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ウクライナ軍、小型民生品ドローンでロシア軍を偵察・居場所を確認したらミサイル攻撃へ

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

2022年11月にウクライナ軍が小型の民生品ドローンでロシア軍の様子を偵察して、居場所を確認したらそこにめがけてミサイルで攻撃を行おうとしている動画を英国のメディア「スカイニュース」が報じていた。ウクライナ軍がタブレットの画面でロシア軍の様子を確認したりしている。

ウクライナ軍だけでなくロシア軍も、偵察ドローンで上空から敵軍の居場所を検知したらすぐにミサイルを撃ち込んで攻撃を行っている。動画の中でもロシア軍の偵察ドローンを見つけて隠れているシーンが報じられていた。

このように敵軍の監視・偵察ドローンに自軍の居場所を察知されると、その場所をめがけてミサイルが大量に発射されるので偵察ドローンを検知したらすぐに破壊したり機能停止したりする必要がある。偵察ドローンとミサイルはセットで、上空の偵察ドローンは敵からの襲撃の兆候である。

偵察ドローンは小型でも大型でも「上空の目」として戦場では敵の動向をさぐるのに最適である。ロシア軍が使用している偵察ドローン「Orlan-10」は大型なので上空でも見つけられやすく、ウクライナ軍によってよく迎撃されている。小型ドローンもバリバリと音がするので検知しやすい。

偵察ドローンを見つけた時に機能停止させたり破壊したりするような迎撃システムがなくて迎撃できない場合は、ウクライナ兵が塹壕に隠れたように上空から目立たないところで動かずにじっとしていて、偵察ドローンが飛び去るのを静かに待っているのが効果的である。

▼ウクライナ軍がドローンを活用してロシア軍を偵察してミサイルで攻撃しようとする動画(英国メディア「スカイニュース」)

▼ウクライナ領土防衛隊も公式SNSで偵察ドローンの重要性をアピールしていた。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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