく炭酸水と飲み比べればわかるんだけど、炭酸の一体感が違う。

お酒が弱い自分でもおいしく飲めたのでぜひみんなも飲んでほしいと思った。忖度なしに。

ってことで、しっかり記事が締まりましたね。

今回初めて蔵見学をさせてもらって、自分が想像している以上に手間がかかっていて、想像以上に蔵人の愛が詰まってるんだなと感じた。

この思いはきっと現地にいって見学しないと感じることはできないと思う。見学したときを思い出しながら飲むすず音はきっと1.2倍うまいはず。

みんなもこの機会にぜひ一ノ蔵の見学をしてみようぜ。

※予約必須です

施設詳細

名称:一ノ蔵

アクセス:〒987-1304 宮城県大崎市松山千石大欅14

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取材が得意なWebライター(遠田郡・大崎市・登米市)

宮城のローカルメディア【ミヤキジ】を運営しています。コミュニケーション能力、謎で無駄な企画力、独特な感性をフルに駆使し宮城県に関する記事を量産していています。特に"人"に焦点を当てた取材記事がめっぽう好きです。心の中でツッコミを入れながら読むと私の記事は輝きを帯びます。

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