大きな夢と願いを乗せた北海道カーリングツアーが今夏、いよいよ始動
北海道カーリング協会(以下HCA)は16日、2022/23シーズンから始動する「北海道カーリングツアー」の発表会見を北海道立総合体育センター・きたえーるで行い、貝森輝幸会長や本橋麻里広報室委員が出席。昨年までに開催されていたどうぎんカーリングクラシックやアドヴィックスカップに加えて昨季、開催予定だったアルゴグラフィックスカップ、新設の稚内みどり CHALLENGE CUP 2022の日程がそれぞれ正式発表された。
8月4日-7日「どうぎんカーリングクラシック2022」
(札幌市豊平区/どうぎんカーリングスタジアム/男女8チーム)
8月18日-21日「稚内みどり CHALLENGE CUP 2022」
(稚内市緑/みどりスポーツパークカーリングホール/男女8チーム)
9月1日-4日「アルゴグラフィックス杯」
(北見市柏陽町/アルゴグラフィックス北見カーリングホール/女子6チーム)
9月8日-11日「アドヴィックス杯」
(北見市常呂町/アドヴィックス北見カーリングホール/男女10チーム)
画期的なのはこの4大会すべての結果に、チーム別の世界ランキングを決定するWCFT(World Curling Federation Tour)ポイント、世界カーリング連盟の定めるポイントが付与されることだ。
かつてカーリングではチーム単位で賞金大会を中心に、結果に応じて加算されていくWCT(World Curling Tour)ポイントが用いられていたが、近年からWCFTポイントが主流となっている。
このポイントがグランドスラムなどの上位大会への出場権となっていくうえ、まだ正式な発表はされていないが、JCA(日本カーリング協会)も日本選手権への出場枠として活用する可能性は大きい。シーズンイン直後ながら真剣勝負が期待できそうだ。
また同時に、新型コロナウイルスの影響で無観客での開催を余儀なくされる大会もあり、松平斉之HCA副会長が「カーリングゾーンも活用し日本のカーリングファンのみならず世界中に北海道のカーリングを視聴していただければ」と語ったように、今季は配信に重点を置いての運営がなされる予定だ。
その配信をサポートする意味でもNTT東日本-北海道とのスポンサー契約は心強い。阿部隆北海道事業部長は「地域に根差した企業であり続けるというのがポリシー」と大前提を挙げつつ、「ここ数年のコロナ禍でスポーツの見方、観戦の仕方も急激に変わった」という昨今の状況を含めた上で「私たちの通信技術を使いながらWCFTの盛り上げをお手伝いさせていただきたい」と語る。
同じくツアースポンサーとなったホクレン農業協同組合連合会は、2008年からHCAのスポンサーを継続している北海道カーリングのパートナー団体だ。
渡辺省三管理本部長は「北海道の農畜産物を日本全国、さらに海外の方に『本当に美味しいな』と食べていただくきっかけになれば」とコメントしつつ、「美味しい、安心、安全なものを食べて元気を出せば世界で活躍できる。ということにつながれば」と結んだ。
今季からHCAの業務も兼務する本橋麻里広報室委員も「せっかく北海道に全国から選手が来てくれるのなら、美味しい農畜産物を副賞にした『ホクレンMVP賞』のアイデアもホクレンさんと相談しようと思っています」と意欲的に語る。観客の有無なども含めたそれらの詳細の発表も待たれるところだ。
その本橋は両団体に「北海道のカーリングの可能性を信じてくれてスポンサードしてくれた」と感謝しつつ、「ジュニアチームがトップチームと戦えるという希望になっている」と競技力向上や育成面でも期待を寄せる。
「『気が早い』と言われるかもしれませんが、例えば現在15歳の選手が2030札幌を目指すとしたら23歳で大舞台を迎えることになります。世界に挑むタイミングとして時期尚早ということは決してないと思います。強化の歩みを止めない流れを作っていきたい」
強化、普及、育成、配信を主としたスポーツ観戦の新様式、地域の活性化etc……。大きな可能性を秘めて北海道ツアーがいま産声を上げた。まずは8月4日にどうぎんカーリングクラシックが開幕する。