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末廣酒造 嘉永蔵【会津若松市】無料 酒蔵見学 充実レクチャで日本酒通になった気分

あいづ くらし地域情報発信ライター(会津若松市・喜多方市など)

休みの日は飲食・観光・会津ぶらぶらしています「あいづ くらし」です。

末廣酒造 嘉永蔵(すえひろ しゅぞう かえいぐら)

現在、末廣酒造では酒造を博士蔵(会津美里町)で行っています。
嘉永蔵でも限定酒は作られているようですが、酒蔵ショップや酒蔵見学の場所として、多くの方に末廣酒造の酒や歴史を紹介しています。

末廣酒造 嘉永蔵
末廣酒造 嘉永蔵

今回は、蔵見学と直売所を見て周り、蔵喫茶「杏」でお茶してきました。
クラシックカメラ博物館は開いてませんでした。

末廣酒造 嘉永蔵 昔の量り売り小窓
末廣酒造 嘉永蔵 昔の量り売り小窓

門を潜ってすぐの場所に棚のある小窓があります。
この小窓は日本酒の量り売りの受け渡しに使われた、かつての売り場。
今でこそ、瓶に入った酒を買いますが、昔は徳利を持っていって買うのが一般的。
徳利を持っていなければ、酒屋の貸徳利を使いました。

末廣酒造 嘉永蔵 ロビー
末廣酒造 嘉永蔵 ロビー

写真の明るい所が入り口で、ここから入ってます。
建屋の中に入ると、吹き抜けの広いロビー。

末廣酒造 嘉永蔵 ロビー
末廣酒造 嘉永蔵 ロビー

明治後期に建てられたものとしては珍しい木造3F建て。
大火があり、この辺り一帯は消失。その後に建てられているのがこの建屋。
今では、間取り、建築技法、建材と、何もかもが変わってしまったので、古いものが維持され、残されるのは大賛成。

末廣酒造 嘉永蔵 神棚
末廣酒造 嘉永蔵 神棚

入り口の右にある座敷には「神棚」がありました。
これだけ大きいと「神棚」と呼んでいいか分かりません。
立派で、何百人も神様がおいでの感じ。

酒蔵見学

末廣酒造 嘉永蔵 酒蔵見学
末廣酒造 嘉永蔵 酒蔵見学

酒造見学は10:00〜16:00迄。
1時間に1回で、12:00の見学はありません。
用紙がありますので、希望時間に名前と人数を記入します。
時間があれば先に近隣を観光するもよし、直売所を見て過ごしもよし。
時間になれば始まりますので遅れないように。

数日前にも訪れていて、この時は直近の次の見学まで50分待ちになってしまって帰りました。
今回は9時59分。ギリギリ10時からの見学に間に合いました。
「行動は計画的に」年齢を考えると、もう身につきそうにありません。

* 本文は、レクチャされた内容に、自分で調べた事を加えて再構成していますのでご承知おき下さい。

靴を履き替えて入場、日本酒のいろはを教わります。

最初に靴を、備え付けのサンダルに履き替えてレクチャースペースへ。

末廣酒造 嘉永蔵 レクチャ
末廣酒造 嘉永蔵 レクチャ

日本酒の特徴は「並行複発酵」

超ざっくりな説明。
(その割には文字数が多くて反省)

酒(アルコール)は、酵母(イースト菌)によって糖が発酵(分解)されてできます。
単発酵:ワインなどの原料は糖が十分にあるので、発酵だけでワインができます。
単行複発酵:ビールは「麦芽」を「麦芽糖」へ糖化させてから、この麦芽糖を発酵(分解)させて作ります。糖化と発酵が別々に(別々のタンクで)行われます。
日本酒は、お米が麹によって糖化され、それに平行して発酵がされます。なので1つのタンクでできていきます。これが並行複発酵です。

日本酒の原料は米 酒造好適米

末廣酒造 嘉永蔵 酒米(稲穂)
末廣酒造 嘉永蔵 酒米(稲穂)

日本酒作りの為の米を酒造好適米とよびます。
酒造好適米は稲穂が大きく、米の粒が大きいのが特徴です。
酒米 = 酒造好適米 + 一般米(食用の米)
酒造りには一般米も使われますが、食用時に玄米を10%ほど精米して白米にするところ、一般の酒で30%、大吟醸になると50%から65%を精米して使います。
米の表層部分には雑味の元となるもの(タンパク質などの栄養素)が含まれているため、米を磨けば磨くほど味や香りが増すのです。
一般米は沢山磨く(精米)と、使えるところが少ししか残りません。
酒造好適米は沢山磨いても(精米)、使える原料を多く取れます。
ちなみに、削られた米は煎餅などになるそうですが、流通単価は低く、美味しい日本酒が高くなるのは原価の高さの反映でもあります。

レクチャがしっかりされるので、この後の見学も理解が進みます。
すっかり日本酒通(になったつもり)。

米の蒸し釜

末廣酒造 嘉永蔵 蒸し釜
末廣酒造 嘉永蔵 蒸し釜

米を蒸す釜。
水分が均一で、潰れていない蒸し米が酒作りには大切です。

麹室(こうじむろ) 模型

末廣酒造 嘉永蔵 麹室(模型)
末廣酒造 嘉永蔵 麹室(模型)

古来、日本酒は寒い時期に作ります。
新米が使えること、農閑期で人手が確保しやすいことと考えられます。
麹菌(こうじきん)を発育させるために、適度な湿度、温度を備えた室(むろ)が必要でした。

発酵

末廣酒造 嘉永蔵 タンク
末廣酒造 嘉永蔵 タンク

日本酒は並行複発酵で1つのタンクでできますが、一度に全部の原料を合わせるわけではありません。
三段仕込みでは、日にちを置いて、3回に分けて仕込んでいきます。

酒ぶね

末廣酒造 嘉永蔵 酒ぶね
末廣酒造 嘉永蔵 酒ぶね

酒(醪、もろみ)を絞り、酒粕と酒に分けます。
「てこの原理」で、圧を掛ける様子が分かります。

火入れ(火落ち菌の殺菌)

この後、一般には火入れ(加熱処理)を行います。
火入れによって、アルコール耐性の強い菌を殺菌し、アルコールの生成を行っている酵素の働きを止めます。搾りたての状態で酒を保存することができます。

よりフレッシュな日本酒を味わいたいのであれば、
生酒」:火入れを一度も行わずに出荷。
生貯蔵酒」:瓶詰め前に1回だけ火入れを行う。
生詰酒」:ろ過後に1回だけ火入れを行う。
と、それぞれに味わいの異なる日本酒も流通しています。

蔵の見学はまだ続きます。
先述したように直売所やカフェにも寄りましたが、これはまた別にご紹介します。

山廃(やまはい) 純米吟醸 末廣 - 山卸、山廃とは

末廣酒造 嘉永蔵 山廃(やまはい) 純米吟醸
末廣酒造 嘉永蔵 山廃(やまはい) 純米吟醸

山廃とは、山卸(やまおろし)を廃止して作られた酒です。
山卸は、米を溶かしやすくする為に蒸米をすりつぶす作業のことでしたが、工程を工夫することで、麹の力だけで充分に米が融けることがわかり、末廣酒造では大正初期より作られています。
旨味がよく残るので、常温や燗にして味わえる、上品な日本酒です。

【末廣酒造 嘉永蔵】
住所:〒965-0861 福島県会津若松市日新町12-38
営業時間:9:30~16:30
電話:0242-27-0002
末廣酒造 ホームページ

蔵の通りを向こう(東側)に駐車場があります。(かなり広い)

「ハイカラさん」バス停(大和町、やまとまち)

右側、瓦屋根が「末廣酒造 嘉永蔵」
ハイカラさん」は、七日町から周る会津バスの運行する町中周遊バスです。

「あかべぇ」バス停(老町、おとなまち)

進行方向(七日町通り)に徒歩で向かい、最初の交差点を左に折れて、次の四角に「末廣酒造 嘉永蔵」
あかべぇ」は、飯盛山から周る会津バスの運行する町中周遊バスです。
この「あかべぇ」バス停の道路向かいに無料 観光駐車場もあります。

* 本記事はライター「あいづ くらし」の主観に基づいています。
本内容に対しまして、Yahoo及び店へのお問い合わせはご遠慮ください。

地域情報発信ライター(会津若松市・喜多方市など)

■福島県 会津地方をブラブラして紹介する「会津暮らし」をサイト運営。縁があって、Yahoo!ニュース エキスパートの地域クリエイターになりました。 ●飲食・観光・湯遊び・etc 会津での暮らし体験を発信(かなり、ゆるりと気ままに)●担当地域は、会津地方の一部になる会津若松市、喜多方市、耶麻郡、河沼郡の2市7町村。 ●普段の仕事はカレンダー勤務なので曜日に関係なくグルグルします(土日の勤務日もあるけれど、平日に休みの日もある)。■耶麻郡は、北塩原村、西会津町、磐梯町、猪苗代町■河沼郡は、坂下町、湯川村、柳津町■公式サイト(個人ブログ-「会津暮らし」)■関連サイト(個人ブログ-IT関連)

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