保育園が呼び出し判断をする流れを図解で解説「2種類の体温計使用・複数名で検討の上判断」
共働きの現役保育士です。
保育園に登園したものの仕事中に保育園からの電話があると「体調不良で呼び出しか?!」とびっくりしてしまいますね。
”保育園の洗礼”とも呼ばれる通り、このような出来事は日常茶飯事かもしれません。
今回は、保育園が保護者の呼び出し連絡をするまでの流れを図解にしてみました。
保育園が呼び出し判断をする流れ
発熱の場合、降園後「帰宅直後に検温したら、熱がなかったのですが!」とご連絡をいただくことが、少なくありません。
まず、子どもは大人よりも体温の変化が激しいため、帰宅後に解熱することもあるのが1つ理解していただきたいことです。
また、体温計には実測式と予測式の2つの測定方式があります。
そして、一般的に家庭で使っているのは数秒から数分で測れる予測式が多いです。
呼び出しの電話を入れる場合は、予測式の体温計だけで基準値を超えたからといって、いきなり電話をするようなことは基本的にしません。
予測式で基準値を超えたときは、実測式体温計で再計測した上で呼び出しの判断をしますよ。
また、単独の保育士だけで呼び出しを決定するのではなく、看護師や園長と協議の上で決定していますよ。
保育園からの呼び出しの判断基準
保育園からの呼び出しというと、発熱があった場合に注目されがちですが、目ヤニや下痢・咳など発熱が伴わない症状の時も呼び出しを検討します。
各保育園でも呼び出しの参考基準としているのが、厚生労働省作成の「保育所における感染症ガイドライン」です。
次のような症状の場合、登園を控えることが望ましい場合として定められています。
登園を控えるのが望ましい場合
・24 時間以内に 38度以上の熱が出た
・解熱剤を使用している
・37.5度を超えた熱があることに加えて、元気がなく機嫌が悪い、食欲がなく朝食・水分が摂れていないなど全身状態が不良である
・24 時間以内に複数回の水様便がある
・食事や水分を摂るとその刺激で下痢をする、下痢と同時に体温がいつもより高いなどの症状がみられる
・朝に、排尿がない、機嫌が悪く元気がない、顔色が悪くぐったりしているなどの症状がみられる
・ 24 時間以内に複数回の嘔吐がある
・嘔吐と同時に体温がいつもより高いなどの症状がみられる
・食欲がなく、水分も欲しがらない、機嫌が悪く元気がない、顔色が悪くぐったりしているなどの症状がみられる
・夜間しばしば咳のために起きる
・ゼイゼイ音、ヒューヒュー音や呼吸困難がある
・呼吸が速い、少し動いただけで咳が出るなどの症状がみられる
・発熱とともに発しんがある
・医師より登園を控えるよう指示されている
・口内炎がひどく食事や水分が摂れない
・発しんが顔面等にあり、患部を覆えない
・浸出液が多く他児への感染のおそれがある
・かゆみが強く手で患部を掻いてしまう
保育所における感染症ガイドライン/厚生労働省・こども家庭庁
※一部編集
「浸出液が多く他児への感染のおそれがある」など、他のお友達への影響を踏まえた基準であることは意外と盲点かもしれません。
まとめ
保育園が保護者の呼び出し連絡をするまでの流れを図解にして紹介してきました。
呼び出しといっても、出張などで遠方にいてすぐには駆けつけられない場合もありますね。
その場合は、事情を話せば待ってもらえることがありますよ。