北朝鮮の元女性兵士、金正恩「セクハラ拷問部隊」に怒りの3発
北朝鮮・咸鏡北道(ハムギョンプクト)の魚浪(オラン)郡で保衛部の留置場看守が、起訴前の取調べである予審の段階にあった容疑者により殺害される事件が銃に撃たれて死亡する事件が起きた。
管理所(政治犯収容所)の運営や公開処刑を担当する保衛部は、金正恩体制の恐怖政治を支える秘密警察であり、拷問で住民をさんざん痛めつけているが、今回の事件もその延長線上で起きたものと言える。
デイリーNKの現地消息筋によれば、「先月末、漁郎郡保衛部である看守が、予審中の女性に対して面前でセクハラを働き、耐えかねた女性がその場で看守の銃を奪い取って看守を撃ち殺した」と伝えた。
(参考記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面)
消息筋によると、漁郎郡に住むこの夫婦は、国境地域の茂山(ムサン)へ行き、韓国のブローカーとの通話中に保衛部の電波探知機に引っかかって現場で逮捕され、その後、漁郎郡保衛部に引き渡された。
事件当日、この夫婦が入れられた留置場に夕方から勤務に就いた看守は、酒に酔って女性を呼び出し、夫が見る前で自分の顔を触ってみろとセクハラを働いた。
これに女性が応じないと、看守は彼女を足蹴にし、さらに持っていた拳銃で女性の胸を突きながら、あらゆる性的な発言を浴びせかけて侮辱した。
怒った夫はやめろと叫んだが、看守はむしろさらにひどく虐待を働き、結局、耐えきれなくなった女性が、看守が持っていた銃を奪って安全装置を外し、3発を発射して看守を即しさせた。
この女性は除隊軍人であるため、銃器類の扱いに長けていたという。
死亡した看守は平安南道(ピョンアンナムド)出身の20代後半の男性で、普段から勤務時間に酒を飲んでは留置場の収容者をイジメることで悪名高かったという。
事件発生後、女性は素早く看守のポケットから鍵を取り出して留置場のドアを開け、夫と一緒に保衛部から抜け出したが、銃声を聞いて駆け付けた当直官らに直ちに捕えられ、その場でしばらく殴打され、再び保衛部に拘留されたという。
消息筋は「事件の報告を受けた道路保衛局は、この夫婦を南朝鮮(韓国)と結託したスパイと決めつけた。この夫婦は1日も経たないうちに管理所(政治犯収容所)に送られた」と伝えた。